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19世紀初頭の旧東欧の地。
19世纪初的旧东欧之地。

ナポレオン率いるフランス軍の進軍の噂が立つ中、侵略を恐れる人々は古の約束に従い、ベレジンスキー辺境伯領を治める謎の領主に『供犠』を差し出して街を守ろうとしていた。
拿破仑所率的法国军队进军的传闻四起,恐惧被侵略的人们遵循古老的约定,将『供牺』献给统治贝雷津斯基边境伯领地的谜之领主,以此守护城镇。

選ばれたのは、身寄りもなく修道院に住む少女、サラ・デュドネ。
被选中的人,是无亲无故、住在修道院的少女——莎拉·迪厄多内。

街と人々のため、死を覚悟して向かった彼女を待っていたのは、謎の領主――吸血鬼――との思いもかけない日々だった。
为了城镇与众人,她做好赴死的觉悟前往那里。等待着她的,却是与谜之领主——吸血鬼——共度的、始料未及的日子。

やがて迫り来るフランス軍と吸血鬼を狩る謎の部隊。
不久后步步逼近的法国军队,以及猎杀吸血鬼的谜之部队。

いつしか、主人公は選択を迫られる。
不知不觉间,主角被迫做出抉择。

吸血鬼の血を飲み、彼らと共に戦うのか。吸血鬼に血を与え、彼らに大罪を重ねさせながら戦い続けるのか――。
是饮下吸血鬼之血,与他们并肩而战?还是将自己的血献给吸血鬼,让他们背负更多大罪,却仍继续战斗下去——。

❖ 世界观

「薄桜鬼」との繋がり―変若水―
与《薄樱鬼》的关联—变若水—


薄桜鬼シリーズに出てきた変若水は西洋から伝わってきた劇薬。
在《薄樱鬼》系列中登场过的『变若水』,是从西洋传来的剧药。

これを飲んだ者は“羅刹”と呼ばれる存在になり、生活の昼夜が逆転して日の光を嫌い、理性を失って人の血を求めるようになる。
饮下它的人会成为被称为「罗刹」的存在——昼夜颠倒、厌恶日光、丧失理性,并开始渴求人血。

それはまさに【吸血鬼】。
那正是【吸血鬼】。

発端は江戸時代末期に幕府がフランスと協力関係をもったことから始まり、フランスから不死の兵士が作れる薬という触れ込みでもたらされたのが変若水――吸血鬼の血であった。
其开端,源自江户时代末期幕府与法国建立起合作关系。法国以「能造出不死的士兵之药」为名带来的,正是变若水——吸血鬼之血。

フランスはこの血をどこから得たのか、吸血鬼とはどんな者たちだったのか、その謎を物語の中で解き明かす。
法国究竟从何处得到这份血?吸血鬼又是怎样的一群人?故事将逐步揭开这一谜团。

ベレジンスキー辺境伯領
贝雷津斯基边境伯领地


東ヨーロッパに古くから存在している領地。
自古以来便存在于东欧的领地。

周辺の国家や都市では昔から手を出してはいけない謎の領地と密かに語り継がれていた。
周边的国家与都市自古便私下相传,这是一片不可出手染指的谜之领地。

同地を治める領主や貴族たちは公に姿を現したことがなく、実際に存在するかどうかも疑問視されている。
统治此地的领主与贵族们从未在公开场合现身,甚至连其是否真实存在都受到质疑。

プルガトリウムの館
普尔加托利乌姆之馆


ベレジンスキー辺境伯領にある、アレクサンドルを筆頭に吸血鬼貴族たちが暮らしている館。
位于贝雷津斯基边境伯领地,以亚历山大为首的吸血鬼贵族们所居住的馆邸。

近衛猟奇兵団「クルースニク」
近卫猎奇兵团「克鲁斯尼克」

ナポレオンが秘密裏に組織した、人間相手では解決できない不思議な現象や化け物の対応を専門とする部隊。
由拿破仑暗中组建的部队,专门应对以人类之力无法解决的怪异现象与妖物。

ヴラド・ツェペシュ系譜
弗拉德·采佩什血系

吸血鬼界の一大勢力。ヨーロッパ吸血鬼では最もこの血族が多く、他の血族から一目置かれている。
吸血鬼界的一大势力。在欧洲的吸血鬼当中,这一血族的人数最多,也令其他血族另眼相看。

吸血鬼でありながら領主となって国を治めたのは、ヴラド・ツェペシュただ一人。
以吸血鬼之身成为领主、统治国家的,唯有弗拉德·采佩什一人。

シャンダニャック系譜
尚达尼亚克血系

ヨーロッパで最も古くから存在すると言われている伝説級の吸血鬼。
据说是欧洲最为古老的存在——传说级的吸血鬼。

血を求めて多くの戦役を起こし、その過程で気まぐれに血族を増やした。
为求血而挑起诸多战役,并在这一过程中随心所欲地增添了血族。

ジル・ド・レ系譜
吉尔·德·雷血系

15世紀、ジャンヌ・ダルクと共にフランスのために戦った貴族。
15世纪与贞德一同为法国而战的贵族。

後に吸血鬼の研究に取り付かれ、多くの血族を生み出した。
后来被吸血鬼的研究所蛊惑,孕育出了众多血族。

エリザベート・バートリ系譜
伊丽莎白·巴托里血系

17世紀初頭、ハンガリー王国の貴族で「血の伯爵夫人」との異名を持つ。
17世纪初匈牙利王国的贵族,拥有「血之伯爵夫人」的异名。

チェイテ城で吸血鬼にされた少年少女の生き残りがヨーロッパに存在する。
在恰赫季采城堡中被变成吸血鬼的少年少女,仍有幸存者活在欧洲。

ルスヴン卿系譜
鲁斯文卿血系

最も新しい吸血鬼の血族で、ヨーロッパではヴラド派に迫る勢力となっている。
最新的吸血鬼血族,在欧洲已成为势力直逼弗拉德一派的集团。

英国から広まったため、都会と共存する吸血鬼が多い。
由于自英国扩散开来,与都市共存的吸血鬼居多。

❖ 角色


サラ・デュドネ(Sarah Dieudonne)
莎拉·迪厄多内

吸血鬼に身を捧げた修道女
为吸血鬼献身的修女

ベレジンスキー辺境伯領の周辺都市で育った少女。
成长于贝雷津斯基边境伯领地周边都市的少女。

幼い頃に母親を亡くし修道院で育てられる。
幼年丧母,在修道院中长大。

神を信じる真っ直ぐな心根を持ち、将来は教会に関わる仕事に就いて自分と同じような境遇の子のために働こうとしていた。
心怀对神的纯粹信仰,原本打算将来从事与教会相关的工作,为自己同样境遇的孩子们出力。

街の権力者たちの思惑により、ベレジンスキー辺境伯領への供犠とされる。
因城镇掌权者们的算计,被定为献给贝雷津斯基边境伯领地的供牺。

「この身を捧げます。街や人々をお護りください」
「我愿献上此身。请守护城镇与众人吧」


アレクサンドル・シラージ(Aleksandr Szilagyi)
亚历山大·希拉吉

竜の名を継ぐ吸血鬼
继承龙之名的吸血鬼

ベレジンスキー辺境伯領を治める5人の貴族の一人で、その代表の辺境伯。
统治贝雷津斯基边境伯领地的 5 位贵族之一,也是他们之中的代表——边境伯。

ヴラド・ツェペシュの血脈を受け継ぐ吸血鬼。
继承弗拉德·采佩什血脉的吸血鬼。

人間社会の中で吸血鬼が暮らせる国を維持していくことに腐心している。
为在人类社会中维持一个吸血鬼也能生存的国度而殚精竭虑。

「人間の娘、我がベレジンスキー辺境伯領によく来た」
「人类的女孩,欢迎来到我的贝雷津斯基边境伯领地」


ザビーネ・アルブレヒト(Sabine Albrecht)
萨宾·阿尔布雷希特

血の謎を探る吸血鬼
探究血之谜的吸血鬼

ベレジンスキー辺境伯領を治める5人の貴族の一人で、シャンダニャックの血脈を受け継ぐ吸血鬼。
统治贝雷津斯基边境伯领地的 5 位贵族之一,继承尚达尼亚克血脉的吸血鬼。

アレクサンドルと共に建国に関わり、現在は辺境伯領の実務を司る。
与亚历山大一同参与建国,如今执掌边境伯领地的实务。

「身を捧げる覚悟がないならお帰りください」
「若没有献上此身的觉悟,就请回吧」


マエル・ド・ラヴァル(Mael de Laval)
马埃尔·德·拉瓦尔

若き最長命の吸血鬼
年轻的最长寿吸血鬼

ベレジンスキー辺境伯領を治める5人の貴族の一人で、ジル・ド・レの血脈を受け継ぐ吸血鬼。
统治贝雷津斯基边境伯领地的 5 位贵族之一,继承吉尔·德·雷血脉的吸血鬼。

見た目は若いが5人のなかで最も生まれが古く、仲間の兄貴的存在。
外表年轻,却是 5 人当中出身最为古老的一位,在同伴之间如同兄长辈。

「百年ぶりか。面白そうな奴がきたな」
「相隔百年了啊。来了个有趣的家伙」


ラファエル・ナーダシュディ(Rafael Nadasdy)
拉斐尔·纳达什迪

闇に愛されし吸血鬼
为暗所钟爱的吸血鬼

ベレジンスキー辺境伯領を治める5人の貴族の一人で、エリザベート・バートリの血族の代表。
统治贝雷津斯基边境伯领地的 5 位贵族之一,伊丽莎白·巴托里血族的代表。

マイペースで人と争うことが嫌いなため、他人ごとのように振る舞う。
我行我素、厌恶与人相争,因此总表现得像是事不关己。

読書や星の観察が好きで、ひとりでこもっていることが多い。
喜欢读书与观星,经常独自窝在房里。

「ねぇ、今ならまだ帰れると思うんだけど」
「呐,我觉得现在回去还来得及哦」


ジョナス・フィッツジェラルド(Jonas Fitzgerald)
乔纳斯·菲茨杰拉德

同族が恐れる吸血鬼
令同族畏惧的吸血鬼

ベレジンスキー辺境伯領を治める5人の貴族の一人で、ルスヴン卿の血族の代表。
统治贝雷津斯基边境伯领地的 5 位贵族之一,鲁斯文卿血族的代表。

5人の貴族の中でもっとも若く、最後に仲間になった吸血鬼。
5 位贵族中最年轻、也是最后加入同伴的吸血鬼。

人間と吸血鬼の秩序を守るため、同族に刃を向ける役目を受け持つ。
为守护人类与吸血鬼的秩序,承担起向同族挥刃的职责。

「人の身でいつまで耐えられるか見せてみろ」
「让我看看以人类之身能撑到几时」


マインスター(Baron Meinster)
迈因斯特男爵

館を仕切る有能な執事
掌管馆邸的能干执事

プルガトリウムの館をとりまとめる有能な執事。
统管普尔加托利乌姆之馆的能干执事。

領主たちに次ぐ長寿の吸血鬼で、領主たちからも頼りにされている。
寿命仅次于领主们的吸血鬼,也深受领主们信赖。

「おや、ここに残るのですか? 本当に?」
「哎呀,您要留在这里吗?真的吗?」


カーミラ(Carmilla)
卡米拉

主人公の為の女性使用人
为主角而设的女仆

プルガトリウムの館に雇われた主人公専用の使用人。
受雇于普尔加托利乌姆之馆、主角专属的佣人。

人と吸血鬼の間に生まれた吸血鬼。
生于人类与吸血鬼之间的吸血鬼。

主人公のよき話し相手でもある。
也是主角最好的聊天对象。

「その服、あなたに似合うと思ってたわ」
「那件衣服,我就觉得会适合你呢」


ヴラド・ツェペシュ(Vlad Tepes)
弗拉德·采佩什

ワラキアの串刺し公
瓦拉几亚的穿刺公

15世紀、ワラキア公として名を馳せた吸血鬼。
15世纪作为瓦拉几亚公而声名远扬的吸血鬼。

プルガトリウムの館の地下に眠り続ける。
长眠于普尔加托利乌姆之馆的地下。

「……ここはどこだ。そして、あれから何年が経った?」
「……这里是哪里。还有,那之后过了多少年?」


モンテベッロ(Duc de Montebello)
蒙泰贝洛

戦場に舞い戻る狂戦士
重返战场的狂战士

近衛猟奇兵団「クルースニク」の一人。
近卫猎奇兵团「克鲁斯尼克」的一员。

記憶が無く「狂戦士」と呼ばれている。
丧失了记忆,被称为「狂战士」。

吸血鬼と似た症状を持つ。
拥有与吸血鬼相似的症状。

「記憶は無い。だが、友のために戦うことだけは覚えている」
「记忆没有。但是,为了朋友而战这一点我还记得」


アンリ・サンソン(Henri Sanson)
亨利·桑松

魔物の死刑執行人
魔物的死刑执行人

近衛猟奇兵団「クルースニク」のまとめ役。
近卫猎奇兵团「克鲁斯尼克」的统筹者。

サンソン家の5代目で死刑執行人を請け負う。
桑松家第五代,承接死刑执行人之职。

「皆さま方、お目に掛かるのを楽しみにしております」
「各位,我很期待与你们相见」


ラウル・シャストル(Raoul Chastel)
拉乌尔·沙斯特尔

魔物狩り一族の系譜
魔物狩猎一族的血脉

近衛猟奇兵団「クルースニク」の一人。
近卫猎奇兵团「克鲁斯尼克」的一员。

ジェヴォーダンの獣を討ち取った魔物狩り一族の一人。
讨伐了热沃当之兽的魔物狩猎一族成员。

金銭で殺しを請け負っている。
以金钱为酬承接杀人委托。

「吸血鬼、僕の前に現れたことを後悔させてやる」
「吸血鬼,我要让你后悔出现在我面前」


近藤 宗助(Sosuke Kondo)
近藤 宗助

日本からきた侍
来自日本的武士

近衛猟奇兵団「クルースニク」の一人。
近卫猎奇兵团「克鲁斯尼克」的一员。

アンリ・サンソンに金で雇われた剣の達人。
受亨利·桑松以金钱雇佣的剑术高手。

ある刀を探してヨーロッパに来る。
为寻找某把刀而来到欧洲。

「魔物だろうが化け物だろうが関係ねぇ。手向かえば斬る」
「是魔物也好妖怪也罢,都无所谓。敢反抗我就砍」


クレイヴァン(Kraven)
克雷文

館随一の豪腕使用人
馆内第一的力士佣人

プルガトリウムの館に雇われている吸血鬼の一人。
受雇于普尔加托利乌姆之馆的吸血鬼之一。

御者や力仕事担当として働いている。
担任车夫与体力活。

「何かあれば言ってください。手伝いますよ」
「有什么事请吩咐。我会帮忙的」


レスカト(Lestat)
莱斯塔特

薔薇園を任された庭師
被托付蔷薇园的庭师

プルガトリウムの館に雇われている吸血鬼の一人。
受雇于普尔加托利乌姆之馆的吸血鬼之一。

芸術肌で庭師として働いている。
颇具艺术气质,作为庭师工作。

「薔薇には触れないでね。血が流れたら困るから」
「请不要碰蔷薇哦。流了血就麻烦了」


エドワード(Edward)
爱德华

プルガトリウムの料理長
普尔加托利乌姆的料理长

プルガトリウムの館に雇われている吸血鬼の一人。
受雇于普尔加托利乌姆之馆的吸血鬼之一。

味にうるさい貴族たちの料理長として働いている。
作为对味道极为挑剔的贵族们的料理长工作。

「まさか、料理を手伝ってくれるのか?」
「难道,你愿意来帮忙做菜吗?」

❖ 公开CG


何が、という余裕もなかった。
连「什么」都来不及想的余裕都没有。

サラ(主人公)「!」
莎拉(主角)「!」

気づけば包み込まれるように、私の背中は壁に押し当てられ――。
回过神来时,我已像被整个包裹住一般,后背被按在了墙上——。

てらてらと輝く吸血鬼の牙が、ゆっくりと私の肌に迫っていた。
泛着湿润光泽的吸血鬼之牙,缓缓逼近我的肌肤。

アレクサンドル「……嫌だったら、言ってくれ……」
亚历山大「……如果不愿意,就说出来……」

サラ(主人公)「――――」
莎拉(主角)「————」

何か答えようと開いた口から、ひゅっとかすれた音だけが漏れる。
我张开嘴想回答些什么,却只漏出一声干涩的气音。

抵抗しないと。断らないと。
必须抵抗。必须拒绝。

そんな私の思考とは裏腹に、脳の辺りが痺れたように動かない。
可与我这样的思绪相反,脑袋一带像麻痹了一般动弹不得。

アレクサンドル「……いいんだな?」
亚历山大「……可以吧?」

違います、と言いたいのに。
明明想说出「不是的」。

アレクサンドル様の赤い瞳を見ていると、どんな抵抗の言葉も喉に溶け消える。
可望着亚历山大大人那双赤红的眼眸,任何抗拒的话语都在喉间融化消散。

体も言葉も自由を奪われた私の肌に、彼はそっと口づけるように――。
身体与言语都被夺去自由,而在我这肌肤上,他轻轻地,如落下一吻般——。


アレクサンドル「……どうやらフランスの軍人は、女性の扱いがなっていないと見える」
亚历山大「……看来法国的军人,对待女性的方式实在不成样子」

アレクサンドル「女性を誘うならばもっと然るべき手順を踏むべきではないか?」
亚历山大「若要邀请女性,难道不该按更该有的礼数来吗?」

私の体を包み込むように、肩にしっかりと手が回される。
仿佛要将我的身体整个护住,一只手稳稳地环上了我的肩。

見れば今まで見たことがないぐらい険しい顔のアレクさんがそこにいた。
一看,那是至今从未见过的神情如此严峻的亚列克先生。

サラ(主人公)「アレクさん……!」
莎拉(主角)「亚列克先生……!」

アレクサンドル「無事だな? とりあえず話は後だ」
亚历山大「没事吧?总之话待会儿再说」

ぎゅっとアレクさんの腕に力が籠り、目の前の男性を睨む瞳が険しくなる。
亚列克先生的手臂猛地收紧,瞪着眼前男子的眼神愈发凌厉。

けれど男は表情を変えずに、淡々とした視線をこちらへ向けるのみ。
然而那男子神情未变,只是淡淡地将视线投向我们。

???「何者だ? 斬撃の重さ、速さ――。明らかに人間のものではなかったが」
???「你是什么人?那一击的重量与速度——明显不是人类该有的」

アレクサンドル「その言葉はそっくり返させて貰おう。並の人間ならば動けなくなる程度には、力を込めたつもりだったんだが……」
亚历山大「这话我原样奉还。我可是用了足以让寻常人类动弹不得的力道……」

アレクサンドル「どうやらただのフランス軍の一兵士、というわけではないようだな」
亚历山大「看来你似乎并不只是法国军中的一名普通士兵啊」

サラ(主人公)「フランス軍……!?」
莎拉(主角)「法国军……!?」


ザビーネ「……おや……?」
萨宾「……哦呀……?」

サラ(主人公)「!?」
莎拉(主角)「!?」

不気味な煙を上げる実験器具を手に、黒衣の吸血鬼が笑みを浮かべていた。
手上端着冒出诡异烟雾的实验器具,黑衣的吸血鬼浮现出笑意。

ザビーネ「サラですか。どうしてこんなところに?」
萨宾「是莎拉啊。怎么到这种地方来了?」

サラ(主人公)「え……あ……う……」
莎拉(主角)「诶……啊……唔……」

どうしよう。衝撃で声も出ない。
怎么办。冲击太大,连声音都发不出。

ザビーネ「ずっと私を呼んでいたのですか?失礼、熱中していたもので」
萨宾「你一直在叫我吗?失礼了,我方才太投入了」

サラ(主人公)「ね、熱中? 何に……?」
莎拉(主角)「投、投入?投入什么……?」

ザビーネ「見てわかりませんか?」
萨宾「看了还不明白吗?」

ザビーネ様は身振りで部屋を示すと、私に顔をそっと近づけて――。
萨宾大人用手势示意了一下房间,然后将脸轻轻凑近我——。

まるで内緒話のように、私の耳元でその言葉を囁いた。
仿佛在说什么悄悄话,他在我耳边低语了那句话。

ザビーネ「料理の研究です」
萨宾「是料理的研究」

サラ(主人公)「……………………」
莎拉(主角)「……………………」

サラ(主人公)「……料……理……?」
莎拉(主角)「……料……理……?」

ザビーネ「正確には料理そのものではなく、香辛料の研究ですが」
萨宾「准确来说不是料理本身,而是香料的研究」


ザビーネさんの剣を受け止めたのは、長い髪をなびかせたひとりの男性。
挡下萨宾先生那一剑的,是一位长发翻飞的男子。

ザビーネ「奇跡、ですか。そんな言葉で片づけられるほど、軽い一撃ではなかったつもりですが」
萨宾「奇迹,是吗。我自认那一击并非轻到能用这种话来打发」

警戒心も露わに睨むザビーネさんに対し、現れた男性は手で背後に合図を送る。
面对毫不掩饰警惕、瞪视着他的萨宾先生,现身的男子用手向身后打了个信号。

???「……さあ、今のうちに行きなさい。脱走と命令違反の件については後程問い質しましょう」
???「……好了,趁现在走吧。至于逃亡与违抗命令一事,稍后再来问清」

???「……し、しかし……」
???「……可、可是……」

???「無駄に命を散らすことは許しません。我らの命は偉大なる人民の皇帝のためにあるのですから」
???「我不允许你们白白送命。我们的性命,是为伟大的人民皇帝而存在的」

???「……承知致しました」
???「……遵命」

彼の言葉を聞いた吸血鬼の男は、そのまま闇の中へ走り去っていく。
听了他的话,那名吸血鬼男子就那样奔入黑暗之中。

それを静かに見やったザビーネさんは、目の前に残った男性を睨み付けた。
静静目送他的萨宾先生,转而瞪向留在眼前的男子。

ザビーネ「ずいぶんと部下思いなのですね。フランス軍の軍人は」
萨宾「还真是个体恤部下的法国军人呢」

サラ(主人公)「え……フランス……?」
莎拉(主角)「诶……法国……?」

???「ほう。何故我々がフランス軍だと?」
???「哦?为何断定我们是法国军?」

ザビーネ「何故も何も。皇帝は複数いても、【人民の皇帝】などと呼ばれるのはフランス皇帝ナポレオンただひとり」
萨宾「什么为何不为何。皇帝纵有数位,会被称作【人民皇帝】的只有法国皇帝拿破仑一人」

ザビーネ「何よりその軍服を見れば一目瞭然です。その恰好で誤魔化しきれるとでも?」
萨宾「更何况看那身军服便一目了然。你以为穿成那样还能瞒得过去?」


サラ(主人公)「……………………」
莎拉(主角)「……………………」

……落ち着かない……!
……静不下心来……!

ソファで丸くなったアンを横目に、私はマエルさんを見やる。
我斜眼看着在沙发上蜷成一团的安,转而望向马埃尔先生。

マエル「すー……すー……」
马埃尔「呼——……呼——……」

私が来たことにまったく気づかず、幸せそうに眠りこけているマエルさん。
完全没察觉我来了,睡得一脸幸福的马埃尔先生。

吸血鬼は墓地の棺桶で眠るもの、なんて言い出したのはどこの誰だろう。
吸血鬼就该睡在墓地的棺木里,这话究竟是谁先说起的呢。

無防備な寝顔が幼く見えるせいか……。
也许是毫无防备的睡脸显得太稚气……。

まるで今の彼は公園で居眠りをする、街の少年のようにも見える。
此刻的他简直就像在公园里打盹的城里少年一般。

サラ(主人公)「もしかして、マエルさん、よく見ると可愛い系の顔立ちかも……?」
莎拉(主角)「难道说,马埃尔先生仔细看的话,其实是可爱型的脸……?」

普段はそれほどじっと見たりできないし、今がある意味でチャンスかもしれない。
平时也没办法那样盯着看,现在某种意义上或许是个机会。

などと……彼が寝ているのをいいことに考えてしまう。
就这样……趁着他在睡觉我忍不住胡思乱想。

私が見つめていたところで、突然、彼が身じろぎをする。
就在我凝视着的时候,他突然动了一下。

マエル「…………んう……?」
马埃尔「…………嗯唔……?」

サラ(主人公)「!!」
莎拉(主角)「!!」

固まってしまう私に気付かないまま、彼は手を雑に振った。
没注意到僵住的我,他随手挥了挥手。

マエル「んだよ……アン……。もう少し、寝かせろって……」
马埃尔「干嘛啊……安……再让我睡一会儿……」

アン「……ワフン?」
安「……汪呼?」

マエル「……うう~……」
马埃尔「……呜~……」

サラ(主人公)「あ、アン。ほらこっち来て。無理に起こさなくていいから……」
莎拉(主角)「安、安。来,到这边来。不用勉强叫醒他……」

と、私がアンを抱え上げようと、手を伸ばしかける、と。
于是,我正要抱起安,手刚伸出去。

マエル「……わーった……わーったって……。撫でてやるから……ほら……」
马埃尔「……知道啦……我说知道啦……我摸你就是了……来……」

突然マエルさんの手が伸びてきて、私の髪にふわりと触れる。
马埃尔先生的手突然伸了过来,轻轻触上了我的头发。


マエルさんが放たれた銃弾をかわし、サーベルを鋭く突き出すのと――。
躲开马埃尔先生射出的子弹,与将军刀凌厉刺出——。

軍服の男が凄まじい反応で、再び銃の狙いをつけたのは同時だった。
军服男子以惊人的反应,重新举枪瞄准,是在同一瞬间。

???「ふふふっ……はははは……。よかった……安心したよマエル」
???「呵呵呵……哈哈哈哈哈……太好了……我放心了,马埃尔」

???「もしも今の一発で終わっちゃったら、どうしようかって心配してたんだ」
???「我还担心,要是刚才那一发就结束了,该怎么办才好」

マエル「……何の心配してんのか知らねえが。よくもうちのもんを怖がらせてくれたな」
马埃尔「……不知道你在担心什么。你可真敢把我家的人吓成那样」

マエル「つーかなんでオレの名を知ってる?前にどっかで会ったか?」
马埃尔「话说你怎么知道我的名字?以前在哪儿见过?」

???「……………………」
???「……………………」

謎の男の瞳が一瞬だけ揺れる。
谜之男子的眼眸一瞬间摇动了。

嬉しいのか悲しいのか怒っているのか。
是高兴,是悲伤,还是愤怒。

それすらわからない複雑な色の瞳で、彼はぎちりと引き金に力を込めた。
用那双连这也分辨不出的复杂颜色的眼眸,他紧紧用力扣住了扳机。

???「さあね……知りたかったら、自分で確かめてみなよ……!」
???「谁知道呢……想知道的话,就自己来确认啊……!」


サラ(主人公)「……すごい……!」
莎拉(主角)「……好厉害……!」

我知らず、声が漏れた。
我不由自主地出了声。

毎晩のように孤児院の子供と見上げていた星の世界。
那是我几乎每晚和孤儿院的孩子们一同仰望的星空世界。

目でも見えるような星以外にも……。
除了肉眼可见的那些星星之外……。

今まであるのに見えていなかった星が、次々と目に飛び込んできた。
那些一直存在却从未看见的星星,接连不断地跃入眼中。

ラファエル「不思議だよね。自分の目だと、高く遠くに見えていたのに……」
拉斐尔「很不可思议吧。用自己的眼睛看,明明觉得又高又远……」

ラファエル「望遠鏡で見るとすぐ近くに見える。……まるで手が届きそうなぐらい」
拉斐尔「用望远镜看却近在眼前。……简直像伸手就能碰到」

視界の端でラファエル様は、実際にゆらゆらと手を伸ばすような仕草を見せると――。
视野的边缘,拉斐尔大人真的摇摇晃晃地伸出手做出这样的动作——。


それは幻のような風景だった。
那是宛如幻境般的景象。

あくまで平面の存在に過ぎない影が、ゆっくりと泥のように盛り上がり――。
本不过是平面存在的影子,缓缓如泥一般隆了起来——。

やがて人の形となって次々と姿を現す。
随后化作人形,接连现出身姿。

ラファさんはそんな黒い影に対し、親しみのこもった声で言葉をかけた。
拉法先生对着那些黑影,用饱含亲切的声音开口。

ラファエル「――さあ行こう、みんな。彼女を守ってあげて」
拉斐尔「——来吧,大家。去守护她」

ジョナス「……久々に見たな。ラファが【クドラク】を出すのを」
乔纳斯「……好久没见过了。看拉法唤出【库德拉克】」

サラ(主人公)「クドラク……?」
莎拉(主角)「库德拉克……?」

ジョナス「ああ。ラファの裡に潜む影の騎士たち。それが、この黒い影――クドラクだ」
乔纳斯「嗯。潜藏在拉法体内的影之骑士们。就是这些黑影——库德拉克」

ラファエル「そう、クドラクは僕の一部。僕の影。僕の仲間。僕の兄弟」
拉斐尔「没错,库德拉克是我的一部分。我的影子。我的同伴。我的兄弟」

ラファエル「そして――僕達はひとつ」
拉斐尔「而且——我们是一体的」

ラファエル「だから僕達は君を傷つけない。裏切らないから、安心していいよ」
拉斐尔「所以我们不会伤害你。不会背叛你,放心就好」

サラ(主人公)「…………」
莎拉(主角)「…………」

いったいどれほどの深い繋がりがあるのか。
那究竟是怎样深的羁绊。

ラファさんの表情や言葉から、彼がこのクドラクたちに全幅の信頼を置いているのが、伝わってくる。
从拉法先生的神情与话语中,能感到他对这些库德拉克寄予着全然的信赖。

???「……なんとも妙な術を使いやがる。やはり鬼ってのは得体が知れねえな」
???「……用的真是古怪的法术。果然鬼这种东西就是让人摸不透」


ジョナス「花占いでも、してみるか?」
乔纳斯「要不要来占个花卜?」

ジョナス様が差し出したのは、彼が手をかけて育てた1本のバラ。
乔纳斯大人递来的,是他亲手栽培的一枝蔷薇。

サラ(主人公)「花占い、ですか……?」
莎拉(主角)「花卜,是吗……?」

ジョナス「知らないのか?花弁を一枚ずつ取ってだな」
乔纳斯「不知道吗?把花瓣一片一片摘下来」

サラ(主人公)「それは知っていますが……」
莎拉(主角)「这个我是知道的……」

今のは、この場を和ませようと言ってくれた言葉なのだろうか。
刚才那句,是为了缓和这里的气氛才说出来的话吧。

一瞬そう思ってしまった私に対し、ジョナス様は真剣な顔で言う。
对一瞬间这样想的我,乔纳斯大人一脸认真地说道。

ジョナス「俺はおまえではない。だから悩みに答えは出せないが……」
乔纳斯「我不是你。所以给不出你烦恼的答案……」

ジョナス「もしもおまえがこの地に残るなら、このバラに賭けて誓おう」
乔纳斯「但如果你愿意留在这片土地,我就以这枝蔷薇起誓」

ジョナス「この地の守護役である俺がいる限り、おまえを不幸にはさせない、と」
乔纳斯「只要身为这片土地守护者的我还在,就绝不会让你不幸」

ジョナス様の言葉に、私は恐る恐るバラへと手を伸ばす。
听了乔纳斯大人的话,我战战兢兢地向蔷薇伸出手。

月明かりの下で鈍く光る灰色が、不思議ととても温かい色に見えた。
月光下泛着暗光的灰色,竟不可思议地显得那样温暖。

ジョナス「棘はないと思うが、気をつけろ。うっかり血でも滴らせようものなら、大変なことになるからな」
乔纳斯「我想是没有刺的,不过还是小心点。万一不小心滴下血来,可就要出大事了」


???「……あり得ねえ……」
???「……不可能……」

彼は唇を震わせ、怒りに満ちた瞳で虚空を睨みつけている。
他嘴唇颤抖,以盈满怒意的双眼瞪着虚空。

???「俺の突きがかわされるなんざ、絶対に有り得ねえ……!」
???「我的突刺被躲开,绝对不可能……!」

???「その技を……いや、その構えをどうやって覚えやがった!」
???「那招式……不,那架势,你到底是从哪儿学来的!」

ジョナス「何を驚いているのか知らないが……。俺も、正直に言って驚かされたぞ」
乔纳斯「不知道你在惊讶什么……说实话,我也吃了一惊」

ジョナス「まさか人間にこの一撃をしのがれるとは。……吸血鬼になって、初めての経験だ」
乔纳斯「没想到这一击竟被人类化解。……成为吸血鬼以来,这还是头一回」

互いに完全には避けられなかったのか。
彼此都没能完全避开吗。

ふたりの髪がそれぞれ数本断ち切られて、はらりと落ち……。
两人的头发各自被削断了几根,飘然落下……。

それを見つめていたジョナスさんは、何かが腑に落ちた様子で目を細める。
望着这一幕的乔纳斯先生,像是想通了什么,眯起了眼。

ジョナス「……その剣技には覚えがある。ずっと、ずっと昔の話だ」
乔纳斯「……那剑技我有印象。是很久、很久以前的事了」

ジョナス「だとしたらおまえは……。【あいつ】に縁のある者なのか?」
乔纳斯「若真如此,那你……是与【那家伙】有缘之人吗?」

???「……なに? あいつ、だと?」
???「……什么?你说那家伙?」


アレクサンドル「……愛しい者を抱きしめる時は、こんなに胸が高鳴るものなんだな」
亚历山大「……原来拥抱心爱之人时,胸口会这样剧烈地跳动啊」

アレクサンドル「数百年生きてきて、人間が学ぶことは大概学び尽くしたつもりでいたが――」
亚历山大「活了数百年,我本以为人类该学的东西差不多都学尽了——」

アレクサンドル「こうしておまえと想い合うことで教えられたこと、思い出したことがたくさんある」
亚历山大「可像这样与你相互思念,却让我被教会了许多,也想起了许多」

サラ(主人公)「私も、同じです」
莎拉(主角)「我也一样」

サラ(主人公)「今までの私はあまりにも、世間を知らずにいましたから」
莎拉(主角)「因为过去的我,实在太不懂世间了」

こうしてアレクさんと共に歩むことで学んだ内容は、たくさんある。
像这样与亚列克先生并肩走来,我学到了很多东西。

理想の領主そのもののアレクさんでさえ、内面には弱さを抱えていること。
就连堪称理想领主化身的亚列克先生,内心也怀有软弱之处。

こんな私でもアレクさんの、助けになれるのだと知ったこと。
即便是这样的我,也能成为亚列克先生的助力。

愛する人の腕の中はこんなにも、温かく優しいこと――。
所爱之人的臂弯竟是如此温暖而温柔——。

アレクサンドル「これから先もずっと……傍にいてくれ」
亚历山大「从今往后也一直……留在我身边」

サラ(主人公)「はい。ずっとあなたのお傍におります。これから先……何があったとしても」
莎拉(主角)「好。我会一直在您身边。无论今后……发生什么」


そして私の肌にそっと牙を当てて、そのまま突き立てた。
然后将牙轻轻抵上我的肌肤,就那样刺了进去。

サラ(主人公)「……っ」
莎拉(主角)「……唔」

ザビーネ「……なん、て。甘美な……」
萨宾「……多么、甘美……」

ザビーネ「あなたの血の香りと味は……。頭が痺れて、狂いそうになる……」
萨宾「你的血的香气与味道……让人头脑麻痹,快要发狂……」

囁きながら血を吸われ、小さな痛みとくすぐったさに、恥ずかしさが溢れる。
他在低语中吸着我的血,那细微的疼痛与酥痒,让羞耻感满溢出来。

ザビーネ「理性など捨てて……獣のように貪りたくなる……」
萨宾「真想丢掉理性……像野兽一样贪婪地吞食……」

そんな言葉とは裏腹に、味わうように血を啜る彼の身から、少しずつ傷が消えていき……。
与这样的话相反,从他细细品味般吮着血的身上,伤痕一点点消失了……。

ザビーネ「…………はぁ…………」
萨宾「…………哈啊…………」


マエル「……痛むようだったら、言えよ」
马埃尔「……要是疼,就说」

サラ(主人公)「大丈夫……です……」
莎拉(主角)「没……关系……」

鋭い痛みが走り、マエルさんの牙が私の肌に傷を作る。
一阵锐痛窜过,马埃尔先生的牙在我肌肤上开了口。

マエル「……ああ……やっぱり……」
马埃尔「……啊……果然……」

マエル「やっぱり……【そう】なんだな……」
马埃尔「果然……是【这样】啊……」

憂いを含んだマエルさんの声とは裏腹に、私の心は喜びに満ちていた。
与马埃尔先生含忧的声音相反,我的心却满是喜悦。

ようやく、彼の役に立てる――。
终于,我能派上用场了——。


傷口ごと舐めとるように、私の肌にゆっくりと舌を這わせた。
仿佛要将伤口一并舔去,他的舌缓缓爬过我的肌肤。

サラ(主人公)「……っ……」
莎拉(主角)「……唔……」

ラファエル「……ふぅ……っ」
拉斐尔「……呼……」

伝承上の吸血鬼が血を吸うように、肌に食らいつくような荒々しさはなく。
并不像传说中吸血鬼吸血那样,带着啃咬肌肤般的粗暴。

小さな傷口を舌先で舐めとるような、そんな優しい感触に背筋が震える。
只是用舌尖舔去小小伤口的血,那样温柔的触感让我脊背发颤。

ラファエル「……動かないで。君をできるだけ傷つけたくない」
拉斐尔「……别动。我尽可能不想伤到你」

まるで飴を舐めるような熱くも優しい舌の感触を感じつつ、小さく息を吐くと――。
如同舔着糖果一般感受着那炽热又温柔的舌,我轻轻吐出一口气——。


サラ(主人公)「……っ」
莎拉(主角)「……唔」

その衝撃のせいで私の瞳からも、ずっと我慢してきた涙が溢れてくる。
或许是那股冲击的缘故,我的眼中一直忍耐着的泪水涌了出来。

ジョナス「……どうしておまえは、そんなにも……俺以上に俺のことを理解してくれる」
乔纳斯「……为什么你,会那么……比我自己更理解我」

ジョナス「何故――そんなにも、優しい言葉をくれるんだ……」
乔纳斯「为什么——要对我说那样温柔的话……」

サラ(主人公)「……わかり、ません。ジョナのことを考えていたら、たくさんの感情が溢れてきて」
莎拉(主角)「我……不知道。一想到乔纳的事,就有许多感情涌上来」

サラ(主人公)「あなたから大切なものをたくさん奪った戦争が……憎くて堪らなくなりました」
莎拉(主角)「夺走你许多重要之物的那场战争……让我恨得无法自持」

ジョナス「…………っ」
乔纳斯「…………唔」

サラ(主人公)「ジョナが辛かったことに、ありがとうは言いたくない」
莎拉(主角)「乔纳所受的苦,我不想为此说谢谢」

サラ(主人公)「ですから……せめて、別の感謝を伝えさせてください」
莎拉(主角)「所以……至少请让我传达另一种感谢」

サラ(主人公)「今この瞬間まで生きていてくれて、ありがとう」
莎拉(主角)「谢谢你活到了现在这一刻」

サラ(主人公)「私――。ジョナと出会えて、幸せです」
莎拉(主角)「我——能与乔纳相遇,很幸福」

ジョナス「ああ…………俺もだ…………」
乔纳斯「嗯…………我也是…………」


???「――おまえが、修道院の娘か」
???「——你就是,修道院的那个女孩吗」

薄い月明かりの中に佇む影が、ひとつ、ふたつ……全部で5つ。
伫立在淡淡月光中的身影,一道、两道……总共五道。

いつの間にかホール中央に歩み出ていた私を、彼らは睥睨するように見下ろしていた。
不知何时已走到大厅中央的我,被他们以睥睨之势俯视着。

そしてその中のひとつ、黄金色の髪に月光を絡ませた方が、真っ直ぐに私を見つめていた。
而其中一道,那位让月光缠绕在金发上的人,直直地凝视着我。

サラ(主人公)「この屋敷の方、ですよね?」
莎拉(主角)「各位是这座宅邸的人,对吧?」

???「このプルガトリウムの館に住んでいる、という意味ならそうだな」
???「若你指的是住在这座普尔加托利乌姆之馆,那便是」

声の若さからして、執事か従者の方だろうか。
从声音的年轻程度听来,是执事或侍从之类的人吧。

瞳に魅入られ呆然としていた私は、慌てて居ずまいを正した。
被那双眼睛夺去了心神的我,慌忙端正了坐姿。

サラ(主人公)「私は……。ヴィスニュルの修道院から参りました、サラ・デュドネと申します」
莎拉(主角)「我……是从维斯纽尔修道院来的,名叫莎拉·迪厄多内」

サラ(主人公)「お返事もないままお屋敷に踏み入ったこと、どうかお許しください」
莎拉(主角)「未得回复便踏进宅邸,还请宽恕」

???「構わん。それで、何用だ?」
???「无妨。那么,有何事?」

サラ(主人公)「この度はベレジンスキー伯爵に大切な用件があってここに参りました」
莎拉(主角)「此番前来,是有要事求见贝雷津斯基伯爵」

サラ(主人公)「何卒、伯爵様にお取次ぎをお願いします」
莎拉(主角)「恳请代为向伯爵大人通报」

そう言って、私が頭を下げると。
说完,我低下头去。

???「ふふっ……うふふふふふ」
???「呵呵……唔呵呵呵呵呵」

佇む影のひとつふたつから、漏れるような笑いが飛び交った。
伫立的身影中有一两道泄出了彼此交错的笑声。

???「――だ、そうだぜ?威厳が足りてないんじゃないか?」
???「——人家这么说了哦?是不是威严不够啊?」

???「言ってくれるな。その自覚はある」
???「真敢说。我自己也有这个自觉」

サラ(主人公)「え? あの、何か失礼を……?」
莎拉(主角)「诶?那个,我是不是有什么失礼……?」

???「気にするな。こちらの話だ」
???「不必在意。是我们这边的话」

???「とりあえず、我々が話を聞きましょう。伯爵に用事というのはどのような?」
???「总之,就由我们来听你说吧。你说有事求见伯爵,是何事?」

その問いかけは疑問というよりも、知っているのに確認しているかのようで。
那问话与其说是疑问,更像是明明知道却在确认。

残りの方々も、面白がって私の出方を伺っているように感じる。
其余几位也像是觉得有趣,我感到他们正在试探我会如何应对。

だから私は震える脚を隠すように、スカートを広げて膝をつきながら……。
于是我像是要遮住发颤的双腿,展开裙摆跪了下去……。

――神よ、どうかご加護を。
——神啊,请赐予加护。

震える手をぎゅっと胸元で握りしめ、言葉を絞り出した。
我将颤抖的手在胸前紧紧握住,挤出了话语。

サラ(主人公)「伯爵様に、お願い申し上げたいのです」
莎拉(主角)「我有事想恳求伯爵大人」

サラ(主人公)「ヴィスニュルの街とそこに住まう人々を、フランス軍の手からお守りください、と」
莎拉(主角)「请您将维斯纽尔的城镇与住在那里的人们,从法国军手中守护下来」

永遠のように長く感じる沈黙。
仿佛永恒般漫长的沉默。

それに耐えかねた私は、非礼と知りつつも震える声で言葉を重ねる。
难以忍受这沉默的我,明知无礼,仍用颤抖的声音继续开口。

サラ(主人公)「お願いします。どうか領主様にお取次ぎを――」
莎拉(主角)「求您了。请务必向领主大人通报——」


アレクサンドル「ベレジンスキーの領主の名に誓う。ベレジンスキー辺境伯領に住まう民を。我々吸血鬼と人間が共に暮らすこの地を」
亚历山大「以贝雷津斯基领主之名起誓。为住在贝雷津斯基边境伯领地的民众,为我们吸血鬼与人类共同生活的这片土地」

アレクサンドル「ありとあらゆる災いを打ち払い、この手で守り抜いてみせる」
亚历山大「我将拂去一切灾祸,亲手守护到底」

ザビーネ「この誓いは我々が滅びるまで続きます。そして吸血鬼は永劫の時を生きる存在」
萨宾「此誓将持续到我等灭亡之时。而吸血鬼乃是活在永劫时光中的存在」

ザビーネ「故にこれは――永遠の誓約です」
萨宾「故而这是——永远的誓约」

マエル「誓いだの誓約だの仰々しいんだよ。要は招かれざる客を撃退するだけだろ」
马埃尔「誓言啊誓约啊,说得真夸张。说白了不就是击退不速之客吗」

マエル「……さっさと終わらせちまおうぜ。それで元ののんびりした生活に戻るんだ」
马埃尔「……赶紧把它了结吧。这样就能回到原本悠闲的日子」

ラファエル「ふふ、そのためには怪我もせずに、ちゃんと無事に帰ってこないとだね」
拉斐尔「呵呵,为了这个,就得不受一点伤、好好平安回来才行呢」

ラファエル「僕は自分から誓うとか語るとかは、どっちかというと苦手なんだけど……」
拉斐尔「主动起誓、慷慨陈词这类事,我算是比较不擅长的……」

ラファエル「それでも今回だけは約束するよ。僕は、僕たちはここを守るって」
拉斐尔「但只有这次,我向你保证。我,我们会守护这里」

ジョナス「今さら誓いを立てるまでもない。ベレジンスキーの領主となった瞬間から、俺はこの地を守ると決めた」
乔纳斯「事到如今也不必再起什么誓。从成为贝雷津斯基领主的那一刻起,我就决定了要守护这片土地」

ジョナス「今回もやることは何も変わらない。……ベレジンスキーの守護者として」
乔纳斯「这次要做的事也没有任何不同。……作为贝雷津斯基的守护者」

手を重ねる度に領主様たちは、想いのままに誓いを立てていく。
每当手掌相叠,领主大人们便随着心意立下誓言。

それぞれ言葉は違うけど、込められていた想いは皆同じ。
虽然各自的言辞不同,其中蕴含的心意却都一样。

私は彼らの手の熱を感じながら、彼らを見送るのだった。
我感受着他们手心的热度,目送他们离去。


サラ(主人公)「あっ……」
莎拉(主角)「啊……」

肌を見せていることに、落ち着かなさを覚えていると……。
对于露出肌肤这件事,我正感到静不下心……。

やがて鋭い痛みが、首筋へと走った。
随即一阵锐痛窜过颈侧。

サラ(主人公)「っ……!」
莎拉(主角)「唔……!」

サラ(主人公)「うっ……」
莎拉(主角)「呜……」

アレクサンドル「は……ぁ……ああ……」
亚历山大「哈……啊……啊啊……」

微かな息遣いさえわかるほどの近さ。
近得连细微的呼吸声都听得清。

柔らかい唇の感触に思わず身が震える。
柔软的唇的触感,让我不由自主地身体发颤。

アレクサンドル「…………痛む、か?」
亚历山大「…………会痛吗?」

サラ(主人公)「いえ……平気です。痛いというよりは……」
莎拉(主角)「不……没事。与其说是痛……」

アレクサンドル「よりは……?」
亚历山大「与其说是……?」

修道女として生きてきた私が、吸血鬼のアレクさんに血を捧げている。
一直作为修女活着的我,正在将血献给吸血鬼的亚列克先生。

その背徳感よりも、彼の力になれる喜びが先に立っていた。
比起那份背德感,能成为他助力的喜悦更先一步。

アレクサンドル「……これ以上は痛くしない。すまないが……我慢してくれ……」
亚历山大「……不会再更痛了。抱歉……忍耐一下……」


ザビーネ「――慎重に、そっと載せてください。間違ってもこぼしたりしないように」
萨宾「——慎重地、轻轻地放上去。千万别洒出来」

ザビーネ「ほんの1さじの差が味を決めます。必要なのは完璧な調和なのです」
萨宾「仅仅一匙之差就会决定味道。所需的是完美的调和」

サラ(主人公)「は、はい……」
莎拉(主角)「好、好的……」

ザビーネさんの指示を受けながら、私は慎重に砂糖の重さを量っていく。
照着萨宾先生的指示,我小心翼翼地称量砂糖的重量。

お菓子というかケーキ作りが始まって、10分ぐらい経つけれど……。
做点心——或者说做蛋糕——开始之后,已经过了十分钟左右……。

エプロンをまとい髪まで結った、ザビーネさんの表情は真剣そのもの。
系着围裙、连头发都扎了起来的萨宾先生的神情认真到了极点。

その顔だけでも彼が料理というものに本気で取り組んでいるのが窺えた。
单看那张脸,就能窥见他对料理是真正认真地在对待。

ザビーネ「ふふ、小麦粉もいい感じですね。美味しいケーキが作れそうです」
萨宾「呵呵,面粉的状态也不错呢。看来能做出好吃的蛋糕」


???「ワン!」
???「汪!」

サラ(主人公)「えっ……?」
莎拉(主角)「诶……?」

???「クゥ~ン」
???「呜~嗯」

マエル「――何やってんだ、あんた?」
马埃尔「——你在干什么啊?」

唸り声をあげていた黒い犬は、気づけば甘えるように体をすり寄せ、そんな私たちをマエル様が見下ろしていた。
刚才还在低吼的黑狗,不知何时已撒娇似地蹭了过来,马埃尔大人正俯视着这样的我们。

サラ(主人公)「い、今、この犬に襲われて……」
莎拉(主角)「刚、刚才,我被这只狗袭击……」

マエル「この犬? アンのことか?襲われてるようには見えねえけどな」
马埃尔「这只狗?你说安?可看起来不像是被袭击啊」

サラ(主人公)「アン? じゃあ、この子は……」
莎拉(主角)「安?那这孩子是……」

マエル様は犬に一度視線を落とすと、苦笑いを浮かべつつ種明かしを始める。
马埃尔大人朝狗看了一眼,浮起苦笑,开始揭开谜底。

マエル「言ってなかったか? オレの犬だよ」
马埃尔「没说过吗?这是我的狗」


サラ(主人公)「すごい……これは星座のスケッチですか?」
莎拉(主角)「好厉害……这是星座的素描吗?」

ラファエル「うん。これはたぶん……100年以上前のだったかな」
拉斐尔「嗯。这个大概……是一百多年前的吧」

本を広げて目に飛び込んできたのは、星らしき点と点を結んで絵にしたもの。
摊开书本跃入眼中的,是把看似星辰的点与点连接成画的图。

ラファエル「時間がある度に星を眺めては、見つけた星を繋ぎ合わせてみて……」
拉斐尔「一有空我就望着星星,把找到的星连起来……」

ラファエル「どんな形に見えるかって、自分なりの星座を描いてみてたんだ」
拉斐尔「试着画属于我自己的星座,看它们像什么形状」

ラファエル「人に見せられるものじゃないから、ちょっと恥ずかしいんだけどね」
拉斐尔「不是什么能给人看的东西,有点不好意思呢」


私は苦しそうな彼に頷くと、首や肩にかかっていた髪をどかす。
我朝一脸痛苦的他点头,将搭在颈间与肩上的头发拨开。

そして首元が露わになった刹那、彼の牙が私へ突き立てられた。
而在颈项露出的那一刹那,他的牙刺进了我的身体。

ジョナス「……ん……」
乔纳斯「……嗯……」

サラ(主人公)「……っぅ……」
莎拉(主角)「……唔……」

私の血と――血以上のものが、彼へと流れ込んでいく感覚。
我的血——以及比血更多的东西,正流入他体内的感觉。

痛みはもちろんある。
疼痛当然有。

だけどそれ以上に彼の力となれることに、嬉しささえも感じてしまって……。
可比这更甚,能成为他的力量,我竟甚至感到了欢喜……。

ジョナス「……はあ……あ……」
乔纳斯「……哈……啊……」

ジョナは名残を惜しむかのように、私の傷口にもう1度だけ口づけてから自らの身を引き剥がした。
乔纳仿佛依依不舍似的,在我的伤口上又吻了一次,才将自己的身体抽离。


ラウル「ここがベレジンスキー辺境伯の館?化け物の癖にずいぶんいい所に住んでるね」
拉乌尔「这里就是贝雷津斯基边境伯的馆邸?明明是怪物,倒住得相当不错嘛」

アンリ「ここは【プルガトリウムの館】と、領民たちに呼ばれているそうですよ」
亨利「听说这里被领民们称作【普尔加托利乌姆之馆】」

近藤 宗助「プルガトリウム?聞き慣れねえ言葉だが……」
近藤宗助「普尔加托利乌姆?没听惯的词啊……」

モンテベッロ「【煉獄】。つまり天国と地獄の狭間という意味だ」
蒙泰贝洛「是【炼狱】。也就是天堂与地狱之间的意思」

近藤 宗助「要は、三途の川みてえなもんか」
近藤宗助「说白了,就是三途川那种东西吗」

近藤 宗助「しかしまともに物も覚えてねえくせに、変なことばっか覚えてんだなおまえも」
近藤宗助「不过你这家伙,正经东西记不住,怪东西倒是记了一堆」

モンテベッロ「…………」
蒙泰贝洛「…………」

ラウル「くくっ。けど化け物の住まいには、似つかわしい名前だよね」
拉乌尔「呵呵。不过这名字倒挺配怪物的居所嘛」

無遠慮な視線で周囲を睥睨するのは、鋭い目つきをした4人の男たちだった。
毫不客气地睥睨四周的,是四个眼神锐利的男子。


かつて敵だった頃の、狂ったような暴れぶりとは異なり……。
与曾经为敌时那种发狂般的狂暴截然不同……。

優しい手つきで引き寄せられ、牙を優しく肌に突き立てられる。
被温柔的手势拉近,牙被温柔地刺入肌肤。

サラ(主人公)「……っ」
莎拉(主角)「……唔」

モンテベッロ「以前、俺は言ったな。この体になってから食事をとっても、ほとんど味がしなくなったと」
蒙泰贝洛「我以前说过吧。变成这具身体之后,即使进食也几乎尝不出味道」

サラ(主人公)「はい……」
莎拉(主角)「是的……」

モンテベッロ「そんな中で人間の血だけが、俺に甘さを感じさせてくれたが……」
蒙泰贝洛「在那之中,只有人类的血让我感到甘甜……」

モンテベッロ「おまえの血は甘いだけでなく、……どこか優しいものを感じる」
蒙泰贝洛「而你的血不仅甘甜,……还让人感到某种温柔」

❖ 系统

名前変更/デフォルト名呼び
改名/默认名呼唤


ゲームを開始すると名前を入力する画面が表示され、主人公の名前を入力することができます。名前は最大5文字以内で入力できます。
开始游戏后会显示姓名输入画面,可以输入主角的名字。名字最多可输入 5 个字。

ADV選択肢
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ストーリーを進めていくと選択肢が表示されます。正解を選ぶと対象となるキャラクターの好感度が上がります。好感度はエンディングに影響します。
推进故事时会显示选项。选中正确答案后,对应角色的好感度会上升。好感度会影响结局。

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好感度が上がると、愛キャッチが表示されます。
好感度上升后,会显示「爱意值」。

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设置


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可以调整语音音量、消息文本显示速度等。按键配置也能更改,可调整成便于游玩的布局后再进行游戏。

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剧情流程图


物語の進行状況を確認できます。既に通過済みのイベントであれば、任意のシーンへ移動することも可能です。
可以确认故事的推进状况。若是已经通过的事件,也能移动到任意场景。

Astraea System
阿斯特莱亚系统


■ルート分岐
■路线分歧

共通で選択したイベントと、【LOVE LEVEL】の値に応じて分岐します。
会依据共通路线中所选择的事件,以及【恋爱等级】的数值产生分歧。

■END分岐
■END 分歧

3つのENDのどれを迎えるかは、最終章の【Astraea System】で決まります。そこまでに【LOVE LEVEL】の条件を満たしていない場合、BAD END(途中退場)も用意されています。
将迎来 3 个 END 中的哪一个,由最终章的【阿斯特莱亚系统】决定。若在此之前未满足【恋爱等级】的条件,也准备了 BAD END(中途退场)。

❖ 特典

『彼女への贈り物』
『送给她的礼物』

主人公がプルガトリウムの館にきて一ヶ月が経とうとしている頃。
主角来到普尔加托利乌姆之馆,眼看就要满一个月的时候。

館に馴染もうとする彼女にプレゼントを用意しようとする5人の話。
这是 5 个人为努力融入馆中的她准备礼物的故事。


※ゲーム本編の核心に触れる内容が含まれていますので、プレイ後の視聴を推奨いたします。
※内容涉及游戏正篇的核心剧情,建议通关后再收听。

『prequel~前日譚~』
『prequel~前日谭~』

主人公が来る前の5人の領主たちの物語。
这是主角到来之前,5 位领主的故事。

主人公が来ることになり、いろいろと思いを馳せる5人の様子や、彼女への想いがうかがえます。
得知主角即将到来,5 人各自思绪万千,从中也能窥见他们对她的心意。


※ゲーム本編の核心に触れる内容が含まれていますので、プレイ後の視聴を推奨いたします。
※内容涉及游戏正篇的核心剧情,建议通关后再收听。

『錬金術で恋愛占い』
『用炼金术占卜恋爱』

ラファエルが見つけ出した錬金術による占いの本。
拉斐尔找到了一本用炼金术占卜的书。

これを元に主人公との相性や望ましい相手、今後の関係性などを調べようとする3人だが……。
三人想借此查一查自己与主角的相性、谁才是更理想的对象,以及今后的关系会如何发展……。


『伯爵一日代理』
『伯爵一日代理』

アレクサンドルの留守を預かっていた3人。
三人受托照看亚历山大不在的宅邸。

普段任されているザビーネに代わって、ラファエルが代理を買って出たために巻き起こるドタバタの物語。
拉斐尔主动请缨,要代替平日负责此事的萨宾出任代理,由此引发了一场鸡飞狗跳的故事。


『秘密の隠し扉』
『秘密的暗门』

雑談中、遙か大昔に隠し扉を作っていたことを思い出すアレクサンドル。
闲聊之中,亚历山大想起自己很久以前曾造过一扇暗门。

今どうなっているのかを確かめる3人だが、たどり着いてしまったのは……。
三人决定去看看它如今变成了什么样,然而抵达的地方却是……。


『館の七不思議?』
『馆中七大不可思议?』

世界の七不思議になぞらえて、プルガトリウムの館にも七つの不思議が存在するらしい。
据说仿照世界七大奇迹,普尔加托利乌姆之馆里也有七大不可思议。

吸血鬼である彼らがその謎を調査して見つけだしたものとは。
身为吸血鬼的他们调查这些谜团后,究竟找出了什么?


『吸血鬼は風邪を引かない』
『吸血鬼不会感冒』

主人公が風邪を引いたらしく体調を崩してしまう。
主角似乎患了感冒,身体垮了下来。

しばらく怪我や病気に縁の無い彼らが、風邪とはどんなものだったのか……を奮闘する物語。
这是许久与伤病无缘的他们,为弄清「感冒究竟是个什么东西」而奋斗的故事。


❖ 音乐

「Difinitive Time」小岩井 ことり

作詞:小岩井 ことり

作曲・編曲:森 拓人

インディビジュアルミュージック株式会社/REAL AKIBA RECORDZ
Individual Music 株式会社/REAL AKIBA RECORDZ

声優として多数の作品に出演する一方、アニメやゲームなどの作品へ楽曲提供も行う。
作为声优出演众多作品的同时,也为动画、游戏等作品提供乐曲。

音響機材が好きで200機種を越える機材を集めている。
喜爱音响器材,收藏了超过 200 种设备。

ライブやDJなどで世界中でライブ活動中。
以演唱会、DJ 等形式在世界各地开展演出活动。

2026年REAL AKIBA RECORDZからアーティストデビューが決定。
2026 年确定从 REAL AKIBA RECORDZ 以歌手身份出道。

主題歌「Difinitive Time」の作詞と歌唱を担当させていただきます、小岩井ことりと申します。
我是负责主题曲「Difinitive Time」作词与演唱的小岩井ことり。

この楽曲は作品のもつ「終わらない愛」「永遠の想い」をそのまま音にすることを目指しました。
这首歌曲力求将作品所拥有的「永不终结的爱」「永恒的思念」原封不动地化为声音。

レコーディングの時も、それぞれの皆さまが紡がれた想いを照らす月明りのような世界の語り部となれるように。そんな言葉らしい音を大切にしました。
录音时我也希望自己能成为一位讲述者,像月光般照亮各位所编织的思念,讲述这个世界。我珍视那样贴合言语的音色。

音楽としても、壮大で厚みのあるハーモニーに包まれるように世界観に没入して楽しんでいただけると思います。
在音乐层面上,我想大家也能像被壮阔而厚实的和声包裹一般,沉浸于这个世界观之中享受其中。

「Velours」瑞葵(UNIDOTS)

作詞:鞠

作曲:鞠

瑞葵(mizuki)と金野倫仁(こんのつぐひと)を中心に活動する音楽プロジェクト「UNIDOTS(ユニドッツ)」のボーカリスト。
以瑞葵(mizuki)与金野伦仁(こんのつぐひと)为核心开展活动的音乐企划「UNIDOTS(ユニドッツ)」的主唱。

繊細な歌声と美しいサウンドで、“人の心に寄り添う音楽”を届け、
以纤细的歌声与优美的音色,传递「陪伴人心的音乐」,

まだ言葉にならないような感情を描き出す彼らの楽曲は、聴く人の心をやさしく揺さぶり、深く響き渡る。
他们的乐曲描绘出那些尚未化作言语的情感,温柔地撼动听者的心,深深回响。

「薄桜鬼異聞 ベレジンスキーの魔女」のエンディングテーマを歌唱いたしました。
我为《薄樱鬼异闻 贝雷津斯基的魔女》演唱了片尾主题曲。

誰かにとっては絶望でも、視点が変われば確かな「救い」になる。
对某人而言的绝望,只要换一个视角,也会成为确切的「救赎」。

そんな繊細な想いを、ベルベットのような手触りで包み込むように、
将这样纤细的思念,如同以天鹅绒般的触感包裹起来一般,

そして時に切り裂くように歌いました。物語を締めくくる一つの景色として楽しんで頂けたら嬉しいです。
时而也像要将其撕裂一般地歌唱。若能作为收束这个故事的一处风景而令您愉悦,我会非常高兴。

Fateful night
宿命之夜

My room
我的房间

Confession
告白

Overflowing feelings
满溢的情感

Silent prayer
无声的祈祷

株式会社スタジオエデン 杉浦勇紀
Studio Eden 株式会社 杉浦勇纪

乙女ゲーム「薄桜鬼」、「DIABOLIK LOVERS」など、数多くのゲーム作品の作曲を担当する。
负责《薄樱鬼》《DIABOLIK LOVERS》等众多游戏作品的作曲。

「ベレジンスキーの魔女」の作曲を担当させていただくことになりました、株式会社スタジオエデンの杉浦勇紀です。
我是负责《贝雷津斯基的魔女》作曲的 Studio Eden 株式会社杉浦勇纪。

真改シリーズでは、和風でシンセサイザーやリズムを多く使っていたのに対し、今作は西洋風でオーケストラを感じさせる壮大で美しい楽曲を目指しました。
真改系列的音乐偏和风,大量使用合成器与节奏;本作则走西洋风,力求做出能让人感受到管弦乐、壮阔而优美的乐曲。

薄桜鬼の音楽と言えば何と言っても、オーケストラコンサートで2度も生演奏して頂いたことが特に思い出深いです。
说到《薄樱鬼》的音乐,印象最深的果然还是在管弦乐音乐会上两次被现场演奏。

終演後、楽屋で藤澤先生が感極まって泣いている姿を拝見し、そんな熱い方だからこそ薄桜鬼の世界があるのだなと思いました。
演出结束后,我在后台看到藤泽老师激动落泪的样子,心想正因为是这样热忱的人,《薄樱鬼》的世界才得以存在。

今作も感動を届けられるように頑張ってまいりますので是非、「ベレジンスキーの魔女」応援よろしくお願いいたします。
本作我也会努力为大家带来感动,还请多多支持《贝雷津斯基的魔女》。

❖ 声优访谈


アレクサンドル・シラージ役 前野 智昭様
亚历山大·希拉吉 役 前野 智昭

――収録を終えての感想をお願いします。
——请谈谈录制结束后的感想。

吸血鬼と人間が共に暮らす国という世界観の中で、様々な思惑や人間関係が絡み合っていく、とても深く壮大なお話でした。
在「吸血鬼与人类共居一国」这一世界观之下,种种盘算与人际关系彼此交织,是一个极为深沉而宏大的故事。

決断を問われる場面も多く、色々な分岐も楽しんでいただけるのではないかと思います。
被要求做出抉择的场面也很多,我想大家也能享受到各种各样的分歧路线。

人名や地名の発音が難しく、そこに手こずったのはきっと僕だけではないだろうなと思いました。
人名与地名的发音很难,我想为此吃了苦头的肯定不只我一个吧。


――アレクサンドルの第一印象を教えてください。また、演じたうえでどのようなところが魅力だと感じましたか?
——请谈谈对亚历山大的第一印象。另外,实际演绎之后觉得他哪里很有魅力?

アレクサンドルは筆頭領主でありリーダー的なポジションにいるので、周りを包み込む安心感、器の大きさが雰囲気からも感じられる人物だなという印象でした。
亚历山大是首席领主,处于领导者的位置,所以给我的印象是:他身上能感受到包容周遭的安心感,以及气量的宽宏。

実際に演じていくと実は意外と脆い所や危うい所が見えてきて、完璧ではないという所に吸血鬼でありながら人間らしさも感じました。
但实际演下去后,却看到了他意外脆弱、危险的一面;正是这份不完美,让我感受到他虽是吸血鬼,却也有着人性。

上品でありながらとっつきやすい、あえて隙を作り、自然と雰囲気をコントロールしてくれる。
高雅却又容易亲近,刻意留出空隙,自然而然地掌控着气氛。

そんなことを意識せずにできるタイプで、そこも魅力的に感じました。
他是那种能不刻意为之就做到这些的类型,这一点我也觉得很有魅力。


――演じるうえで心がけた点や、意識したポイントを教えてください。また、印象に残ったシーンやお気に入りのシーンがあれば教えてください。
——请谈谈演绎时留心之处与特别在意的要点。另外,若有印象深刻的场景或喜欢的场景也请告知。

距離感や緊迫感を分かりやすくしたかったので、周りの景色を常にイメージして臨みました。
我希望让距离感与紧迫感更易传达,因此始终在脑海中想象周围的景象来面对收录。

また吸血鬼ならばきっとあるであろう吸血衝動を自分に置き換えた時にどの程度の強さなのか、リアルな物に例えて考えたりしていました。
另外,我把吸血鬼想必都有的吸血冲动替换到自己身上,思考它的强度究竟有多大,并拿现实中的事物来作比。

血に関しては分岐にも関わってくるので多くは語れませんが、主人公の決断で物語が大きく動くシーンはやはり演じていても力が入りました。
关于血的部分会牵涉到分歧,所以不便多说;但主角的抉择令故事大幅推进的那场戏,演起来果然还是格外用力。


――本作の主人公は街を守るためにベレジンスキー辺境伯領の“供犠”となることを選びます。それにちなんで、いままでで“大きな決断だった”と思う出来事を教えてください。
——本作的主角为了守护城镇,选择成为贝雷津斯基边境伯领地的「供牺」。由此联想,请谈谈您至今认为「是一次重大决断」的事情。

セールの服を買うつもりでレジに持っていったつもりが、手に取った商品がセール対象外の物で割と高額な値段を提示され、見栄を張り平静を装って購入したことです。
本以为拿的是打折的衣服去结账,结果手里的商品不在折扣范围内,被报出了一个相当高的价格,于是为了面子装作若无其事地买了下来。


――本作は19世紀初頭の旧東欧を舞台に物語が描かれます。もし日本を離れてヨーロッパで暮らすことになったら、どこに住んでみたいですか?
——本作以19世纪初的旧东欧为舞台展开故事。如果离开日本到欧洲生活,您想住在哪里?

別作品でもイギリスに縁のある話を演じさせていただいていたので、イギリスに憧れはあります。
在别的作品里我也演过与英国有渊源的故事,所以对英国有些憧憬。

ですがもちろん海外も良いですが、とりあえず国内の行った事のない都道府県に足を向けてみたいです。
不过海外固然好,眼下还是想先去国内还没去过的都道府县走走。


――最後に、発売を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。
——最后,请对期待发售的各位说几句话。

オファーをいただいた時から自分自身も収録と皆さんに手に取っていただける日をとても楽しみにしていました。
从接到邀约时起,我自己就非常期待收录,也期待大家拿到本作的那一天。

吸血鬼と人間が共に暮らす国、そこにどんな謎があり、どんな未来が待っているのか。
吸血鬼与人类共居的国度,那里藏着怎样的谜团,又等待着怎样的未来。

ぜひ皆さんご自身に見届けていただけたらと思います。
希望大家务必亲眼去见证。

どうぞよろしくお願いします。
请多多指教。


ザビーネ・アルブレヒト役 鈴木 崚太様
萨宾·阿尔布雷希特 役 铃木崚太

――収録を終えての感想をお願いします。
——请谈谈录制结束后的感想。

テンポよく楽しく収録することができました。
收录进行得节奏顺畅,非常愉快。

ディレクションによってザビーネの感情を引き出していただいた場面も多く、色々な一面を込められたんじゃないかと思います。
在许多场面中,导演的指导引出了萨宾的情感,我想自己应该融入了他的各种侧面。


――ザビーネの第一印象を教えてください。また、演じたうえでどのようなところが魅力だと感じましたか?
——请谈谈对萨宾的第一印象。另外,实际演绎之后觉得他哪里很有魅力?

研究者としてのプライドを持っていて、人と吸血鬼の共存を誰よりも強く願っているキャラクターだと感じました。
我感觉他是一位怀着身为研究者的骄傲、比任何人都更强烈地祈愿人类与吸血鬼共存的存在。

クールに見えるザビーネですが、子どもたちへの接し方は特に柔らかく、情を感じられるところが魅力の1つです。
萨宾看似冷淡,但对待孩子们时格外柔和,能感受到他的情意,这是他的魅力之一。


――演じるうえで心がけた点や、意識したポイントを教えてください。また、印象に残ったシーンやお気に入りのシーンがあれば教えてください。
——请谈谈演绎时留心之处与特别在意的要点。另外,若有印象深刻的场景或喜欢的场景也请告知。

長寿である吸血鬼としての余裕感と言いますか、喋りのテンポを常に落ち着かせるイメージを持ちながら演じました。
该说是身为长寿吸血鬼的从容感吗——我始终带着让说话节奏保持沉稳的意识来演绎。

また、敵に向ける言葉には冷たさや怖さを乗せるように意識しました。
另外,对敌人说的话,我特意加上了冷淡与可怕的感觉。

主人公との仲が深まる毎に、こんなにも特別な感情を乗せて言葉を発するのかと、クールなだけじゃないザビーネの一面が沢山あったので、注目していただきたいです。
随着与主角的情谊加深,他会带上如此特别的情感说话——萨宾并非只有冷淡一面,这样的侧面有很多,希望大家多加关注。


――本作の主人公は街を守るためにベレジンスキー辺境伯領の“供犠”となることを選びます。それにちなんで、いままでで“大きな決断だった”と思う出来事を教えてください。
——本作的主角为了守护城镇,选择成为贝雷津斯基边境伯领地的「供牺」。由此联想,请谈谈您至今认为「是一次重大决断」的事情。

高校時代に続けてきた運動を辞め、放送委員会に所属したことです。
是高中时放弃了一直坚持的运动,加入了广播委员会。

結果、声優である今に繋がったと思うと、人生のターニングポイントだったなと思います。これからも後悔のない決断をしていきたいです。
想到这最终连接到了如今身为声优的自己,便觉得那真是人生的转折点。今后我也想继续做出不留遗憾的决断。


――本作は19世紀初頭の旧東欧を舞台に物語が描かれます。もし日本を離れてヨーロッパで暮らすことになったら、どこに住んでみたいですか?
——本作以19世纪初的旧东欧为舞台展开故事。如果离开日本到欧洲生活,您想住在哪里?

昨年お仕事でフランスに招待していただいた際に古着屋を巡りました。日本では出会えないようなモノもあって新鮮で楽しかったです。
去年因工作受邀去法国时,我逛了许多古着店。那里有些在日本遇不到的东西,非常新鲜有趣。

アメリカンヴィンテージが好きなのでアメリカにも行ってみたいなと思います。
我喜欢美式复古,所以也想去美国看看。


――最後に、発売を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。
——最后,请对期待发售的各位说几句话。

演じながら気づく感情も多く、濃密な収録日を過ごすことができました。
演绎过程中察觉到的情感也很多,度过了内容极为浓密的收录时光。

ぜひ発売まで心待ちにしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
若大家能一直期待到发售,我会非常高兴。请多多指教。


マエル・ド・ラヴァル役 八代 拓様
马埃尔·德·拉瓦尔 役 八代拓

――収録を終えての感想をお願いします。
——请谈谈录制结束后的感想。

なにはともあれ、まずは無事終えられてホッとしております。薄桜鬼異聞の名にワクワクしたのが遠い昔のようです。
总而言之,首先为顺利结束而松了一口气。当初因「薄樱鬼异闻」之名而兴奋不已,如今竟像是很久以前的事了。

毎回緊張感はあれど、楽しい収録でした。
虽然每次都有紧张感,但收录非常愉快。


――マエルの第一印象を教えてください。また、演じたうえでどのようなところが魅力だと感じましたか?
——请谈谈对马埃尔的第一印象。另外,实际演绎之后觉得他哪里很有魅力?

やはり何よりも、実際の年齢が393歳というところに注目したのを覚えています。魅力にも繋がると思うのですが、やはりその経験値は相当なものだと思うんです。
我记得自己最先注意到的,果然还是他实际年龄 393 岁这一点。我想这也与他的魅力相连——那份经验值果然相当可观。

見た目とは裏腹に、仲間達の中で兄貴的な位置付けというのは、1つ彼の特徴になっているかなと思います。
与外表相反,在同伴之间处于兄长辈的位置,我想这大概也是他的特征之一。


――演じるうえで心がけた点や、意識したポイントを教えてください。また、印象に残ったシーンやお気に入りのシーンがあれば教えてください。
——请谈谈演绎时留心之处与特别在意的要点。另外,若有印象深刻的场景或喜欢的场景也请告知。

先ほどの設問とかぶってしまう部分もあるのですが、やはり彼の生きた年数や、その生涯への向き合い方は意識しました。
这部分与前面的问题有些重叠,不过我确实很在意他活过的年岁,以及他面对自身生涯的方式。

彼の歩んできた道の中で、393年という月日をどう捉え、どう変化するのか。そういった意味で、主人公に対してワクワクを感じている彼はとても印象的です。
在他走过的路途中,他如何看待这 393 年的岁月,又如何发生变化。从这个意义上说,他对主角怀抱着雀跃期待的样子让我印象很深。

また彼には絆を感じる相棒がいますが、そんな相棒達とのシーンもお気に入りです。
另外他有一位让他感到羁绊的搭档,与这些搭档相处的场景也是我喜欢的。


――本作の主人公は街を守るためにベレジンスキー辺境伯領の“供犠”となることを選びます。それにちなんで、いままでで“大きな決断だった”と思う出来事を教えてください。
——本作的主角为了守护城镇,选择成为贝雷津斯基边境伯领地的「供牺」。由此联想,请谈谈您至今认为「是一次重大决断」的事情。

やはり声優になるために上京しようと決断した時だったと思います。
果然还是决定为了当声优而上京的时候。

その時のエネルギーや高揚感、そこに対して文字の如く夢中になっている瞬間というのは今でも尊いものとして大事にしています。
那时的能量与亢奋,以及正如字面所说为之着迷的瞬间,至今我仍视作珍贵之物好好珍惜。


――本作は19世紀初頭の旧東欧を舞台に物語が描かれます。もし日本を離れてヨーロッパで暮らすことになったら、どこに住んでみたいですか?
——本作以19世纪初的旧东欧为舞台展开故事。如果离开日本到欧洲生活,您想住在哪里?

行ってみたい国だらけのヨーロッパですが、特にイギリスに行ってみたいです。
欧洲尽是我想去的国家,其中特别想去英国。

イギリスはとても演劇が盛んですので、劇場に足を運んで生で観てみたいです。
英国戏剧非常兴盛,我想走进剧场亲眼看现场演出。

また僕はサッカー観戦も好きなので、生活の中にそういったスポーツ観戦があるというのも憧れます。
另外我也喜欢看足球,生活中能有这样的观赛体验,也令我很憧憬。


――最後に、発売を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。
——最后,请对期待发售的各位说几句话。

お読みいただきましてありがとうございます。
感谢各位阅读。

今作はとても濃厚なストーリーに加え、世界をリアルに感じられる工夫がたくさん散りばめられています。
本作不仅有极为浓厚的故事,还处处散落着让人真实感受这个世界的巧思。

薄桜鬼をプレイされている方はもちろん、そうでない方でも間違いなく楽しんでいただける内容ですので、是非このベレジンスキーの魔女の世界に飛び込んでくれたら嬉しいです。
玩过《薄樱鬼》的人自不必说,没玩过的人也一定能乐在其中,希望大家务必跃入这个贝雷津斯基的魔女的世界。


ラファエル・ナーダシュディ役 岡本 信彦様
拉斐尔·纳达什迪 役 冈本信彦

――収録を終えての感想をお願いします。
——请谈谈录制结束后的感想。

吸血鬼やキービジュアルの雰囲気の要素よりも、しっかり王道の恋愛模様を感じられた気がします。
比起吸血鬼与主视觉氛围这些要素,我感觉更能切实体会到王道的恋爱模样。

キャラクターたちが可愛く、愛おしく感じられる要素が多かったです。
让人觉得角色可爱、惹人怜爱的要素很多。


――ラファエルの第一印象を教えてください。また、演じたうえでどのようなところが魅力だと感じましたか?
——请谈谈对拉斐尔的第一印象。另外,实际演绎之后觉得他哪里很有魅力?

瞳の色の印象が強く、闇深いイメージでした。
瞳色的印象很强烈,给人一种深暗的感觉。

ただ実際のラファエルは闇を感じるより、甘く可愛い印象が強いです。
但实际的拉斐尔与其说让人感到阴暗,不如说甜美可爱的印象更强。

受け身でありつつもいつのまにか近くを陣取るような天然さが魅力のキャラクターだと思います。
虽然被动,却不知不觉就占据了身旁的位置——那种天然感正是他的魅力所在。


――演じるうえで心がけた点や、意識したポイントを教えてください。また、印象に残ったシーンやお気に入りのシーンがあれば教えてください。
——请谈谈演绎时留心之处与特别在意的要点。另外,若有印象深刻的场景或喜欢的场景也请告知。

やはり印象的なのは吸血鬼なので血を吸うシーンではないでしょうか。
印象深刻的果然还是吸血鬼吸血场景吧。

どういうタイミングで血を吸うか、どんな雰囲気で血を吸うかが重要ですよね。
在什么时机吸血、以怎样的氛围吸血,这很重要。

あとは自分の「仲間たち」とのシーン。
还有就是与自己的「同伴们」相处的场景。

ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、能力まわりでも物語が展開するとは思いませんでした。
因为会剧透所以不便细说,不过没想到连能力方面也会推动故事展开。


――本作の主人公は街を守るためにベレジンスキー辺境伯領の“供犠”となることを選びます。それにちなんで、いままでで“大きな決断だった”と思う出来事を教えてください。
——本作的主角为了守护城镇,选择成为贝雷津斯基边境伯领地的「供牺」。由此联想,请谈谈您至今认为「是一次重大决断」的事情。

声優を目指すとかそういうもの意外でいうと、髪の毛を派手髪にした瞬間も大きな決断だった気がします。
撇开立志当声优这类事不谈,把头发染成亮色那一刻,我觉得也算是一次重大决断。

今では黒髪のほうが違和感になりそうなぐらい、派手髪に慣れてしまいましたね。
如今我已经习惯亮色头发,反倒觉得黑发才让人不自在。


――本作は19世紀初頭の旧東欧を舞台に物語が描かれます。もし日本を離れてヨーロッパで暮らすことになったら、どこに住んでみたいですか?
——本作以19世纪初的旧东欧为舞台展开故事。如果离开日本到欧洲生活,您想住在哪里?

ヴェネツィアには一度住んでみたいですね。
我想在威尼斯住一次。

水の都という響きには、まるでファンタジーの世界のようなロマンを感じます。
『水都』这个称呼,让人感到宛如奇幻世界般的浪漫。

そんな場所がこの現実に存在するのですから、ぜひ行ってみたいと思います。
这样的地方竟真实存在于现实中,所以一定要去看看。

とはいえ、なんだかんだでやはり日本が一番好きですね。
话虽如此,说到底我还是最喜欢日本。


――最後に、発売を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。
——最后,请对期待发售的各位说几句话。

王道の恋愛模様と吸血鬼要素。
王道的恋爱模样,加上吸血鬼要素。

好きになる要素しかないと思います。
我认为这里面只有让人喜欢的要素。

ぜひ楽しんでくださいね。
请务必享受其中。


ジョナス・フィッツジェラルド役 古川 慎様
乔纳斯·菲茨杰拉德 役 古川慎

――収録を終えての感想をお願いします。
——请谈谈录制结束后的感想。

薄桜鬼のスピンオフという事で、ベレジンスキーの世界観の中に聞き覚えのある単語やエッセンスを感じるシーンが幾つか見受けられます。
由于是《薄樱鬼》的衍生作,在贝雷津斯基的世界观中,能看到几个让人感到耳熟词语与要素的场景。

作品としての繋がりを感じながら収録できたことも面白かったですし、熱の入ったシーンでも色々させていただけて嬉しかったですね。
能一边感受作品之间的关联一边收录,这很有趣;在情绪高涨的场景里也让我做了各种尝试,我很高兴。


――ジョナスの第一印象を教えてください。また、演じたうえでどのようなところが魅力だと感じましたか?
——请谈谈对乔纳斯的第一印象。另外,实际演绎之后觉得他哪里很有魅力?

剣呑な雰囲気から、冷徹な人のような印象を受けます。
从那种剑拔弩张的氛围,给人冷酷之人的印象。

しかし話を進めていくと、冷徹であろうとしているところや自嘲をもって吸血鬼として生きている部分が徐々に見えてきます。
但随着故事推进,他刻意保持冷酷的部分,以及怀着自嘲以吸血鬼身份活着的部分,会逐渐显现出来。

そこに至るまでの過程や彼の本当のパーソナルには結構ギャップがあるので、多層的な魅力があるキャラクターだなと感じています。
通往那里的过程与他真正的内在之间有相当大的反差,我觉得他是个具有多层魅力的角色。


――演じるうえで心がけた点や、意識したポイントを教えてください。また、印象に残ったシーンやお気に入りのシーンがあれば教えてください。
——请谈谈演绎时留心之处与特别在意的要点。另外,若有印象深刻的场景或喜欢的场景也请告知。

ジョナスは初回PVから人格面がガラッと変わった人でもあります。
乔纳斯也是从首支 PV 起、人格层面就彻底改变的人。

パーソナルな面に脆さや諦念が濃く滲むようなキャラクターへと変化した事によって、より普段の喋り方に自嘲した感じがあった方が良いのかもしれないと考え、吸血鬼としては一番の新参という設定ではありますが、吸血鬼らしい喋り方をあえて意識しながら収録させていただきました。
既然角色已转变为内在层面浓郁渗出脆弱与断念感的类型,我想平时的说话方式带点自嘲或许更好;虽然设定上他是吸血鬼中最晚加入的新人,但我在收录时特意意识到「像吸血鬼的说话方式」。

荒事担当な人でもあるので、そういうシーンでも様々なアプローチをさせていただけたのが楽しかったなと感じています。
他也负责动粗的活儿,这类场景里也能尝试各种演绎方式,我觉得很开心。


――本作の主人公は街を守るためにベレジンスキー辺境伯領の“供犠”となることを選びます。それにちなんで、いままでで“大きな決断だった”と思う出来事を教えてください。
——本作的主角为了守护城镇,选择成为贝雷津斯基边境伯领地的「供牺」。由此联想,请谈谈您至今认为「是一次重大决断」的事情。

親知らずの抜歯ですね。
是拔智齿。

必要に迫られてのものではありますが、スケジュール上問題ない範囲にとどめられるか否かなど割と賭けな場合が多い気がします。
虽然是被迫为之,但能否控制在日程不受影响的范围内,感觉常常是一场赌博。

大多数の人が親知らずを抜いてるらしいのですが、あれは人類の欠陥ですよね。
据说大多数人都拔过智齿,那玩意儿真是人类的缺陷啊。


――本作は19世紀初頭の旧東欧を舞台に物語が描かれます。もし日本を離れてヨーロッパで暮らすことになったら、どこに住んでみたいですか?
——本作以19世纪初的旧东欧为舞台展开故事。如果离开日本到欧洲生活,您想住在哪里?

以前、お仕事でドイツに行かせていただきましたが、街並みも綺麗で食事も大変美味しかったのを覚えています。
以前因工作去过德国,我记得街景很美,饭菜也非常好吃。

その際は3〜4日ほどで帰国したのですが、2ヶ月くらい滞在して色々な観光地を回ったりしたいですね。
那次只待了 3〜4 天就回国了,希望能住上两个月左右,把各个景点都逛一遍。


――最後に、発売を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。
——最后,请对期待发售的各位说几句话。

個人的に、重々しさと木漏れ日のような暖かさが気持ちの良いコントラストになっている作品だと思っています。
个人认为,这是一部将沉重感与宛如林间漏光般的温暖构成令人舒适的对比的作品。

薄桜鬼との繋がりに関しては本作だけでもきっと楽しめるものになっているんだろうなと感じてはいますが、ここをきっかけに薄桜鬼へと進むのもきっと素敵な体験になるのでは。
关于与《薄樱鬼》的关联,我感觉单凭本作也一定能充分享受;而以此为契机再去接触《薄樱鬼》,想来也会是很棒的体验。

そういった意味も含めて、是非ベレジンスキーをよろしくお願いします!
包含这层意义在内,请务必多多支持贝雷津斯基!

❖ 推特问答


アレクサンドル・シラージ
亚历山大·希拉吉

Q. ヴァイオリンの腕前は、現在どの程度なのでしょうか。
Q. 小提琴的技艺,现在大概到什么程度了呢?

仕事の合間にも真面目に練習している姿が印象的ですが、弦を切ってしまった際に「また」と言っていたため、まだまだ上達の途中なのかなとも気になっています。
您在工作间隙也会认真练习,这给我留下了深刻印象;不过您弄断琴弦时说了句「又来了」,让我也不禁好奇,是不是还处在进步途中。

実際のところ、演奏技術について教えていただけますと嬉しいです。
说实话,关于演奏技术,若您能告知一二,我会很高兴。

A. 自分で言うのも何だが、ある程度の腕前になっていると自負している。
A. 虽然自卖自夸有些不好意思,但我自认已经有一定水准了。

独学だが時間はたくさんあったからな。
虽是自学,但毕竟时间多得是。

たまに弦を切ってしまうのは、興が乗ってつい力が入ってしまうためなんだ。
偶尔弄断琴弦,是因为兴致上来,不知不觉就使了力。

人間の楽器に吸血鬼の力は強すぎるらしい。
据说人类的乐器承受不住吸血鬼的力量。


Q. 普段のアレクサンドルさんはどの程度規則正しい生活を送っているのでしょうか。
Q. 平时的亚历山大先生,生活过得有多规律呢?

仕事に対して真面目な印象がありますが、意外と生活面ではそこまでしっかりしていないのかなと思いました。
您对工作给人一种认真的印象,不过我总觉得,生活方面或许意外地没那么一丝不苟。

A. ある程度、規則正しい生活をしていると思う。
A. 我觉得算是某种程度上有规律吧。

陽が沈んだら目が覚め、朝日が昇る前に眠りに落ちる……いや、俺というより吸血鬼の生活だな。
太阳落下便醒来,朝日升起前入睡……不,与其说是我的生活,不如说是吸血鬼的生活。

俺自身は真夜中までは領主の時間、その後は趣味の時間と使い分けているつもりだ。
我自己是到深夜为止都当作领主的时间,之后就当作兴趣的时间来区分。


Q. 彼女に花を贈るとしたら、どのような花が似合うと思いますか?
Q. 如果要送花给她,您觉得什么样的花适合她?

A. 彼女には白いベイビーズブレス……カスミソウを選ぼう。
A. 就为她选白色的 Baby’s Breath……满天星吧。

白くて可愛らしい花は、表裏のない彼女の人柄や清楚なただずまいにもよく似合っている。
纯白可爱的花,与她表里如一的人品和清丽的姿态都很相称。

そして花言葉は幸福と感謝だからな。その言葉も一緒に彼女へ贈ろう。
而且花语是幸福与感谢。就把这份言语也一并送给她吧。


Q. 「これをすると気が引き締まる」という習慣や、反対にリラックスしたいときに好んですることはありますか?
Q. 有没有「做这个就能绷紧心弦」的习惯,或者相反,想放松时喜欢做的事?

A. 気持ちを切り替えるときやゆったりしたいときにするのは、コーヒーを飲むことだな。
A. 切换心情或是想悠闲一下的时候,我会喝咖啡。

少し苦みの強い味は、身を引き締めたり気を落ち着けたりしてくれる。
略带强烈苦味的味道,能让我绷紧身心、平复心绪。

最近は彼女が作ってくれるから、なおさら美味く感じている。
最近都是她为我泡的,所以更觉得好喝。


Q. 彼女の好きな仕草はありますか?
Q. 有喜欢她的哪些举止吗?

A. これは仕草ではないかもしれないが、何か思うところがあると直ぐに表情に表れるところだ。
A. 这或许不算是举止,就是她心里一旦有什么想法,立刻就会表现在表情上。

特に気に入っているのは、間違いに気づいたときなど恥ずかしそうに照れる表情が可愛らしく……
我尤其喜欢的是,她发现弄错时那种害羞脸红的模样,实在可爱……

ああ、これはここだけの話にしてくれ。
啊,这话就只在这里说说,别外传。


ザビーネ・アルブレヒト
萨宾·阿尔布雷希特

Q. ザビーネさんは何かと不憫な目に遭っている印象がありますが、これまでに描かれていない「不憫エピソード」があれば教えていただけますでしょうか。
Q. 萨宾先生总给人一种动不动就遇上可怜事的印象,如果有什么尚未描写过的「可怜小插曲」,能否告诉我们?

A. 外からどのように見られているのか気にしたことはありませんが、迷惑をかけられていることは多少なりともあります。
A. 我从未在意过别人怎么看我,但确实多少受到过一些打扰。

筆頭代理をしたいとか筆頭領主になりたいとか言い出す者がいたり……
比如有人会开口说想当首席代理、想当首席领主之类……

この件については、また別の機会にお話ししましょう。
这件事就留到别的机会再说吧。


Q. ザビーネさんは実験に失敗した時用に眼鏡の替えなどはストックしていたりするのでしょうか。
Q. 萨宾先生会不会为实验失败的时候备着替换的眼镜之类呢?

A. 眼鏡を愛用する者としてストックを持つのは当然です。
A. 作为惯用眼镜之人,备货是理所当然的。

もちろん同じものを3つ用意し、普段使い用、保管用、布教用と分けています。
当然备了三副相同的,分为日常使用、保管用、传教用。

この他、微妙に長さが違うもの、角度が違うもの、色つきなど……全部で20程あるでしょうか。
此外还有长度微妙不同的、角度不同的、带颜色的……总共大概有 20 副吧。


Q. 彼女に花を贈るとしたら、どのような花が似合うと思いますか?
Q. 如果要送花给她,您觉得什么样的花适合她?

A. 彼女に花を贈るとしたら、青色のコーンブルメが似合うのではないでしょうか。
A. 若要送花给她,蓝色的矢车菊应该很相称吧。

私の生まれ故郷でもよく咲いていた、青色の可愛らしい花です。
那是我故乡也常开的花,一种蓝色而可爱的花。

花言葉は「繊細」「優雅」……そして「信頼」、だったと思いますよ。
花语是「纤细」「优雅」……然后我记得还有「信赖」。


Q. 「これをすると気が引き締まる」という習慣や、反対にリラックスしたいときに好んですることはありますか?
Q. 有没有「做这个就能绷紧心弦」的习惯,或者相反,想放松时喜欢做的事?

A. 気を引き締めるときに料理やお菓子作りをしますが、どちらかというと気分を切り替えるための儀式に近いですね。
A. 需要绷紧心弦时我会做菜或做点心,不过说来更接近于切换心情的仪式。

リラックスしたいときには、紅茶にブランデーなどのお酒を落として、部屋に広がる香りを楽しんだりしています。
想放松的时候,会在红茶里滴入白兰地之类的酒,享受满室弥漫的香气。


Q. 彼女の好きな仕草はありますか?
Q. 有喜欢她的哪些举止吗?

A. 私の方が背が高いためか、よく上目遣いで私を見上げるのですが……その仕草がなんとも可愛いのです。
A. 或许是因为我个子更高,她常从下往上抬眼看我……那副模样实在可爱。

正面から真っ直ぐ見上げるのは失礼と思っているのか、少し斜めから見上げてくる。
大概是觉得从正面直直仰望失礼吧,她总是稍稍斜着抬眼看来。

そのいじらしい心遣いが、とても愛らしいですね。
那份惹人怜爱的心思,真是非常可爱呢。


マエル・ド・ラヴァル
马埃尔·德·拉瓦尔

Q. マエルさんは他の4人と比べてかなり着崩している印象がありますが、寒さは平気なのでしょうか。
Q. 马埃尔先生和其他四人相比,给人穿着相当随意的印象,他不怕冷吗?

堅苦しい服装を好まない雰囲気がありますが、素肌が見えている部分もあるため、普段から寒くないのか気になります。
虽然看得出他不喜欢拘束的衣着,但有些地方露着肌肤,让人好奇他平时不冷吗。

A. 普段はそうでもないんだが、さすがに冬ともなると少しは寒いだろって話だ。
A. 平时倒还好,可到了冬天果然还是会有点冷吧。

けどな、寒くなっても身体が冷えても吸血鬼は風邪を引かねえからなあ……。
不过啊,就算变冷、身体发凉,吸血鬼也不会感冒嘛……。

まあ、薄着でいる一番の理由は、身体を動かしやすいからだぜ。
总之,穿得少最大的理由,是身体好活动。


Q. マエルさんが4人の中で「一番話しやすい」と感じている相手は誰でしょうか?
Q. 马埃尔先生觉得四个人里「最好说话」的是谁呢?

逆に、少し苦手意識を持っている相手がいれば、そちらも教えていただきたいです。
反过来,如果有稍微不太擅长应付的对象,也希望能告诉我们。

A. そうだな、吸血鬼や長老として話しやすいのはアレク。
A. 这个嘛,作为吸血鬼或长老好说话的,是亚列克。

ただ、普段のような軽い話をしやすいのはラファかな。
不过要像平时那样轻松闲聊的话,大概是拉法吧。

苦手っていうか色々と心配させられるのもラファなんだな。
与其说不擅长,倒不如说让人操各种心的也是拉法。

領主代行をしたいとか、筆頭領主になりたいだとか、あいつのせいでこっちは大変なんだぜ。
想当领主代行啦、想当首席领主啦,托那家伙的福我这边可够呛。


Q. 彼女に花を贈るとしたら、どのような花が似合うと思いますか?
Q. 如果要送花给她,您觉得什么样的花适合她?

A. んーー、白のマルグリットとか似合うと思うぜ。
A. 嗯——我觉得白色的玛格丽特之类的很合适。

こっちだとマーガレットって言うらしいな。
在这边好像是叫「雏菊」呢。

フランスの花言葉だと、純粋だの無邪気だの、信頼とかだな。
按法国的花语来说,是纯洁、天真,还有信赖这些。

小さくて綺麗な花で……まあ、可愛いところがあいつらしいんじゃねえか。
小巧又漂亮的花……嘛,那份可爱劲不挺像她的吗。


Q. 「これをすると気が引き締まる」という習慣や、反対にリラックスしたいときに好んですることはありますか?
Q. 有没有「做这个就能绷紧心弦」的习惯,或者相反,想放松时喜欢做的事?

A. そりゃ着替えだろ。洗濯したシャツに袖を通すと、気が引き締まるってもんだぜ。
A. 那当然是换衣服。把洗好的衬衫穿上袖子,就会觉得精神一振啊。

リラックスか……。サロンのソファに身を任せるのもいいんだが、夜の森の中で横になってゴロゴロしてる時間も最高だぜ。
放松吗……把身子交给沙龙的沙发也不错,不过夜里躺在森林里打滚的时间也最棒。

泥だらけになるけどな。
虽然会弄得满身是泥。


Q. 彼女の好きな仕草はありますか?
Q. 有喜欢她的哪些举止吗?

A. あいつは無意識にやってんだろうが、ちょっとばかり小首を傾げるんだよ。
A. 那家伙大概是无意识的吧,会微微歪一下头。

普段は真面目にうんうんって聞いてる感じなんだが、
平时她是一副认真「嗯嗯」听着的样子,

自分が嬉しいときにちょっとそうするもんだから、思ってることがわかっちまうんだよな。
可自己高兴的时候就会那样歪一下,心里想什么就全露出来了。


ラファエル・ナーダシュディ
拉斐尔·纳达什迪

Q. ラファエルさんは力仕事が苦手だと言っていましたが、吸血鬼である以上、主人公よりは腕力があるのでしょうか。
Q. 拉斐尔先生说过自己不擅长体力活,但既然是吸血鬼,臂力应该比主人公强吧?

個人差はあると思いますが、一般的な人間と比べた場合の吸血鬼の身体能力についても知りたいです。
我想个体差异是有的,但也想知道与一般人相比,吸血鬼的身体能力如何。

A. 力仕事は確かに苦手だけど、全く力がないわけじゃないからね。
A. 体力活确实不擅长,但也不是完全没有力气哦。

あの娘より全然力はあるから、なにかあったら頼ってほしいな。
比那姑娘力气大得多,所以要是有什么事,希望她能依靠我。

もちろん、普通の人間より強い力は出せるよ。
当然,能发挥出比普通人类更强的力量。

でも他の領主と比べると……皆、力自慢の系譜だからさ。
不过和其他领主比起来……毕竟大家都是夸耀力气的血统嘛。


Q. ラファエルさんは普段からあまり生活リズムを気にしないタイプなのでしょうか。
Q. 拉斐尔先生平时是不太在意生活节奏的类型吗?

それとも、意外と規則正しく生活しているのでしょうか。
还是说,意外地过着规律的生活呢?

A. そうだね、生活リズムはあんまり気にしないよ。一日中、蔵書室にいることもあるし。
A. 是啊,我不太在意生活节奏。有时一整天都待在藏书室里。

好きなときに好きなことをしてふらふら過ごしているというか。
不如说,是想做什么就做什么、晃悠悠地过日子。

でも、吸血鬼だからね。目が覚める時間と眠くなる時間は、だいたい決まってるんだ。
不过,毕竟是吸血鬼嘛。醒来的时间和犯困的时间,大致是固定的。


Q. 彼女に花を贈るとしたら、どのような花が似合うと思いますか?
Q. 如果要送花给她,您觉得什么样的花适合她?

A. 似合いそうなのは、スイートピーかな。
A. 看起来适合的,大概是香豌豆吧。

いろんな色があるし、小さくてひらひらしてて可愛いよね。うん、彼女みたい。
有很多种颜色,小巧又轻飘飘的,很可爱呢。嗯,就像她一样。

花言葉も、ちょうどいいかもしれない。
花语或许也刚刚好。

いつか別れを迎える彼女への……門出や、別離。それと、『僕を忘れないで』。
送给终将迎来离别的那姑娘的……启程,或是别离。还有「请不要忘记我」。


Q. 「これをすると気が引き締まる」という習慣や、反対にリラックスしたいときに好んですることはありますか?
Q. 有没有「做这个就能绷紧心弦」的习惯,或者相反,想放松时喜欢做的事?

A. なんだろう、顔を洗うとか、熱い飲み物を飲むとか……?
A. 是什么呢,洗脸,或者喝热饮之类的……?

あんまり気を引き締めることもないから、特にないかも。
我很少需要绷紧心弦,所以也许没有特别的。

リラックスなら得意だよ。
放松的话我倒是很擅长哦。

甘いものを食べたり飲んだりすると、ゆったりした気持ちになれるよね。
吃点甜的、喝点甜的,心情就会变得悠闲呢。


Q. 彼女の好きな仕草はありますか?
Q. 有喜欢她的哪些举止吗?

A. 仕草なのかな? くせなのかな?
A. 算举止吗?还是算习惯呢?

話をするときに、胸の前で両手を組んだり、手を重ねて指を絡めたり、口元に指先を持っていったりしてるんだ。
说话的时候,她会在胸前把双手交叠,或是两手相叠、手指交缠,还会把指尖带到嘴边。

話を聞いているより、その仕草を見ている方が楽しいよね。可愛いしさ。
比起听她说话,看着那些小动作更有趣呢。而且很可爱。


ジョナス・フィッツジェラルド
乔纳斯·菲茨杰拉德

Q. 日本刀を所持していますが、日本の「東の鬼」と何か関係があるのでしょうか。
Q. 您持有日本刀,这与日本的「东之鬼」有什么关系吗?

『薄桜鬼』における変若水の副作用が薄まる理由も以前から気になっていたため、何か関連があるのか知りたいです。
关于《薄樱鬼》中变若水的副作用会减弱的理由,我此前也一直很在意,所以想知道是否有某种关联。

A. 東の国、日ノ本には鬼というデーモンがいるのか。
A. 东边的国度、日之本,竟有被称为「鬼」的恶魔吗。

よく似た性質を持つらしいが、俺たち吸血鬼とは関係はないようだ。
据说性质颇为相似,但似乎与我们吸血鬼并无关系。

俺が持つこの刀は、ある男から譲り受けたもの。あいつの家系に代々伝わる刀のことだが……
我持有的这把刀,是从某个男人那里让受的。据说是那家伙家系代代相传之刀……

どうやら鬼を斬った由来があるらしい。
看来有着斩过鬼的由来。


Q. 朝はすっきりと目覚められるタイプでしょうか。
Q. 您是早上能清爽醒来的类型吗?

寝ぼけて何か失敗した経験などはありますか?
有没有因为睡迷糊而失败的经历?

A. 起きるべき時間に目が覚める。
A. 会在该起床的时间醒来。

いや、わずかな違和感があればすぐに目覚める、と言うべきか。
不,该说只要有一丝异样就会立刻醒来。

なにせ、眠ったまま殺された仲間を何度も見てきたからな。
毕竟,我见过好几次同伴在睡梦中被杀。

館に来た頃、寝ている俺を起こそうとしたマエルに、刀を抜いたことがあったような……。
刚来馆里的时候,好像还对着想叫醒睡着的我的马埃尔拔过刀……。


Q. 彼女に花を贈るとしたら、どのような花が似合うと思いますか?
Q. 如果要送花给她,您觉得什么样的花适合她?

A. もちろん薔薇だ。
A. 当然是蔷薇。

彼女には白色やピンク色が似合うと思うが、俺が贈る色は灰紫色の薔薇と決めている。
我觉得白色或粉色适合她,但我要送的颜色,已经决定是灰紫色的蔷薇。

その花言葉は、気品と誇り。
它的花语是,气品与骄傲。

……俺の気持ちを花に込めて、彼女に贈ることにしよう。
……就把我的心意寄于花中,送给她吧。

受け取ってくれるといいのだが。
但愿她能收下。


Q. 「これをすると気が引き締まる」という習慣や、反対にリラックスしたいときに好んですることはありますか?
Q. 有没有「做这个就能绷紧心弦」的习惯,或者相反,想放松时喜欢做的事?

A. 気を引き締めるためにやるのは、剣の素振りだ。
A. 为了绷紧心弦而做的,是挥剑练习。

剣にはその時の気持ちが全て表れる。
剑上会完全显露出当时的心境。

引き締めるというより、心をリセットすることが大事だからな。
与其说是绷紧,不如说重置内心才是重要的。

それと、リラックスしたいときには中庭に行き、薔薇を愛でることが多い。
另外,想放松的时候,我常去中庭赏蔷薇。


Q. 彼女の好きな仕草はありますか?
Q. 有喜欢她的哪些举止吗?

A. 彼女の長い髪が、たまに揺れている。
A. 她的长发,偶尔会摇曳。

そんな時、彼女が指でまとめて耳にかけるのだが、その時の仕草が流れるような動きで美しい。
那时,她会用手指拢起别到耳后,那一刻的动作如流水般优美。

本人は意識してないだろうな。見惚れる、という言葉があるが、まさにそれだと思う。
本人大概没意识到吧。有个词叫「看得出神」,我想说的正是这个。

イラスト・キャラクターデザインに関する質問
关于插画·角色设计的问题

薄葉カゲロー

Q. アレクサンドル、ザビーネ、マエルの3人は、ベルトの金具にそれぞれ刻印のようなものが施されていますが、何か特別な意味があるのでしょうか。
Q. 亚历山大、萨宾、马埃尔三人,腰带的金属件上各自都施有类似刻印的东西,这有什么特别的含义吗?

また、アレクサンドルとザビーネの金具が金色なのは、それぞれ「領主筆頭」「筆頭補佐」という立場に関係しているのでしょうか。
另外,亚历山大与萨宾的金属件是金色的,这与他们各自「首席领主」「首席辅佐」的立场有关吗?

A. 特に特別な意味はありませんが、彼らが鍛冶屋や細工師にオーダーメイドした物かなと思っています。
A. 并没有什么特别的含义,我想那大概是他们向铁匠或工匠订制的物件吧。

そういった装身具に拘りがありそうな三人で、職人にイニシャルなどをあしらった図案をあれこれ言いながら発注していたら微笑ましいかなと思っています。
这三人看起来都对这类装身具有讲究,若是围着工匠就饰以首字母的图样七嘴八舌地下单,那画面想来很令人会心一笑。


Q. キャラクターそれぞれの衣装には、立場や性格などを反映したデザイン上のこだわりがあるのでしょうか。
Q. 各个角色的服装上,是否有着反映立场与性格的设计讲究呢?

特に、他の4人と比べてマエルはかなり着崩している印象がありますが、あの着こなしにも本人の性格や設定が反映されているのか気になります。
特别是与另外四人相比,马埃尔给人穿着相当随意的印象,那种穿法是否也反映了他本人的性格与设定,我很在意。

A. 着こなし方は性格と立場を考慮してデザインしております。
A. 穿法是在考虑性格与立场的基础上设计的。

マエルは年長者ですが、アレクにリーダーを任せて隠居みたいな感じになっているので、自由に服を着崩しています。
马埃尔虽是年长者,但把领袖之位交给亚列克,成了近乎隐居的状态,所以衣服穿得自由随意。

とはいえ、見た目と体力は老人ではないので、身軽な軽装を考えたら逆に若者っぽくなりましたね。
话虽如此,外表与体力都不是老人,考虑到轻便的装束,反而显得像年轻人了。


Q. キャラクターの衣装や装飾、建物などのデザインを考える際に、実際の中世ヨーロッパの服飾や文化などを参考にされているのでしょうか。
Q. 在构思角色服装、装饰与建筑等设计时,是否参考了实际中世纪欧洲的服饰与文化呢?

もし特定の地域や時代をモデルにされている部分があれば、ぜひ教えていただきたいです。
如果有以特定地域或时代为原型的部分,务必想请您告知。

A. 舞台である19世紀の西洋服飾を参考にしております。
A. 我们参考的是作为舞台的 19 世纪西洋服饰。

ただ、主人公のいる地域は東欧の奥地となり、フランスなど都会の流行が到着・定着にタイムラグがあるので、格なども考慮し、特に使用人には作品内時代より前時代的な服装・民族衣装も多く取り入れたりして、時代感のばらつきを意識しています。
不过,主人公所在的地区位于东欧深处,法国等都市的流行传到并扎根会有时间差,因此也考虑到身份格差,尤其对佣人较多地采用了比作品内时代更早的服装与民族服饰,有意识地营造时代感的参差。


その他キャラクターに関する質問
关于其他角色的问题

藤澤経清
藤泽经清

Q. 5人の中で、最も散財しそうなのは誰でしょうか?
Q. 五个人当中,最容易乱花钱的是谁呢?

また、散財してしまう主な理由についても教えていただきたいです。
另外,也想请教一下乱花钱的主要理由。

A. 5人の領主の中で個人的に散財が多いのは、ラファエルになります。
A. 五位领主当中,个人开销最铺张的是拉斐尔。

新しい本や美味しいお菓子、最新の望遠鏡など、欲しいものがいくらでもあります。
新书、好吃的点心、最新式的望远镜等等,想要的东西多得是。

ただし、公的にはアレクかもしれません。
不过若论公事,或许是亚列克。

国や領民に必要なものはつい買ってしまい、ザビーネに怒られることもあるとか。
国家和领民需要的东西他会忍不住买下,据说还因此被萨宾训过。


Q. エドワードの紹介に「味にうるさい」とありましたが、貴族という立場もあり、5人とも比較的舌が肥えているのでしょうか。
Q. 爱德华的介绍里写着「对味道很挑剔」,加上贵族的身份,五个人是否都比较讲究口味呢?

また、5人の中で一番食い意地が張っているのは誰なのかも気になります。
另外,五个人当中最贪吃的是谁,我也很在意。

A. 貴族だから上等な食事に慣れているというより、これまで長く生きてきて数多くの食事をしてきたことから、舌が肥えてしまったという感じです。
A. 与其说因为是贵族而习惯了上等饮食,不如说是因为至今活得长久、吃过无数餐食,口味就这么被养刁了。

食い意地とは違いますが、食べたいものに偏食があるのはラファエル、味に一家言あるのがザビーネです。
这和贪吃不同,对想吃的东西有所偏食的是拉斐尔,对味道有自己一套见解的是萨宾。


Q. 吸血鬼にとって、血以外の食事は必須なのでしょうか。
Q. 对吸血鬼来说,血以外的饮食是必需的吗?

それとも、生きるために必要というよりは嗜好品に近いものなのでしょうか。
还是说,与其说是生存所需,更接近于嗜好品呢?

A. 吸血鬼といえども、身体の生命活動を維持するには、人間と同じように食事が必要になります。もちろん、空腹や満腹を感じたりします。
A. 即便是吸血鬼,要维持身体的生命活动,也和人类一样需要进食。当然,也会感到饥饿或饱腹。

血液を欲するのは、身体が吸血鬼としての能力を使ったときなど、使用した吸血鬼の力を補充するために血が必要となるからです。
之所以渴求血液,是因为身体使用吸血鬼能力的时候等,需要血来补充所消耗的吸血鬼之力。


その他制作に関する質問
关于其他制作的问题

藤澤経清
藤泽经清

Q. 世界観が中世ということですが、実際の歴史や文化から着想を得ている部分はありますでしょうか。
Q. 世界观设定为中世纪,请问是否有从实际历史与文化中获得灵感的部分?

衣装や食べ物、生活様式など、モデルや参考にされた地域・文化があれば知りたいです。
服装、食物、生活方式等,若有作为原型或参考的地域与文化,希望了解。

A. 生活様式などは19世紀初頭の東ヨーロッパをモデルにしています。
A. 生活方式等是以 19 世纪初的东欧为原型。

登場人物たちが長生きをしていることもあって、デザインには少し古めの様式も取り入れています。
由于登场人物都很长寿,设计中也融入了一些稍早些的样式。

この頃、既に産業革命が始まっていますが、この地ではまだ恩恵を受けていないなど少し面白い時代でもあります。
那个时期产业革命已经开始,但这片土地尚未受其恩惠,是个颇有意思的时代。


Q. 『薄桜鬼』の羅刹は西洋の鬼に近い存在とされていますが、日の光を嫌いながらも、まったく浴びられないわけではなかったと記憶しています。
Q. 《薄樱鬼》中的罗刹被认为是接近西洋鬼的存在,我记得他们虽厌恶日光,却也并非完全不能照射。

一方で、本作の吸血鬼たちは日の光を浴びること自体が不可能なのでしょうか。
另一方面,本作的吸血鬼们,是连照射日光本身都不可能吗?

『薄桜鬼』に登場する鬼との違いも含め、吸血鬼の身体的な特徴について教えていただきたいです。
包括与《薄樱鬼》中登场的鬼之间的差异,希望能请教吸血鬼身体上的特征。

A. 吸血鬼の世代や能力が高ければ日の光の下でもそれなりに行動できます。
A. 吸血鬼的世代或能力越高,在日光下也能相应地行动。

人間で言う夜更かしに近い感じです。逆に世代や能力が低い場合、昼間には強烈な眠気や目眩、倦怠感などがおこります。
感觉接近人类所说的熬夜。相反,世代或能力较低的情况下,白天会产生强烈的睡意、目眩、倦怠感等。

そして日の光を直接浴びたところには火傷なども発症します。
而且直接照射到日光的地方还会出现灼伤等。

吸血鬼は他人から得た力(血)を己の力にする者で、『薄桜鬼』の鬼は元々持っていた己の力なので、似て非なる種族になります。
吸血鬼是把从他人处获得之力(血)化为己力者,而《薄樱鬼》的鬼是原本就持有的己身之力,因此是相似而不同的种族。


Q. キャラクターによって血の味や食事の好みに違いはあるのでしょうか。
Q. 不同角色之间,血的味道或饮食偏好会有差异吗?

例えば「こういう血の味が好み」といった個人差があれば教えていただきたいです。
比如「喜欢这种血的味道」之类的个人差异,若能有请告知。

A. 吸血鬼にとって人の血の味は、性別や年齢、健康状態や代々受け継いできた出自、そして培われた経験などで変わってきます。
A. 对吸血鬼而言,人血的味道会因性别、年龄、健康状况、代代相承的出身,以及积累的经验等而变化。

血の味に好みがでるとしたら、それらが吸血鬼にとって相性が合うものだとか好ましいものだとか、それらが味に反映されるかと。
如果说在血的味道上会出现偏好,那么这些对吸血鬼是否相合、是否讨喜,或许就会反映在味道上。

❖ 短篇故事


Vol.01 アレクサンドル・シラージ
Vol.01 亚历山大·希拉吉

領主の仕事
领主的职责


「では、領主会議を始めるとしよう」
「那么,开始领主会议吧」

「承知しました」
「遵命」

「もうそんな時間か、構わないから先に始めてていいぜ」
「都这个点了啊。没关系,你们先开始就行」

「ねえ、お茶はまだーー?」
「我说,茶还没好吗——?」

「議題次第によっては席を外していいか」
「视议题内容,我可以中途离席吗?」

「……会議を始めるぞ!」
「……会议开始了!」

ベレジンスキー辺境伯領は5人の領主によって統治されている。対外的な代表は伯爵の地位を得ているアレクサンドルだが、この館の領主と呼ばれる5人の吸血鬼たちはそれぞれ違う真祖の血統の現当主でもあることから、彼らは血筋から見ると同格という立場にある。
贝雷津斯基边境伯领由五位领主共同统治。对外的代表是已获伯爵地位的亚历山大,但被称为这座馆领主的五位吸血鬼,各自都是不同真祖血统的现任当主,因此从血统上看,他们处于同格之位。

(吸血鬼によって長く生きていたり、多くの血を得ていたりなどの強さに差はあるものの、血脈の派閥の長という立場としては同格と言える)
(虽说吸血鬼之间有活得久、得血多等强弱之差,但作为血脉派系之长,地位可谓同格)

そんなこともあって5人は同格の領主(対外的には貴族)となり、この辺境伯領の統治についても合議制が取り入れられている。
也正因如此,五人成为同格的领主(对外则称贵族),在这片边境伯领的统治上也采用了合议制。

とはいえ、面倒な書類仕事はアレクとザビーネの仕事なのだが。
话虽如此,繁琐的文书工作仍是亚列克与萨宾的差事。

そしてこの日も、普段はアレクがこもっている執務室に残りの4人の領主が呼び出され、領主会議が始まったのだった。
而这天,平时亚列克独自闷着的执务室里,其余四位领主也被叫了来,领主会议就此开始。

「――というわけで、今日の議題は領内の小麦の刈り入れについての問題だ。昼日中に刈り入れ作業できる人数を増やしてほしいという住民からの嘆願がきている。何か解決のための意見があれば聞きたい」
「——情况就是这样,今天的议题是领内小麦收割的问题。有居民请愿,希望能增加白天参与收割作业的人手。若有解决之策,我想听听」

アレクからの議題に誰も答えようともせず、それぞれがお茶を飲んだりぼんやりしたり、欠伸をしたりする始末。そんな状況を見ていたアレクがマエルを見やった。
面对亚列克提出的议题,谁都没有开口回应,各自喝茶的喝茶,发呆的发呆,打哈欠的打哈欠。看着这般光景,亚列克把目光投向马埃尔。

「では、年長者としてマエルの意見はどうだ?」
「那么,作为年长者,马埃尔有何意见?」

「……は? オレか? あーー、そうだな……うちの領内って、あれだろ。住民の半分が吸血鬼なんだから、そいつらが夜に刈り入れすればいいだけじゃねえのか」
「……哈?我?啊——这个嘛……咱们领内不就是那样吗。一半居民是吸血鬼,让那些家伙在夜里收割不就行了」

「これまではそうしていたんだが、夜間に刈り入れをすると水分が多く含まれるため、やはり昼日中の内に刈り入れをした方が良い収穫になるらしい。だから、昼間に刈り入れをしたいという嘆願がきてるんだ」
「以往正是这么做的,但夜间收割会含水过多,据说还是在白天收割,收成更好。所以才有居民请愿想在白天收割」

「そっか。じゃあ、昼も働けばいいんじゃね?」
「这样啊。那就白天也干活不就好了?」

「力の強い吸血鬼ならまだしも、住民レベルの吸血鬼だと昼日中に外に出ただけで倒れ込んでしまう」
「实力强的吸血鬼尚且不论,居民级别的吸血鬼光是白天出门就会倒下」

「うちの住民ってひ弱だな――」
「咱们的居民还真是娇弱啊——」

そう答えたマエルが、さほど興味なさそうに椅子の背へふんぞり返る。隣に座っていたラファエルが紅茶を飲むのを止めて、得意そうに答えた。
如此答完,马埃尔一脸兴致缺缺地仰靠在椅背上。坐在旁边的拉斐尔停下喝茶,一脸得意地回答。

「ねえ、あれじゃない? 小麦が採れなくなるんでしょ? じゃあ、パンがなければケーキを食べればいいじゃないってそんな話があったよね」
「呐,不就是那个吗?小麦收不上来了对吧?那就没有面包就吃蛋糕嘛,不是有这么一句话吗」

「……ケーキも小麦から作られるから、小麦がなければケーキも作れないことになるが、それはどうする?」
「……蛋糕也是用小麦做的,没有小麦也就做不了蛋糕,这又该怎么办?」

「あーー、そうなんだ。……え、じゃあ、これを言いだした人ってそんな事も知らなかったのかな」
「啊——是这样啊。……诶,那提出这话的人连这都不知道吗?」

「ははっ、おまえもな」
「哈哈,你不也一样」

「知ってたよ。知ってたから言ったんだって」
「我知道啊。就是因为知道才说的」

マエルとラファの言い合いを聞きながら、アレクのこめかみがすこしひくつき始める。それを見たザビーネがコホンと喉を鳴らし、ジョナスに話を向けた。
听着马埃尔与拉法的争辩,亚列克的太阳穴开始微微抽搐。萨宾见状清了清嗓子,把话头转向乔纳斯。

「ジョナから何か意見はありませんか?」
「乔纳斯有什么意见吗?」

「簡単なことだ、昼に働ける人間を外から雇えばいい」
「很简单,从外面雇白天能干活的人就行」

「もっともな意見ですが、ここは吸血鬼と人間が共存する特別な領地です。領外の人間を簡単に入れることはできません」
「这意见固然合理,但此处是吸血鬼与人类共存的特殊领地。无法轻易让领外的人类进来」

「では、ザビーネならどうする?」
「那么,萨宾会怎么做?」

「ふふ……私なら近年発明された蒸気の力で刈り入れができる機械を取り寄せようかと考えています」
「呵呵……若是我的话,会考虑订购近年发明的以蒸汽为动力、能用于收割的机械」

「それはいい。すぐにでも取り寄せよう」
「那不错。立刻就订吧」

「いえ……それがまだ構想段階らしく……開発には数年かかるとか……私の意見はすこし先の話になりますね」
「不……那似乎还停留在构想阶段……据说开发需要数年……我的意见要算稍远的事了」

「俺たちにとって数年など僅かな時間だがな」
「对我们来说,数年不过是转瞬」

ふたりのやりとりを聞いていたアレクが、小さくため息を吐いた。
听着两人的往来,亚列克轻轻叹了口气。

「皆の意見は出そろったか? では、俺から提案をしよう。昼日中の働き手が欲しい、という住民からの要望だったな。領内に昼間働ける吸血鬼は足りず、外から人間を雇うことも難しいという意見だが、俺がみたところそれを解決できる方法がある」
「大家的意见都出齐了吗?那么,由我来提个方案。是居民希望有白天的劳动力,对吧。领内能白天干活的吸血鬼不足,从外面雇人也困难——但依我看,有一个能解决的办法」

「ほほう、聞かせてくれよ」
「哦,说来听听」

「昼間に動ける吸血鬼で昼の刈り入れを手伝うことにする。ちょうどここに5人ほど居るようだしな」
「就让白天能行动的吸血鬼来帮忙白天的收割。这里正好有五位在呢」

「それって……もしかして、僕たちのこと?」
「那……难道是指我们?」

「昼間の仕事か。まあ、できなくもないんだが、1週間も続けると生活リズムが狂って嫌なんだよな」
「白天的活啊。倒也不是做不了,但连着干上一周,生活节奏就乱了,真不想啊」

「小麦の刈り入れか。やれと言われればやるが、俺たちがやらなければならない仕事か?」
「收割小麦吗。叫我做我就做,可这是非得我们来做的事吗?」

「力仕事は向いてないんでパスします」
「体力活不适合我,我弃权」

「誰もラファに力仕事なんか期待してないって。代わりにクドラクたちが働くだろうぜ」
「没人指望拉法干体力活。干活的会是库德拉克他们吧」

「僕以上に昼日中は出てこないと思うんだけど……」
「可我觉得他们白天比我还不露面……」

マエルとラファエル、そしてジョナスも不満を口にするなか、ザビーネが眼鏡のブリッジをくいっと人差し指で支えながら呟いた。
马埃尔、拉斐尔,连乔纳斯也吐露不满;而萨宾用食指推了推眼镜鼻梁,低声道。

「では、皆さんにはアレクが出した以上の代案があるというのですか? 私たちは領主として、住民と領地を守るという使命を果たさなければなりません。その答えはいかが?」
「那么,各位是有比亚列克所提更好的替代方案吗?我们身为领主,必须履行守护居民与领地的使命。答案如何?」

3人が顔を見合わせつつ、肩をそびやかす。そして、しょうがないなと言う顔つきでマエルが答えた。
三人面面相觑,耸了耸肩。随后马埃尔摆出一脸「没办法」的神情答道。

「わかった、やるよ。でも、オレたちだけってのはちょっととなあ……そうだ、この館で昼に働ける奴、全員を駆り出そうぜ。クレイヴンとレスタト、それにエドワードも。そうすりゃ昼の作業も1日交代とかでできるだろうし」
「知道了,干就是了。不过只我们几个有点那个……对了,把这馆里白天能干活的全叫上吧。克雷文和雷斯凯特,还有爱德华。这样白天的活也能一天一换班」

「ああ、それがいい」
「嗯,那样好」

「もちろん、マインスターもね」
「当然,迈因斯特也算上」

ラファエルの差し向けた言葉に、部屋の隅で話を聞いていたマインスターが慌て始める。
拉斐尔这一句,让在房间角落听着的迈因斯特慌了神。

「なんと……私めが昼日中の作業を? しかも刈り入れですと? この老僕にそのような大役が務まるでしょうか……ヨヨヨヨ……」
「什么……要我这把老骨头做白天的活计?而且还是收割?这等重任,老仆当真担得起吗……嘤嘤嘤嘤……」

「おいおい、マインスターってさ、老僕とか言ってるけど、オレより若いんだぜ」
「喂喂,迈因斯特你嘴上说老仆,其实比我年轻呢」

「マエル様、それは言わない約束ですぞ。今は見た目の話をしているのですから」
「马埃尔大人,这事可有过约定不许提的。现在说的是外表的事」

「じゃあマインスターがやるなら僕も手伝っていいかな」
「那要是迈因斯特干,我也来帮忙可以吗?」

「決まりだ。領主にそこまで言わせては執事の名が泣くぞ」
「就这么定了。让领主说到这份上,管家的名号都要哭了」

「ははは……仕方ありません。では、皆さまの夜食の準備もしなければなりませんな」
「哈哈哈……没办法。那么,也得为各位准备夜宵了」

「それ、夜食なの? 昼食? あれ? なんて言えばいいのかなー」
「那算夜宵?午餐?咦?该怎么说才好啊——」

「それと天気がいいときのために、日よけのマントか何かを用意してほしい」
「还有,为了天气好的时候,希望能备好遮阳的斗篷之类」

「成る程、承知いたしました」
「原来如此,遵命」

皆のやりとりを聞いていたアレクがうれしそうに口元を緩める。それを見ていたザビーネもつられるように笑みを洩らしつつ、語りかけた。
听着众人的交谈,亚列克愉悦地松开了嘴角。看着他的萨宾也被带动着露出笑意,开口道。

「話がまとまったようでなによりです」
「话谈拢了,再好不过」

「ああ。なんだかんだ言ってマエルがやる気になってくれると、皆もそう動いてくれる。正直、助かるな」
「嗯。说到底,只要马埃尔起了干劲,大家也就跟着动起来。说实话,帮大忙了」

「さすが年長なだけはありますね」
「不愧是年长者」

「そういうザビーネも、マエルが動いてくれると思っていたのだろう?」
「这么说来,萨宾也早料到马埃尔会动起来吧?」

「……最近は生きる事に飽いてきたと口にするようになって心配していましたが、杞憂だったようです」
「……最近他开始说活得太久已经厌倦了,我本有些担心,看来是杞人忧天」

「まだまだ、頼りにさせてもらおう。ラファもジョナもなんだかんだ言って、領主の自覚が出てきたようでうれしいな」
「还要继续仰仗他呢。拉法和乔纳斯不管怎么说,也渐渐有了身为领主的自觉,我很高兴」

そう言うとアレクは微笑んだ。やがて姿勢を正すと、皆に向かって口を開いた。
说罢,亚列克微微一笑。随后端正姿势,向众人开口。

「昼日中の刈り入れの一件、皆の協力により対応できそうでなによりだ。感謝する」
「白天收割这件事,有大家协助看来能应付了,再好不过。多谢」

「まあ、いいって事よ。そんじゃ今日はこの辺で……」
「嘛,行了行了。那今天就到这儿……」

「では次の議題に移るとしよう!」
「那么进入下一个议题!」

「え……まだあるの!?」
「诶……还有!?」

「悪いが俺は仕事がある」
「抱歉,我还有工作」

「話を続けてください、アレク」
「请继续说吧,亚列克」

「次の議題は川の氾濫で困っているとの住民からの――」
「下一个议题是有居民因河水泛滥而困扰——」

こうしてベレジンスキー辺境伯領の領主会議は、真夜中を過ぎても続くのだった。
就这样,贝雷津斯基边境伯领的领主会议,过了午夜仍在继续。


Vol.02 ザビーネ・アルブレヒト
Vol.02 萨宾·阿尔布雷希特

実験の合間の出来事
实验间隙发生的事


「これも失敗ですか……ふう……今回の実験はなかなかうまくいきません……一度休憩したほうが良さそうですね」
「这个也失败了……呼……这次的实验怎么都不顺利……看来还是先休息一次比较好」

ある日の真夜中。己の部屋で実験を続けていたザビーネは、軽いため息と共に手を止めた。だが、その表情は何かうれしそうに見えなくもない。
某日的深夜。在自己的房间里持续着实验的萨宾,伴着一声轻叹停下了手。不过,那表情看上去也并非全然没有几分愉悦。

それもそのはずである。ちょうど昨日、待ち焦がれていた菓子作りに欠かせない調味料が届いたばかりで、それを使って菓子作りをしたいという想いが頭から離れなかったからだ。
这也难怪。就在昨天,他翘首以盼的、做点心不可或缺的调味料刚刚送到,想用它来做点心的念头一直盘踞在脑中挥之不去。

こうして気持ちの切り替えという意味合いも込めて、実験の休憩時間に菓子作りをすることを決めた。そして実験器具もそのままに、部屋から出ようとしたとき。
于是,也带着转换心情的意思,他决定在实验的休息时间里做点心。就在他连实验器具都原样放着、准备走出房间的时候。

ドアをノックする音とともに、部屋に現れたのはアレクだった。
伴随着敲门声,出现在房间里的是亚列克。

「ザビーネ、少しいいだろうか」
「萨宾,能打扰一下吗?」

「アレク……ええ……構いませんよ。どうぞ」
「亚列克……嗯……无妨。请进」

「すまないな。実は今から領内に視察に行くのだが、先日住民から相談があった壊れかけの橋も見てこようかと思っている。それについて――」
「抱歉。其实我现在要去领内视察,想着顺便也去看看前几天居民来商量过的那座快塌的桥。关于这件事——」

「ええ、橋を修理するかどうかでしたね。……そんなこともあろうかと、修理計画と予算案をまとめてあります。これを視察先の担当者に渡すと話はスムーズに進むはずです」
「嗯,是修不修那座桥的事吧。……我料到会有这样的情况,已经整理好修缮计划与预算案。把这个交给视察地的负责人,事情应该就能顺利推进」

「おお……そうか、既に予算案を作っていたとは、さすがザビーネだな。では、これを持って視察に行くとしよう。実験の邪魔をして悪かった」
「哦……是吗,你已经把预算案做好了,不愧是萨宾。那么我就带着这个去视察吧。打扰你做实验了,抱歉」

ザビーネから書類を受け取ったアレクは、満足そうな顔で部屋から立ち去っていった。
从萨宾手中接过文书的亚列克,一脸满足地离开了房间。

立ち去った後のドアを見つめながら、ザビーネは少しばかり心が痛んだ。本来ならもう少し時間をかけて計画書と予算の説明をするべきだったのだろうが、少しばかり手短な対応をしてしまったのではないかと……。だが、アレクの満足そうな顔に安堵しつつ、念願の休憩に入るザビーネだった。
望着他离去后的房门,萨宾心里隐隐作痛。本来应当多花些时间说明计划书与预算的,自己是不是处理得过于简短了……不过,看到亚列克满足的神情,他也松了口气,进入了期盼已久的休息。

そんなことを考えながら廊下に出たザビーネに声を掛けたのはジョナだった。
就在他一边想着这些一边走到走廊时,叫住他的是乔纳。

「ザビーネ」
「萨宾」

「……何か用ですか?」
「……有事吗?」

「ああ。今週末から国外に出かける用事がある。最近は何もかも値段が上がっていて、現地では思っている以上に金を使うことが多い。前から話していたように費用について相談したい」
「嗯。这周末起我有事要出国。最近什么都涨价,在当地花钱比预想的多。就像之前说过的,想跟你商量一下费用」

「成る程。旅費や現地で使用できる予算を上げてほしいという話でしたね?」
「原来如此。是希望能提高旅费与在当地可动用的预算,对吧?」

「簡単に言うとそうだ。我がベレジンスキーの内情については俺もある程度はわかっている。だが、現地で無駄な金を使っているわけではなく――」
「简单说就是这样。贝雷津斯基的内情我也大致明白。但我并没有在当地乱花钱——」

「わかりました。予算を倍にするようにマインスターに伝えておきます」
「明白了。我会吩咐迈因斯特把预算翻倍」

「――む? いいのか?」
「——嗯?可以吗?」

「ええ。問題ありません。これで用事は終わりですか?」
「嗯。没问题。事情就这些吗?」

「あ、ああ……」
「啊,嗯……」

唖然とするジョナの返事を聞くか聞かないかのタイミングで、ザビーネは颯爽とその場を立ち去った。アレクに続いてこちらも時間をかけて吟味する内容だと思いながらも、既にザビーネの気持ちは別の所に向かっていたのだった。
几乎没等听完乔纳那愕然的回应,萨宾便飒然离开了原地。他心想,继亚列克之后,这件事本该也是需要花时间斟酌的内容;然而萨宾的心早已飞向了别处。

元々、ベレジンスキーの予算についてはザビーネが掌握しているので、彼が決めてしまえばそれまでなのだが。
本来,贝雷津斯基的预算就掌握在萨宾手中,只要他定了,事情便到此为止。

「ふたりから声を掛けられて随分と時間が掛かってしまいました……早くキッチンに向かわなくては……」
「被那两个人叫住,竟花了这么长时间……得快点去厨房才行……」

ふたりと交わした会話など大した時間ではないのだが、ザビーネは長い時間のように感じていたらしい。珍しく足早になりながら、一階のキッチンへと向かうのだった。
与两人交谈其实并没花多少时间,但萨宾似乎觉得过了很久。他难得地加快脚步,朝一楼的厨房走去。

やがて、ザビーネの姿が一階のキッチンの扉前に現れる。これ以上、誰かに邪魔をされないかと彼は用心深く周囲を見渡した。この時間はちょうど料理人のエドワードが休憩で離れている為、思う存分キッチンを独り占めできる時間でもある。開始時間が遅れれば遅れるほど、その時間は短くなる。ザビーネが残り時間を気にしつつ、そっとキッチンに足を踏み入れると――。
不久,萨宾的身影出现在一楼厨房门前。他小心翼翼地环视四周,看看会不会再有人来打扰。这个时段恰逢厨师爱德华休息离开,也正是能尽情独占厨房的时间。开始得越晚,这段时间就越短。萨宾在意着剩余时间,轻轻踏入厨房——

「なんだ、ザビーネじゃねえか。部屋に籠もってばかりのあんたが出てくるなんて珍しいな!」
「什么嘛,这不是萨宾吗。你这老是闷在房里的人居然出来了,真稀奇啊!」

キッチンに入ったザビーネを出迎えたのは、テーブルの上でなにやら物色していたマエルだった。
迎接走进厨房的萨宾的,是在桌上翻找着什么的马埃尔。

「あの……マエル……ここでなにをしているのですか?」
「那个……马埃尔……你在这里做什么?」

「あ? ああ、見てわかるだろ? 小腹が空いたんでな。なにか食うモンとかねえかなって思って探してたんだ。そっちは……もしかして実験でも煮詰まったか? 休憩がてら菓子作りとか――」
「啊?哦,看不就知道了?肚子有点饿了。想着有没有什么吃的,正在找呢。你那边……难道是实验卡住了?顺便休息做点糕点之类——」

「いいえ。少し喉が渇きましたので、飲み物を飲みに来ただけです」
「不。只是有点渴了,来喝点东西而已」

マエルの言葉を、丁寧に、だが感情の籠もらない声音で返すザビーネ。それを聞いたマエルは、その意をすぐさま察知した。
萨宾礼貌却毫无感情起伏地回应了马埃尔的话。马埃尔一听,立刻察觉了他的意思。

「お、おう……そうか……いやあ、たまにはザビーネが作った菓子が食えるかもって思ったんだが残念だぜ」
「哦、哦……这样啊……哎呀,我还想着偶尔能吃上萨宾做的点心呢,真遗憾」

「私の菓子など……趣味の延長ですから。人前にお出しできるような代物ではありません」
「我的点心……不过是兴趣的延伸。并不是能端到人前的东西」

「まあまあ、そう言うなって。とはいえ、あんたの邪魔するつもりはねえんだ。茶でもゆっくり飲んで、好きなだけ休憩してけばいいぜ。オレは他で食いモンを探すからよ」
「别别,别这么说嘛。不过我也不打算打扰你。慢慢喝点茶,想休息多久就休息多久。我去别处找吃的」

そう言うと、マエルはさっさとキッチンから退出してしまった。さすがは察しの良い年長者ではある。これがアレクなら菓子作りを見学したいと言い出したり、自分もやってみたいと言い出したりするだろう。ジョナならば、俺が居ても気にせずに料理してかまわない、などと言い出す始末。
说完,马埃尔干脆利落地退出了厨房。不愧是心思敏锐的年长者。若是亚列克,大概会说想参观做点心,或者自己也想试试。若是乔纳,则多半会说「我在也没关系,你照常做就好」。

ザビーネにとって菓子作りは実験と同じ。それ故、菓子作りは他人を交えず、ひとりで行いたいものだったのである。
对萨宾来说,做点心与做实验是一回事。因此做点心时不愿让他人插手,只想独自完成。

さて、マエルも退出してくれたこともあり、ひとりになったザビーネが菓子作りに取りかかろうとした、その瞬間――。
好了,马埃尔也已退出,成了独自一人的萨宾正要动手做点心,就在那一瞬间——

「ねえ、ザビーネ! お菓子作りをするんだって!?」
「呐,萨宾!听说你要做点心!?」

扉を開ける大きな音と共に現れたのはラファだった。
伴随着开门的大响动出现的,是拉法。

「……ラファ、その話を誰から聞きました?」
「……拉法,那话你是从谁那里听来的?」

「えーと、マエルからだよ。ふふっ、どんなお菓子か気になって来ちゃった」
「呃,从马埃尔那里。呵呵,我太好奇是什么样的点心,就跑来了」

「他に何か聞かされませんでしたか?」
「他没跟你说别的什么吗?」

「えーとお菓子を作るから、あれ……? なんだっけ……」
「呃,说萨宾要做点心,所以……咦……?什么来着……」

そう答えると同時に再び大きな音をたてて扉が開くと、今度は苦笑いのマエルが駆け込んでくる。
就在他这么回答的同时,门再次发出大响动被打开,这次是苦笑着的马埃尔冲了进来。

「おい、ラファ! 人の話を聞いてたか? 聞いてたよな!!」
「喂,拉法!你听人说话了吗?听了吧!!」

「確かザビーネがお菓子を作るから――」
「记得是说萨宾要做点心,所以——」

「ザビーネが菓子を作るからキッチンには近付くなって言ったよな?」
「我说的是『萨宾要做点心,别靠近厨房』吧?」

「えっと……そうだっけ?」
「呃……是这样吗?」

「悪かった、ザビーネ! オレは近付くなって言っただけなんだ」
「抱歉,萨宾!我只是说了别靠近而已」

「そう言えば、そんなことも言ってたかも。僕、お菓子のことで頭がいっぱいで――」
「这么说来,好像是说过。我满脑子都是点心的事——」

「よしよし、行くぞ! 菓子は他で探してやるから」
「好了好了,走吧!点心我陪你去别处找」

マエルに引きずられるように、ラファが部屋から連れ出されるのだった。
拉法就这样被马埃尔半拖半拽地带出了厨房。

「ふう……ようやく菓子作りに……」
「呼……终于可以做点心了……」

嵐のようなふたりが立ち去ると、ザビーネは小さなため息を吐いた。そしてようやく菓子作りに取りかかれそう……というときに、室内に現れたひとつの影に気付いたのである。
暴风般的两人离去后,萨宾轻轻叹了口气。就在他终于觉得可以做点心的时候……他察觉到室内出现了一个身影。

「今度は誰ですか!」
「这次又是谁!」

「すみません……あの、私です……」
「对不起……那个,是我……」

トゲを含んだザビーネの誰何に返事をしたのは、サラだった。
回应萨宾那带刺质问的,是莎拉。

「う……あなたでしたか……」
「唔……是你啊……」

「お邪魔、だったでしょうか……」
「我是不是……打扰到您了……」

「邪魔、というわけではありませんが……今、私は少しばかりその……気が立っているというか……」
「倒也谈不上打扰……只是我现在稍微有点……那个,有些烦躁……」

「ノックもせずに立ち入り、声を掛けてすみません! 失礼します!」
「没敲门就进来、还开口叫您,真是抱歉!打扰了!」

「ま、待ちな――」
「等、等等——」

「すみませんでした!」
「非常抱歉!」

……ザビーネに叱られたと勘違いしたのか、彼女は謝罪の言葉を発しつつ足早に立ち去ってしまった。その姿が消えた扉を見つめながら、ザビーネは眉間に皺を寄せて小さなため息を吐いた。それは自分の身勝手のために、彼女を傷つけてしまったのではないかという後悔に近いもの……。それはザビーネが他人に向けるには珍しい感情だった。
……大概是误以为被萨宾训斥了,她一边道歉一边快步离开。望着她身影消失的房门,萨宾皱起眉头,轻轻叹了口气。那近似于后悔——是不是因为自己的任性,伤害了她……这是萨宾极少对他人抱有的情感。

この日、ザビーネの菓子作りは行われなかったという。
据说这一天,萨宾的点心终究没有做成。


Vol.03 マエル・ド・ラヴァル
Vol.03 马埃尔·德·拉瓦尔

1日の始まりに
在一天开始之时


吸血鬼の1日は普通の人間とサイクルが昼夜逆転しているため、陽が沈んでから始まる。とは言っても、吸血鬼の寝起きの状態は人間とそう変わりはない。しゃきっと目覚める者もいれば二度を寝する者、いつまでもダラダラしている者など、吸血鬼もそれぞれである。そんなことから領主たちは目覚めてから最初の食事の時間になっても集まらなかったり、起きてきても飲み物だけを頼んだりと、自由気ままなことが多かった。これまでは。
吸血鬼的一天与常人昼夜颠倒,因此从日落之后才开始。话虽如此,吸血鬼刚睡醒的状态与人类并无太大差别。有人精神利落地醒来,有人赖个回笼觉,也有人一直磨磨蹭蹭,吸血鬼也是各有各样。正因如此,领主们醒来后即便到了第一餐的时间也未必聚齐,就算起了身也常常只点些饮品,多是很随性的。直到此前为止。

「なんだ……誰も居ねえのか……」
「什么啊……一个人都没有吗……」

ある日の夜の帳が落ちた頃。そっと食堂に足を踏み入れたマエルは、肩透かしを食らっていた。食堂であの娘が飲み物を給仕していると他の領主たちが言っていたのを小耳に挟んだことから、1日の始まりに彼女の顔を見るのも悪くないと思いつつやって来たものの……そこには誰の姿もなかったからだ。だが隣接するキッチンにはエドワードや使用人たち、そしてあの娘が何やら準備をしているらしい気配があった。
某日夜幕落下之时。轻轻踏入食堂的马埃尔,扑了个空。他曾偶然听到其他领主说那姑娘会在食堂侍奉饮品,就想着在一天开始之时看看她的脸也不错,于是过来了……然而那里一个人影也没有。不过相邻的厨房里,似乎有爱德华、佣人们,以及那姑娘正在准备着什么的动静。

(……どうやらキッチンで仕事してるみたいだな。まあ忙しそうだし、声を掛けるのは後にしておくか)
(……看来是在厨房干活。算了,看样子挺忙的,打招呼的事就留到之后吧)

マエルは椅子に座ってぼんやりと食堂の中を見渡す。
马埃尔坐到椅子上,怔怔地环视食堂。

(今、ひとりきりってことは……飲み物とか飯の準備ができたら、あの娘が給仕しにくるんだよな……そしたらふたりきりってことか? いや……だからなんだってわけじゃねえし……オレはちょっと様子を見に来ただけだし……)
(现在只有我一个人……等饮品和饭菜准备妥当,那姑娘就会来侍奉吧……那岂不是就只剩我们两个?不……那也不代表什么……我只是来看看情况而已……)

そんなことを思っていた矢先だった。扉が開く音を耳にしたマエルが期待と共に振り向くと、そこに居たのは……。
正想着这些的时候。听到开门声的马埃尔满怀期待地回过头,站在那里的却是……

「マエルか。こんな時間から食堂に居るとは、何かあったのか?」
「马埃尔啊。这个点就在食堂,是出什么事了吗?」

「……なんだ、ジョナかよ。オレが寝起きで食堂に居ちゃ悪いのか?」
「……什么啊,是乔纳。我刚睡醒就在食堂,不行吗?」

「悪いとは言ってない。何かあったのかと聞いている」
「我没说不行。我是在问是不是出了什么事」

「別に何もねえって。目が覚めて起きたんだから、何か飲もうかなって思ったんだよ。つうか、ジョナ。あんたこそ寝起きで食堂に来てどうした?」
「没什么事。醒来起了身,就想着喝点什么。倒是你啊乔纳,你刚睡醒就来食堂,是怎么了?」

「俺は目覚めた後に、この食堂で熱い紅茶を飲むようにしている。最近はそのような規則正しい生活をしようと心がけているところだ」
「我醒来之后会在这间食堂喝杯热红茶。最近正留心过着这样规律的生活」

「へえ、あんたがね……普段は外に出ることが多くて、飯や飲み物を用意していたマインスターを困らせてたと思ってたが」
「哦,你也会啊……我以为你平时多半在外头跑,让准备饭食饮品的迈因斯特很为难呢」

マエルとジョナが言い合っていると、新たな足音の主が現れる。ふたりがほぼ同時に振り向いた先に現れたのは――。
马埃尔与乔纳正拌着嘴,新的脚步声的主人出现了。两人几乎同时回头,出现在那里的则是——

「あれ? マエルが寝起きから食堂に居るね。どうかしたの?」
「咦?马埃尔刚睡醒就在食堂呢。怎么了?」

「……ラファ。オレがここに居ちゃ悪いか?」
「……拉法。我待在这儿不行吗?」

「いつもなら連絡もしないで館の外に出かけちゃってたりするでしょ。だから珍しいなって」
「你平时不是连招呼都不打就跑到馆外去了吗。所以我才觉得稀奇」

「そういうラファだって、前は起きてから部屋の中でダラダラしてたんじゃなかったか?」
「你还好意思说,以前你起来后不也在房间里懒散磨蹭吗?」

「うん。前はそうだったけど、今はちゃんと起きてるよ。だって、あの娘が1日の始まりに飲み物を用意してくれるからね」
「嗯。以前是那样,但现在我都好好起来了。因为那姑娘会在一天开始的时候备好饮品嘛」

「ほ、ほう……そうなのか」
「哦、哦……是这样吗」

「ジョナもそうだよね? あの娘に言われて、紅茶を飲んでから1日を始めるようにしたんだよね?」
「乔纳也是吧?是听了那姑娘的话,才改成先喝红茶再开始一天的吧?」

「……彼女に言われたからではなく、自分自身で生活を整えようと思っていたところだ」
「……不是因为她说了什么,我本来就打算自己把生活整顿好」

「じゃあ、お茶を飲むだけなら、ここであの娘に会わなくていいんじゃない? 僕は会いたいから来てるんだけど」
「那如果只是喝茶,不一定非得在这儿见那姑娘吧?我是因为想见她才来的」

「……彼女の淹れた紅茶はなかなかいい。その際に様子を窺うのもいいと思っている」
「……她泡的红茶相当不错。顺便看看她的情况,我觉得也挺好」

「ふふっ、ジョナも会いに来てたってことだよね。それで、マエルも気になって来たの?」
「呵呵,也就是说乔纳也是来见她的吧。那么马埃尔也是在意着才来的?」

「いや、オレは別に……会いに来たってわけじゃなくて……」
「不,我没有特别……并不是来见她的……」

マエルがラファに詰め寄られそうになっていると、食堂に新たな人の気配が現れる。それにつられるように3人が振り向いた先に居たのは――。
马埃尔眼看要被拉法追问上,食堂里又出现了新的气息。三人被吸引着回头,站在那里的则是——

「夜の帳の食堂に、俺たち以外の3人が揃っているとは珍しいな」
「夜幕下的食堂里,除我们之外竟已聚齐三人,真少见」

「ええ。この時間に食堂へ顔を出すのはアレクと私ぐらいだったのに、何かあったのでしょうか」
「是啊。这个时段会来食堂的本只有亚列克和我,莫非出了什么事?」

「最近はラファとジョナも来るようになっていたが、今日はマエルも居るぞ……そうだ、せっかく5人が揃っていることだし領主会議を始めてはどうだ?」
「最近拉法和乔纳也会来了,今天连马埃尔都在……对了,难得五人齐聚,不如开始领主会议吧?」

「……コホン。それはまた別の時にでも。1日の始まりですから固いことは抜きにして、ゆっくりと過ごしてはいかが?」
「……咳。那事就留到别的时候吧。这是一天的开始,就别那么拘束,悠闲些度过如何?」

「それもそうか」
「也是」

そんな会話を交わしながら食堂に現れたのは、アレクサンドルとザビーネ。やがてマエルたち3人に近づき、それぞれが椅子に着く。
一边这般交谈着走进食堂的,是亚历山大与萨宾。随后他们走近马埃尔三人,各自落座。

「ところで、マエルが寝起きから食堂に居るとは、珍しいな。何かあったのか?」
「话说回来,马埃尔刚睡醒就在食堂,真少见。出什么事了吗?」

「またかよ……」
「又来啊……」

「また、とは?」
「又来,是什么意思?」

「いや、なんでもねえ。ちょっと寝起きに飲み物が欲しくて寄ってみたんだ。つうか、アレクやザビーネも来てるんだな」
「不,没什么。刚睡醒有点想喝东西就顺路来了。倒是亚列克和萨宾也来了啊」

「ああ。彼女の様子や働き具合を見ようと思ってな」
「嗯。想看看她的情况和干活的样子」

「様子を見るではなく、彼女に会いに、では?」
「不是看情况,而是来见她,不是吗?」

「まあ、そうともいえるか」
「嘛,也可以这么说吧」

「えーー、アレクもそうなの?」
「诶——亚列克也是这样啊?」

領主たちがそんな会話をしていると、食堂内に新たな足音が響きわたる。全員が振り向いたその先には――。
领主们正这样谈着,食堂内响起了新的脚步声。所有人回头望去,那里站着的是——

「お待たせいたしました、皆様。私、マインスターが給仕いたします。……おや、マエル様がこんな夜の帳から食堂にいらっしゃるとは珍しい。それに何やらがっかりしたご様子で……何かありましたかな?」
「让各位久等了。由我迈因斯特来侍奉。……哦呀,马埃尔大人竟在这夜幕时分来到食堂,真是稀奇。而且看样子似乎有些失望……可是出了什么事吗?」

「……いや、別に」
「……不,没什么」

「ねえ、それよりあの娘はどうしたの? いつもなら真っ先に彼女が給仕してくれるんだけど」
「呐,比起这个,那姑娘怎么了?平时都是她最先来侍奉的」

「エドワードから頼まれた仕込みに手間取っている様子で……それで急遽代わりに私が給仕に参ったという次第です。ではアレクサンドル様はコーヒーでしたな……」
「她似乎被爱德华托付的备料绊住了……于是临时由我代为侍奉。那么亚历山大大人是咖啡,对吧……」

領主たちは目的の娘が給仕に来なかったことを残念に思いながらも、マインスターの用意した飲み物を堪能していった。マエルも出されたコーヒーを飲んだが、なんだか拍子抜けしたような味だった。そして飲み終わった領主たちは、ひとりまたひとりと席を去って行く。
领主们虽为想见的那姑娘没来侍奉而遗憾,却也品味着迈因斯特备好的饮品。马埃尔也喝了端上来的咖啡,但总觉得味道让人有些兴致索然。喝完的领主们一个接一个地离开了座位。

「――では、そろそろ仕事を始めるとするか。ザビーネ、執務室に来てくれるか」
「——那么,差不多该开始工作了。萨宾,能来执务室吗?」

「承知しました」
「遵命」

「天気が良いみたいだから星でも見に行こうかな」
「天气好像不错,我去看看星星吧」

「俺は館外へ出かけてくる。帰りは遅くなるだろう」
「我要出馆一趟。回来大概会很晚」

そして、特にすることもなかったマエルだけが食堂に残された。1日の始まりをあの娘の顔を見てから過ごせたら……というささやかな願いも叶えられず、さて、これからどうしようかと考えていた時だった。戸が開く音にマエルがヤレヤレ今度は誰だよ、と思いつつ振り向くと。
于是,只有无事可做的马埃尔留在了食堂。连「能在一天开始之时看看那姑娘的脸再开始」这小小的心愿都未能实现,他正想着接下来该怎么办。听到开门声,马埃尔一边心想「真是的,这回又是谁」,一边回过头。

「皆さん! お飲み物はもう――え、マエルさん!? 食堂に来てくれたんですか?」
「各位!饮品已经——诶,马埃尔先生!?您来食堂了吗?」

「お……おう。あんたが給仕してるとか聞いたんでな。様子を見に来たっていうか……」
「哦……哦。听说你在侍奉嘛。算是来看看情况……」

「はい。最近は、目覚められた領主の皆様にお飲み物を用意する仕事を任されているんです。……先程は仕込みを手伝っていたため申しわけありませんでした」
「是。最近我受命负责为醒来的各位领主备好饮品。……刚才我在帮忙备料,真是抱歉」

「ああ、いいって。ちゃんと働いてるならそれで」
「啊,没事。你有好好干活就行了」

「あの、よろしければ新しいお飲み物を用意します。何かご希望はあるでしょうか」
「那个,若您愿意,我再备一份新的饮品。您有什么想喝的吗?」

「そうだな……あったかいスープとかあるか?」
「这个嘛……有热汤之类的吗?」

「スープ……ええとフランスだと……コンソメでしょうか、ポタージュでしょうか?」
「汤……呃,在法国的话……是清汤,还是浓汤呢?」

「……あんた、フランス料理がわかるのか?」
「……你懂法国菜?」

「はい、今、ちょうどエドワードさんから習っているところなので」
「是,现在正好在跟爱德华先生学」

「そんじゃあ、ポタージュで頼む!」
「那就来份浓汤吧!」

「ふふっ、承知しました。すぐにご用意しますね」
「呵呵,遵命。马上为您准备」

笑顔で頷き、パタパタとキッチンに向かって駆けていく彼女の後ろ姿を見ながら、マエルは思った。
看着她笑着点头、啪嗒啪嗒跑向厨房的背影,马埃尔心想。

「……起きがけに食堂に来るのも悪くねえな」
「……刚醒来就来食堂,倒也不坏」

こうして、彼女がプルガトリウムの館に来てからというもの。しばらくぶりに領主全員が食堂に集うようになったという。
就这样,自从她来到普尔加特里乌姆之馆以后。据说领主全员时隔许久又开始齐聚食堂了。


Vol.04 ラファエル・ナーダシュディ
Vol.04 拉斐尔·纳达什迪

領主としての自覚
身为领主的自觉


夜の帳が下りてプルガトリウムの館にあかりが灯る頃。
夜幕落下,普尔加特里乌姆之馆亮起灯火的时候。

昼間の眠りから目覚めたベレジンスキーの領主たちが、それぞれの支度を調えて食堂に姿を現していた。
从白日睡眠中醒来的贝雷津斯基领主们,各自整好装束,出现在食堂。

一日の始まりの食堂は少し前まで顔を出す者も人数もバラバラであったが、ここ最近では5人がちゃんと揃うようになっている。
一天开始时的食堂,不久前露面的人和人数都参差不齐,但最近五人已经能好好聚齐了。

それには理由があった。皆、朝一番に用意された飲み物を飲むためだ。
这是有原因的。都是为了喝上清晨最先备好的饮品。

「ふむ……彼女が用意してくれたコーヒーは美味いな」
「唔……她备好的咖啡真好喝」

「わかるの? それつくったのってマインスターじゃない?」
「你分得出来?那个不是迈因斯特做的吗?」

「いいや、俺にはわかる。それくらいの違いはわかるつもりだ」
「不,我分得出来。这点差别我还是辨得出的」

「……朝一番に出す私たちへの飲み物は、彼女が用意している手はずになっていますので、彼女の手によるもので間違いありません」
「……清晨端给我们的饮品,按安排都是由她准备的,所以确实出自她手没错」

「えーと、つまり味でわかるんじゃなくて、そういう決まりになってるって事だよな」
「呃,也就是说不是靠味道分辨,而是本来就定好了这么回事吧」

「まあ、そうではあるが……彼女はそれぞれの好みをわかって用意してくれているぞ。例えば俺のコーヒーは濃い目に用意してある」
「嘛,确实如此……不过她是明白各人的喜好来准备的。比如我的咖啡就准备得偏浓」

「ああ、オレのスープはポタージュだし」
「是啊,我的汤是浓汤」

「俺の紅茶も濃い目だな」
「我的红茶也偏浓」

「そして私の紅茶は香り重視ですね」
「而我的红茶则重视香气」

「そっか……僕は何も言ってないけど、蜂蜜水が出てくるよね」
「这样啊……我什么都没说,端上来的就是蜂蜜水呢」

「ああ、そういう所が彼女の気づかいの良さであり、飲む側の心に響くところだろう」
「嗯,这正是她体贴周到的好处,也是能打动饮用者内心的地方吧」

「……まあ、マインスターでも同じものが出てたはずだが、彼女が用意したものを飲むとなると朝一番の気持ちの入り方が違うからな」
「……嘛,迈因斯特在的时候端上来的应该也是一样的东西,但喝她备好的,清晨那份心境的投入就不一样啊」

「ええ、そのおかげで5人の領主が朝に顔を揃えるようになったのですからね」
「是啊,正因为如此,五位领主才会在清晨齐聚一堂」

「最近ではこれを飲むと一日が始まる気がするぞ」
「最近喝下这个,就感觉一天开始了」

「飲まなくても一日は始まります」
「不喝一天也会开始」

「はは、そうだな。ではそろそろ、彼女に領主が仕事をしているところを見せてやるとするか」
「哈哈,也是。那么差不多,就让她看看领主工作的样子吧」

「見せるものではありませんが……」
「那可不是能拿来展示的东西……」

「俺は領内の巡回も兼ねて外を回ってくるとしよう」
「我就顺便巡视领内,到外面转转吧」

そう言って、アレクサンドルとザビーネ、ジョナスが腰を浮かしかけたときだった。そんな彼らを見ていたラファエルが呟き、マエルが応える。
说完,亚历山大、萨宾、乔纳斯正要起身。看着他们的拉斐尔低声开口,马埃尔应声。

「前とあんまり変わってないけど、みんな領主の仕事をちゃんとしてるんだよね。……僕だけ何もしてない気がする」
「虽然跟以前没多大变化,但大家都在好好做领主的工作呢。……感觉只有我什么都没做」

「いや、気がするんじゃなくて、実際何もしてないだろ」
「不,不是感觉,你实际上就什么都没做吧」

「……そうなんだけど。僕って何かした方がいいのかな? あの娘でさえ館の中で働いてるのに」
「……是这样没错。我是不是该做点什么?连那姑娘都在馆里干活呢」

「ラファが仕事を? そいつは……」
「拉法要干活?那可真是……」

「うん、どうかな? 何かできる事ないかな?」
「嗯,怎么样呢?有没有什么我能做的?」

「……とりあえず、他の誰かの手伝いをしてみたらいいんじゃねえか?」
「……总之,先试试去帮别人的忙怎么样?」

「そっか、手伝いだね。ええと――」
「这样啊,帮忙是吧。呃——」

そう言ってラファがマエル以外の3人に目を向けると、皆が一斉に視線を逸らす。
拉法这么说着把目光投向马埃尔以外的三人,众人一齐把视线移开。

「ラファの気持ちはうれしい。だが今のところは俺とザビーネで足りていてな……何かあったときはラファにも頼もう」
「拉法的心意我很高兴。但目前我和萨宾已经够了……真有什么事的时候也会拜托拉法的」

「ええ、忙しい時期には手伝ってもらいますよ」
「是啊,忙起来的时候会请你帮忙的」

「領内の見回りをするには、まだ早いんじゃないか?」
「要巡视领内,是不是还太早了?」

「……僕、ここにきてもう200年近くたつけど、まだ早いのかな?」
「……我来这里都快两百年了,还太早吗?」

3人のあしらいにラファが頬を膨らませた。そんな彼を見たアレクがラファに優しく応える。
被三人这般搪塞,拉法鼓起了脸颊。看着他的亚列克温和地回应。

「ラファ、そんなに焦らなくてもいいんだ。本当にやる気になったら教えてくれ。その時こそ手伝ってもらうから。……では、俺は執務室に行く。ザビーネ、後から来てくれ」
「拉法,不必那么着急。真有了干劲的时候告诉我。到那时一定请你帮忙。……那么,我去执务室。萨宾,待会儿过来」

「ええ、承知しました」
「嗯,遵命」

「俺もそろそろ出かけるとしよう。帰りは遅くなる」
「我也差不多该出门了。回来会很晚」

「おう、それじゃあな」
「哦,回头见」

「……皆、がんばってね」
「……大家,加油哦」

アレクとザビーネ、ジョナの3人が席から離れ、食堂から出て行くのをマエルとラファはテーブル席に着いたまま見送った。そしてその姿が見えなくなると、ラファがマエルに声を漏らした。
亚列克、萨宾、乔纳三人离席走出食堂,马埃尔和拉法坐在桌旁目送。等他们的身影消失,拉法向马埃尔轻声开口。

「なんかさ……最近の皆って、ちゃんと仕事をしてるよね」
「怎么说呢……最近的大家,都在好好工作呢」

「あいつらは前からしてるだろ。してないのはオレとラファくらいなもんだ」
「那些家伙以前就在做了吧。没做的也就我和拉法而已」

「そういうマエルも最近は仕事をしていると思うよ」
「这么说的马埃尔最近也在工作不是吗」

「そうかあ?」
「是吗?」

「うん、前みたいに森に引きこもったりサロンでダラダラしてたりすることも少なくなって、別館あたりでブラブラしてることが増えたよね」
「嗯,像以前那样躲在森林里、或者在沙龙里懒散度日的时候少了,在别馆一带晃悠的时候多了呢」

「ブラブラしてるか……まあ、最近はそれなりに仕事してるかもな。ほら、あいつが来たから家具を用意したり修理とか他にもやることがあったし」
「晃悠啊……嘛,最近确实算是干了点活。你看,那家伙来了之后,要准备家具、修缮,还有别的一堆事」

「それに、この間、あの子のために洗濯箱? 洗濯機? っていうのもつくってたよね? 洗濯をするのがすごく楽になったって喜んでたよ」
「还有,前阵子你还为那姑娘做了个洗衣箱?洗衣机?对吧?她可高兴了,说洗衣服轻松多了」

「…………まあ、そんなこともあったかな」
「…………嘛,好像是有这么回事」

「ずるいなぁ。前は一緒に館内でダラダラしてたのに……なんか僕だけ何も変わってないみたい」
「真狡猾啊。以前明明一起在馆里懒散的……总觉得只有我什么都没变」

「…………」
「…………」

「皆、あの娘が来てからちょっと変わったよね。仕事を頑張ってるっていうか、生き生きしてるっていうか……。じゃあ僕は? 僕も領主の仕事をした方がいいのかな?」
「大家从那姑娘来了之后都有点变了呢。该说是工作更努力了,还是说活得更有生气了……那我呢?我也该去做领主的工作吗?」

「あのな……ラファは何も変わってないとかしてないとか言うけどよ。そういう気持ちになったってことは、ラファも少しは変わったってことじゃねえか? ほら、前はそんな事を考えたこともなかったろ」
「我说啊……你老说自己什么都没变什么的。会有这种心情,不就说明拉法也多少变了吗?你看,以前你连这种事都没想过吧」

「あ……うん。そうだね」
「啊……嗯。是啊」

「ほらな。充分、変わってるって。オレの場合はさ、働いてるって言っても……ほんのちょっとやっただけで、もうオレの中にはやる気みたいなモンはねえから」
「看吧。已经变得够多了。至于我啊,虽说在干活……也就干了那么一点点,我里头已经没有什么干劲之类的东西了」

「ふうん……そうなんだ」
「嗯嗯……是这样啊」

ぼんやりと宙を見上げるラファのことを、隣に座っていたマエルが優しげに見つめた。
拉法怔怔地仰望虚空,坐在旁边的马埃尔温柔地注视着他。

「ラファ、おまえはいつも通りでいいと思うぜ。おまえの力が必要となったときには、誰かが必ず声を掛けてくれる。それまでゆっくり待ってろよ」
「拉法,你保持原样就好。需要你力量的时候,一定会有人来叫你的。在那之前慢慢等着吧」

「……うん、そう思うんだけど……」
「……嗯,我也这么想,可是……」

ラファがマエルに顔を向ける。その目には、何か強い力が宿っていた。
拉法把脸转向马埃尔。那双眼睛里,寄宿着某种强烈的力量。

「ねえ、マエル。僕、領主の1人として何かした方がいい気がするんだよね。僕に何かできないかな? ジョナの手伝いとか?」
「呐,马埃尔。我觉得作为领主之一,我该做点什么。有没有什么我能做的?比如帮乔纳的忙?」

「あの仕事は……どうだろうな……」
「那份工作……怎么说呢……」

巡回先で行われている本当の仕事内容を知っているマエルは口を濁す。それを煮え切らないと感じたラファが先を促した。
知道巡视地实际工作内容的马埃尔含糊其辞。拉法觉得他不够干脆,便催他往下说。

「じゃあ、館内の掃除とか洗濯とかは?」
「那馆内的打扫、洗衣之类的呢?」

「それ、そもそも領主の仕事じゃないぜ。あいつと一緒に仕事したいだけだろ? 仮にやってもマインスターやカーミラから駄目出しされそうだよな」
「那本来就不是领主的工作吧。你只是想跟那家伙一起干活而已吧?就算真做了,迈因斯特和卡米拉大概也会说不行的」

「それ、地味に嫌かも。厨房はエドワードに追い出されそうだし、バラ園はレスタトが入れさせてくれなさそう。……ねえ、別館の仕事は?」
「那还真有点讨厌。厨房感觉会被爱德华赶出来,蔷薇园莱斯塔特又不会让我进去。……呐,别馆的活呢?」

「あっちはオレとクレイヴンで間に合ってるし」
「那边有我和克雷文就够了」

「ねえ、マエル! そこをお願い!」
「呐,马埃尔!那儿就拜托了!」

「そこまで言うならいいけどよ、泥だらけになったり、力仕事とかだぜ?」
「既然说到这份上也不是不行,可会弄得满身泥,还是体力活哦?」

「え……そうなんだ……僕には部屋の中で座ったままで出来る仕事とかの方が向いてる気がするんだよね」
「诶……这样啊……我觉得还是坐在房间里就能做的工作更适合我」

「……まあ、そう言うだろうと思った」
「……嘛,我就知道你会这么说」

「となるとやっぱり領主とか伯爵の仕事だよね。アレクの手伝いとかがいいかな」
「那果然还是领主、伯爵的工作吧。帮亚列克的忙之类的比较好吗」

「そいつは、さっき言ってただろ。アレクとザビーネで間に合ってるって」
「那个刚才不是说过了吗。有亚列克和萨宾就够了」

「……でも、その仕事を手伝えるといいな。忙しいアレクを助けられるし、領主筆頭になった僕とあの娘が仲良くなる機会も増えそうだし。一石二鳥だね」
「……不过,要是能帮忙做那工作就好了。既能帮到忙碌的亚列克,我当上首席领主之后,跟那姑娘亲近的机会也会增加。一石二鸟呢」

「はいはい。一日代理とかそんなのがあるといいよな」
「好好。要是有个一日代理之类的就好了」

「もう……本気なんだからね」
「真是的……我可是认真的」

「じゃあ、そろそろオレは別館に行くかな。ラファはどうする?」
「那我也差不多该去别馆了。拉法你呢?」

「とりあえず、何かあったときの為に蔵書室で勉強かな」
「暂且为了以防万一,去藏书室学习吧」

「それ、いいな。頼んだぜ」
「那不错。拜托了」

「うん、任せて」
「嗯,交给我吧」

このときの2人のたわいもない会話が、しばらく経って本当になるのだが……。
此时两人这无关紧要的对话,过了一阵之后竟真的成了现实……

それはまた別の機会の話である。
那就是另一段故事了。


Vol.05 ジョナス・フィッツジェラルド
Vol.05 乔纳斯·菲茨杰拉德

仕事明けの紅茶
工作结束后的红茶


ジョナス・フィッツジェラルドがベレジンスキー辺境伯領にやってきたのは1600年代の後半。その後、ルスヴン卿の長老として、この地を治める5人目の領主に迎えられた。
乔纳斯·菲茨杰拉德来到贝雷津斯基边境伯领,是在1600年代后半。此后,他作为鲁斯文卿的长老,被迎为统治此地的第五位领主。

その頃、すでにベレジンスキーは謎の辺境領地として周囲の国や都市から一目置かれるようになっており、アレクサンドル・シラージを筆頭領主としてザビーネ・アルブレヒトがその補佐的な立ち回りを行い、領地内外の見回りなどをマエル・ド・ラヴァルが行っていた。その当時、ラファエル・ナーダシュディが領主の1人となっていたが、すでに書庫に籠もりきりだった。
那时,贝雷津斯基已作为一片神秘的边境领地为周边的国家与都市所瞩目;亚历山大·希拉吉任首席领主,萨宾·阿尔布雷希特在其中担当辅佐,领地内外的巡视则由马埃尔·德·拉瓦尔负责。当时拉斐尔·纳达什迪虽已是领主之一,却早已闭居于书库不出。

領主として迎えられたジョナは、この地で自分が出来ることを探したが、アレクやザビーネのような国を運営する実務には向いてなく、それよりは身体を動かし、何かあったら剣を振るうマエルの手伝いをするようになっていた。
被迎为领主的乔纳在这片土地上寻找自己能做的事,却不适于亚列克、萨宾那样经营国家的实务,反倒开始帮着动身子、有事便挥剑的马埃尔。

だが、当初マエルはジョナにその仕事を任せようとはしなかった。なぜなら、見回りの仕事は同族の吸血鬼たちを監視し、時には罰するという、血生臭い仕事だったからだ。長生きをし、経験を積んだからと言って、そのような仕事を同族の吸血鬼がするのは難しく、マエルは汚れ仕事を一人で背負っていた。
然而起初,马埃尔并不打算把这份工作交给乔纳。因为巡视的工作是监视同族吸血鬼、时而加以惩罚的血腥差事。即便活得久、经验多,要同族吸血鬼去做这种事依旧艰难,马埃尔一直独自背负着这份脏活。

それを薄々と感じ取っていたジョナはマエルに仕事内容を打ち明けるように迫り、やがてその仕事を彼から引き継いだ。元々、戦争で人を殺してきたような自分には、似合いの仕事だと思ったからだ。それに5人の中では新参でもある。ここに居るためには、なにかしなければ……という気持ちが強かったこともあった。
隐约察觉到的乔纳逼马埃尔坦白工作内容,最终从他手中接下了这份差事。因为他觉得,对自己这种本就在战争中杀过人的人来说,这反倒是相称的工作。何况他在五人之中也是新参。为了留在此地,必须做点什么……这份心情也很强烈。

そうして130年近くの年月が過ぎ去った。
就这样,近一百三十年的岁月流逝而去。

その日、領内の見回りを終えたジョナは馬を別館に戻してから、プルガトリウムの館に向かった。この日はトラブルもなく、血生臭いやりとりもなかったが……念のために自分の身を確かめる。返り血を浴びたとか、そういう形跡はなかったため、問題ないと判断したジョナはそのまま館に急いだ。
那天,结束领内巡视的乔纳把马送回别馆后,前往普尔加特里乌姆之馆。这天没有出乱子,也没有血腥的交涉……但他还是为保险起见确认了自己的身上。没有溅到回血之类的痕迹,判断无碍的乔纳径直赶回馆中。

そんなジョナを大広間で出迎えたのは、人間の身でありながら吸血鬼の館で使用人として働いている、サラ・デュドネだった。
在大厅迎接这样的乔纳的,是虽为人类之身、却在吸血鬼之馆中做佣人的莎拉·迪厄多内。

「お帰りなさいませ、ジョナスさん」
「欢迎回来,乔纳斯先生」

「ああ……今、帰った」
「嗯……我回来了」

帰ってきた時間がすでに明け方近かったこともあり、他の者たちはすでに寝室に向かっている頃である。出迎えるならマインスターだと思っていたのだが、彼の中にはもしかしたら、という思いもあった。
回来的时间已近黎明,其他人这时都已回寝室了。他本以为来迎接的会是迈因斯特,心里却也存着几分「说不定」的期待。

「出迎えはおまえか。マインスターはどうした?」
「来迎接的是你啊。迈因斯特呢?」

「もう夜明けが近かったので、お出迎えの役目については私が代わりを申し出ました」
「因为已近黎明,迎接的差事我便主动请求代劳了」

「そうか……わかった」
「这样啊……知道了」

以前にも夜明け近くに帰って来た時にマインスターではなく、サラが出迎えたことがあったため、ジョナはもしかしたら今日も……と思っていたところであった。
以前也有过临近黎明归来时不是迈因斯特、而是莎拉来迎接的情况,乔纳便想着今天会不会也……正这么期待着。

彼女が出迎えたからといって、何が変わるわけではないのだが、なにかジョナの心の中は、満たされるものがわきつつあった。
虽说由她来迎接也不会改变什么,但乔纳心中总有某种被填满的东西涌了上来。

「このままお休みになられますか? それとも」
「您就这样去休息吗?还是说……」

「寝る前に紅茶をもらおう」
「睡前给我来杯红茶吧」

「――はい」
「——是」

ジョナの返事を聞いたサラは、うれしそうに踵を返すと食堂へ向かって早足で歩いて行く。その後ろ姿を見ながら、ジョナはゆっくりと後を追った。
听到乔纳回答的莎拉愉悦地转身,快步朝食堂走去。望着她的背影,乔纳缓缓跟上。

「紅茶です――」
「红茶来了——」

食堂の席についたジョナの前に、彼女が暖めたカップを置き、そして目の前でポットから紅茶をそっと注いでいく。やがて8分目ほど満たされたカップがジョナの前に現れた。そこから立ち上る湯気と香りを嗅いでいたジョナが、カップを持ち上げてそっと一口飲む。そして二口、三口と飲み……カップを離すと傍に立つサラに顔を向けた。
她在落座食堂的乔纳面前放下温过的茶杯,然后当面从壶中轻轻注入红茶。不久,斟至八分满的杯子出现在乔纳面前。嗅着升腾的热气与香气,乔纳举起杯子轻轻啜了一口。随后两口、三口……放下杯子时,他把脸转向立在旁边的莎拉。

「いつもより、少し味が薄いな」
「比平时味道淡了些」

サラは僅かに驚きの表情を浮かべ、深々と頭を下げた。
莎拉微微露出惊讶的神情,深深低下了头。

「……すみませんでした」
「……非常抱歉」

「何故、謝る? いつも同じ味を出せているおまえが、僅かに味を変えている。何かあったかと思うだろう。顔を上げ、理由があったら説明してくれ」
「为何道歉?一直都能泡出同样味道的你,却稍稍改了味道。任谁都会想是不是出了什么事吧。抬起头,若有理由就说明」

おそるおそるサラが顔を上げると、ジョナは残っている紅茶をゆっくりと飲みながら先を促した。
莎拉怯怯地抬起头,乔纳一边慢慢喝完剩下的红茶,一边催她往下说。

「実は……もう明け方近くで、吸血鬼の皆さんは眠りに就く頃合いだと思います。ジョナスさんもこんな遅くにお戻りになって、これから寝室に向かうのだと思いますが……いつもの濃さで紅茶を飲んでしまっては、目が冴えて眠りに支障が出るのではと思い……」
「其实……已经快到黎明了,各位吸血鬼也该是就寝的时候。乔纳斯先生这么晚才回来,接下来就要去寝室了吧……我想若是喝了平时那种浓度的红茶,会清醒得睡不着……」

「それで、少し薄めにしてみたのか?」
「所以就试着泡淡了些?」

「……はい」
「……是」

「俺にばれないように、気付かれないくらい程度を薄めて?」
「为了不让我发现,淡到几乎察觉不出的程度?」

「…………はい」
「…………是」

「……っ」
「……唔」

ジョナが含むような笑いを上げたことに、サラはどう対応していいかわからなかった。自分のしたことが出過ぎた真似だったのはわかっている。それを笑われているのだろうと……。
乔纳发出含在喉间的笑声,莎拉不知该如何应对。她知道自己做的事是逾矩之举。大概是在笑这个吧……

「紅茶の味や濃さは人間で言う嗜好品で、吸血鬼が朝日と共に眠くなることには関係ない。だから、おまえがしてくれたことは、俺にとっては何の影響もないのだが……」
「红茶的味道与浓淡,用人类的话说是嗜好品,与吸血鬼随朝阳而困倦这件事并无关系。所以你为我做的这些,对我其实没有任何影响……」

「そう、だったのですね……出過ぎた真似をしてしまい申しわけありませんでした、すぐに代わりを」
「原来、是这样啊……做了逾矩的事,非常抱歉,我马上换一杯——」

「代わりはいい。このまま飲もう」
「不用换。就这样喝」

「ですが」
「可是」

「気にしなくていい。その心遣いに感謝している」
「不必在意。我感谢你这份心意」

「……本当ですか?」
「……真的吗?」

「ああ。……今、俺が人間だった頃、夜起きているために濃い目に入れた紅茶を飲んでいたことを思い出していた。そうか……おまえは人間だったからな」
「嗯。……刚才我想起了自己还是人类的时候,为了夜里不睡而喝浓红茶的事。是吗……因为你是人类啊」

「はい……人間ですけれど……」
「是……虽然我是人类……」

サラがこの館で共に住むようになり、使用人たちと同じように働くのを見て……人間とわかっていながら同胞と同じように扱い始めていた自分に気付き、ジョナは苦笑を漏らしたのだった。そして……。
看着莎拉住进这座馆、像佣人们一样工作……乔纳察觉到自己明知她是人类,却已开始把她当同族一般对待,不禁露出苦笑。然后……

「どうせ薄めるならローズティーにしてみたらどうだ」
「既然要泡淡,不如试试玫瑰茶如何」

「……いいのですか? では、次からはローズティーにします。銘柄や花など、ご希望は」
「……可以吗?那么下次就换成玫瑰茶。品牌或花种,您有什么希望吗?」

「おまえに任せる」
「交给你决定」

「私にお任せ……を?」
「交给我……决定?」

「おまえ以外に誰がいる」
「除了你还有谁」

「マインスターさんやエドワードさんの方が、お詳しいと思いますが」
「迈因斯特先生和爱德华先生应该更懂这些」

「そうかもしれない。だが、俺の紅茶の好みを知っているおまえならどんなローズティーを出すのか興味が湧いた」
「也许吧。但知道我喜欢什么红茶的你,会端出怎样的玫瑰茶——我起了兴趣」

「……承知しました。次のお出迎えの時までにご用意します」
「……遵命。我会在下次迎接您之前备好」

サラの小気味良い返事に、ジョナは大きく頷いた。
听着莎拉爽利的回答,乔纳重重地点了点头。

夜になって目が覚めた後は、気を引き締めるためにもブラックティーを好んだ。だが……望みもしない仕事を終えた後、館に戻ったならば……せめて薔薇の香りで血生臭さを拭えたら、と思ったのだった。
入夜醒来之后,为了振作精神他偏好清红茶。可是……在结束并不情愿的工作回到馆中之后……至少能用蔷薇的香气拭去血腥味就好了,他这么想。

「……次回だが……」
「……下次的事……」

「どうかしましたか?」
「怎么了?」

次回。血生臭い仕事をした後なら……返り血を浴びているかもしれない。返り血を浴びなかったとしても、血の臭いを身にまとわりつかせているかもしれない。そんな身で、彼女の出迎えを受ける資格があるだろうか……。紅茶を受け取る資格があるだろうか。とはいえ、領主とし恥じる仕事をしているわけではない。
下次。若是做完血腥的工作之后……或许溅上了回血。即便没有溅到,也可能浑身缠着血的气味。这样的身子,有资格接受她的迎接吗……有资格接过那杯红茶吗。话虽如此,自己做的事并不辱没领主之名。

ジョナは、少し考えた結果……次の仕事から返り血を浴びないように刀を振るおう、岩切ならできるはず……そう思い至ったのだった。
乔纳稍作思索,结果……下回工作起,就挥刀时注意不溅上回血吧,若用岩切,应当做得到……他如此想通。

「ジョナスさん……?」
「乔纳斯先生……?」

「……いや、なんでもない。紅茶、美味かった。次を楽しみにしている」
「……不,没什么。红茶很好喝。我期待着下一杯」

そう言うとジョナは席を立ち、自分の部屋に向かうべく去って行く。サラには見えなかったが、その口元には笑みが浮かんでいた。
说罢,乔纳起身,朝自己的房间离去。莎拉没能看见,他的嘴角浮着笑意。

残されたサラはその背を見送りながら、彼にはどんなローズティーが似合うのか、好んでもらえるのか……そんなことを考えるのだった。
留在原地的莎拉目送着他的背影,想着他适合什么样的玫瑰茶、会不会喜欢……就这样想着。


Vol.06 サラ・デュドネ
Vol.06 莎拉·迪厄多内

一日の始まり
一天的开始


サラ・デュドネがベレジンスキー辺境伯領に来て一月ほどが経っていた。最初は領主と同じプルガトリウムの館に住むことに緊張していたが、館内でメイドの仕事をするにあたって他の従業員たちとの手助けもあり、なんとか生活にも馴染み始めていた。
莎拉·迪厄多内来到贝雷津斯基边境伯领,已过了一个月左右。起初她为要与领主同住在普尔加特里乌姆之馆而紧张,但在馆内做女仆工作时得到其他佣人的帮助,总算开始习惯了这里的生活。

館に住むことになった当初、サラが最も緊張したのは自分以外が吸血鬼だということだった。館に留まる切っ掛けともなったアレクサンドル・シラージに襲われそうになった事件が一度あったが、それ以降はとくにそのような気配などもなく、この館に住む者たちが吸血鬼というのも、一ヶ月も経つと危機感や緊張も薄れ、ついには普通の人と同じような感覚で対応できるまでになっていた。ただし、人間の生活と違って昼夜が逆転しているということを除いて。
刚住进馆里时,莎拉最紧张的是除自己之外全是吸血鬼这件事。虽有过一次差点被亚历山大·希拉吉袭击的事故——那也正是她留在馆中的契机——但此后便再没有那样的迹象;一个月过去,对馆中住着的人都是吸血鬼这一点,危机感与紧张也淡了,最终甚至能以与常人无异的感觉来应对。只是,与人类的生活不同,这里昼夜颠倒。

サラの一日は、陽が沈む前後から始まる。陽が沈みきる前に起きると、祈りを捧げた後に身支度を調え、階下に向かう。行く先は、領主たちが目覚めた後――彼らにとっての朝に集まる食堂。ここを掃除してから、厨房で彼らの飲み物の準備を始める。
莎拉的一天从日落前后开始。在太阳完全落下前醒来,献上祈祷后整好装束,下楼。去的地方是领主们醒来之后——对他们而言的清晨所聚集的食堂。把这里打扫一遍,然后在厨房开始准备他们的饮品。

この朝の飲み物の支度と給仕は、元々マインスターの仕事だったが、
这份清晨的饮品准备与侍奉,原本是迈因斯特的差事,但

「若い娘が給仕した方が、領主の皆様もうれしいでしょう」
「让年轻姑娘来侍奉,领主大人们想必也更高兴吧」

という一言により、サラの仕事となったのだ。
就因这一句话,成了莎拉的工作。

そして今では、給仕するだけでなく彼らの好みに合わせて支度するまでになっていた。
而如今,她已不只是侍奉,还会按各人的喜好来准备。

この日も手際よく食堂の掃除を済ませ、厨房で支度するエドワードの邪魔にならないように飲み物の支度を済ませた頃……領主たちが揃って食堂に現れたのだった。
这天她也利落地打扫完食堂,在不打扰厨房里备料的爱德华的前提下备好了饮品……就在这时,领主们齐齐出现在食堂。

「おはようございます、領主の皆様方」
「早安,各位领主大人」

「おはよう、サラ。朝からご苦労」
「早安,莎拉。一大早就辛苦了」

「おはようございます。今日も宜しくお願いします」
「早安。今天也请多指教」

「よう。寝起きはコンソメで頼むぜ」
「哟。刚睡醒,给我来份清汤」

「おはよう、サラ。昨晩はちゃんと寝られた?」
「早安,莎拉。昨晚睡好了吗?」

「まずは飲み物を頼む」
「先来饮品吧」

「……承知しました。朝の飲み物をご用意しますので、お席でお待ちください」
「……遵命。我会备好清晨的饮品,请在座位上稍候」

サラが最初に飲み物を出すのは、筆頭領主でもあるアレクサンドル・シラージ。彼の朝の飲み物は、砂糖ミルク無しのコーヒーと決まっている。
莎拉最先端上饮品的是身为首席领主的亚历山大·希拉吉。他清晨的饮品定为不加糖不加奶的咖啡。

「うん、いい味だな。俺の好みに合っている。マインスターに教わったか?」
「嗯,味道不错。正合我的喜好。是迈因斯特教的吗?」

「はい。本物のコーヒーを扱うのはここが始めてだったので、最初の頃は戸惑いましたが……お口に合ってなによりです」
「是。在这里是头一次接触真正的咖啡,起初还有些不知所措……能合您的口味就好」

「サラもコーヒーが気に入ったなら、好きに飲んでいいんだぞ?」
「莎拉要是也喜欢咖啡,随意喝就好哦?」

「そんな……滅相もありません」
「这怎么……万万不敢」

この当時、コーヒーはまだ貴族たちが飲む高価な飲み物で、サラたちのような庶民が飲めるのはチコリ(キク科の野菜)や麦を使った代用コーヒーである。その本物のコーヒー豆が毎日飲めるほど保持しているということが、ここが領主の館と言える所以であろう。
当时,咖啡还是贵族们饮用的昂贵饮品,像莎拉这样的平民能喝的只有用菊苣(菊科蔬菜)或麦子做的代用咖啡。能保有那么多的真咖啡豆、足以每天饮用,这大概正是此处堪称领主之馆的缘故吧。

とはいえ、自分がつくったコーヒーを美味しそうに飲むアレクを見て、サラは内心で安堵した。
不过,看到亚列克津津有味地喝着自己冲的咖啡,莎拉在心里松了口气。

そして次に飲み物を用意したのは、ザビーネ・アルブレヒト。彼の朝の飲み物は紅茶である。彼の前に暖めたティーカップを用意し、ポットに淹れた紅茶を注いでいく。濃さが均等になるように回しながら八分目まで注いだ。
接着备好饮品的是萨宾·阿尔布雷希特。他清晨的饮品是红茶。她在他面前放上温过的茶杯,从壶中注入红茶。为使浓淡均匀一边转动一边斟至八分满。

「……良い香りですね。この葉は?」
「……香气很好。这茶叶是?」

「はい、中国からのものと聞いています」
「是,听说来自中国」

「そうですか。では、いただきます……ふむ……」
「这样啊。那么,我喝了……唔……」

「あの……なにか……」
「那个……有什么……」

「いえ、問題ありません。この紅茶、気に入りました。次もお願いしますね」
「不,没有问题。这红茶我很喜欢。下次也拜托了」

そして、ザビーネはうれしそうに再びカップに口をつけた。
随后,萨宾愉悦地再次把杯子送到嘴边。

この当時、コーヒーより高価だったのが紅茶である。当時の紅茶は中国からの輸入品のみで、その輸入路はブリテン(当時のイギリス)が独占をしていた。しかも当時はフランスの大陸封鎖令により、ブリテンとヨーロッパ大陸側の諸国が表だって貿易ができず、紅茶はとても高価なものとなっていたのである。その本物の紅茶が毎日飲めるほど館にある……これもサラが驚いたことだった。この頃、サラや庶民が飲める紅茶と言えば、カモミールやミントからつくられたハーブティーという名の飲み物だったからである。
当时比咖啡更昂贵的是红茶。那时的红茶仅有从中国进口的货,而其进口渠道被不列颠(当时的英国)独占。加之当时法国的大陆封锁令使不列颠与欧洲大陆各国无法公开贸易,红茶便成了极其昂贵之物。馆中却备有足以每天饮用的真红茶……这也是让莎拉惊讶的事。因为当时莎拉这些平民能喝的红茶,只有用洋甘菊或薄荷制成的、名为香草茶的东西。

そんなわけで、ザビーネが今日の紅茶を気に入ったらしく、サラは心の中でホッとしたのだった。
正因如此,见萨宾似乎喜欢今天的红茶,莎拉在心里松了口气。

次の飲み物を出す相手は、マエル・ド・ラヴァル。彼が朝に飲むのはスープ系で、今日出すのは朝の挨拶に注文があったようにコンソメ系のスープである。厨房で手際よく用意していたスープをマエルの前に出す。
下一位端上饮品的对象是马埃尔·德·拉瓦尔。他清晨喝的是汤类,今天端出的是如他早上打招呼时所点的清汤类。她把在厨房利落备好的汤端到马埃尔面前。

「美味そうだな。どれ……うん、いい味だ。これもあんたがつくったのか?」
「看起来很好吃。我尝尝……嗯,味道不错。这也是你做的吗?」

「……はい、私が作りました」
「……是,我做的」

「いい嫁さんになるぜ」
「会成个好媳妇的」

「え……そ、それは……」
「诶……那、那个……」

「なあ、おかわり頼んでいいか?」
「呐,能再来一碗吗?」

「もちろんです!」
「当然可以!」

以前、サラが料理長のエドワードからフランス料理のコンソメとポタージュの作り方を教わっていたとき、たまたまマエルに出すことがあってから、朝にスープを頼まれることが多くなった。
以前莎拉跟料理长爱德华学做法式清汤与浓汤时,偶然端给马埃尔喝过一次,此后清晨点汤的次数就多了起来。

フランス料理のスープは基本ポタージュなのだが、そのなかで透き通ったコンソメととろみがあるポタージュに別れる。マエルはスープが好きらしく、よくこれらを頼んでくる。
法式料理的汤基本上以浓汤为主,其中又分为清澈的清汤与带稠度的浓汤。马埃尔似乎喜欢汤,常点这两样。

マエルが美味しそうにスープを飲むのを見て、サラもうれしくなるのだった。
看着马埃尔津津有味地喝汤,莎拉也高兴起来。

そして次に飲み物を出したのは、ラファエル・ナーダシュディ。彼が毎朝飲むのは蜂蜜水である。彼曰く、甘くて美味しい水というわけで、これをよく好む。実は朝だけでなく、昼食や夕食など食事の際や普通に喉が渇いたときにもこれを頼む。
接着端上饮品的是拉斐尔·纳达什迪。他每天早上喝的是蜂蜜水。据他说是「甜而好喝的水」,很喜欢这个。其实不只早上,午餐晚餐等用餐时、以及平常口渴时他也会点。

「お待たせしました、蜂蜜水です」
「让您久等了,蜂蜜水」

「ふふっ、ありがとう」
「呵呵,谢谢」

「他の飲み物など、ご希望があれば用意しますが」
「若有其他想要的饮品,我也可以准备」

「ううん。僕はこれで充分。あ――今度でいいから、レモンをちょっと搾ってくれる?」
「不用。我这样就很够了。啊——下次就好,能帮我挤点柠檬吗?」

「はい、承知しました」
「是,遵命」

この当時。ヨーロッパの都市部では水質が良くないため、コーヒーや紅茶のような飲み物にしたりアルコールにしたりしたが、東欧の田舎になるとかなり水質は良い。この蜂蜜水も、ほぼ不純物がないくらいで作れているので、この地の水は凄いとサラは感心していた。
当时。欧洲城市地区水质不佳,因此人们把水做成咖啡、红茶这类饮品,或制成酒;而到了东欧的乡下,水质相当好。这蜂蜜水也几乎是在不含杂质的状态下做成的,莎拉不禁感叹此地的水真是了得。

ラファが蜂蜜水を好むのはそういう理由があるのかもしれないと、サラは心の中で思った。
拉法偏爱蜂蜜水或许也有这样的原因吧,莎拉在心里想。

そして、最後に飲み物を出したのは、ジョナス・フィッツジェラルドである。彼に出すのは無糖の紅茶。俗に言うブラックティーである。カップに注いだ紅茶を一口飲んでから、口が開いた。
最后端上饮品的是乔纳斯·菲茨杰拉德。给他的无糖红茶。也就是俗称的清红茶。他喝了一口杯中的红茶,才开口。

「悪いが、砂糖も用意してくれるか」
「抱歉,能也备些砂糖吗?」

「はい、あの……何か味が……」
「是,那个……是味道有什么……」

「いや、味は問題ない。少し糖分を補給したいと思っただけだ」
「不,味道没问题。我只是想补充一点糖分」

「すぐ用意します」
「马上准备」

この頃のコーヒーや紅茶は高級品で値段が高いこともあり、その風味などを楽しむことが多かった。だが、この後の産業革命が発達した頃は価格も随分と抑えられ、砂糖やミルクを入れて飲むことで糖分補給の役に立っていたらしい。そう考えるとジョナはこの先の飲み方を先取りしていたのかもしれない。
当时的咖啡与红茶属高级品、价格昂贵,人多是品味其风味。但据说在后来的产业革命发展时期,价格被压得很低,加糖加奶饮用便起到了补充糖分的作用。这么想来,乔纳或许是提前采用了日后的喝法。

ジョナが砂糖を入れて飲む姿を見ながら、ラファの蜂蜜水のこともあるし甘い飲み物は身体に良いのだろうな、などと考えるのだった。
看着乔纳加糖饮用,她想着,拉法的蜂蜜水也是如此,甜饮品大概对身体有益吧。

こうして陽が沈み、吸血鬼にとっての朝を迎えた頃。目覚めた彼らは食堂に集まり、サラが用意した飲み物を飲むのが日課になりつつあった。そして、彼らは飲み物に満足した顔でサラへ感謝の言葉をかけつつ、立ち去っていく。その後ろ姿を見送りながら、サラは胸をなで下ろすのだった。
就这样,太阳落下,迎来吸血鬼的清晨之时。醒来的他们聚到食堂,喝莎拉备好的饮品,已渐渐成了日常。而后他们带着对饮品满意的神情向莎拉道谢,各自离去。目送那些背影,莎拉才抚着胸口放下心来。

これが、サラが館に来て一月が経った頃。
这就是莎拉来到馆中约一个月的时候。

彼女の朝の仕事であり、一日の始まりとなっていた。
这是她清晨的工作,也是一天的开始。

Vol.07 領主たちの気づかい
Vol.07 领主们的体贴

領主たちの気づかい
领主们的体贴


サラ・デュドネがベレジンスキー辺境伯領に来て数ヶ月が経ち、初夏を迎えた頃。日が落ちて目覚めた領主たちが食堂にやってくると、普段なら出迎える彼女の姿がなかった。5人が訝しみながら席に着き始めると、それに気が付いたのか。彼女が慌ただしく厨房から現れた。
莎拉·迪厄多内来到贝雷津斯基边境伯领已过数月,迎来初夏的时候。日落之后醒来的领主们来到食堂,平日总会来迎接的她却不见身影。五人正疑惑着开始落座,她似乎察觉到了,慌忙从厨房出来。

「皆様、おはようございます。お出迎えもせず、申しわけありません」
「各位,早安。没能迎接,实在抱歉」

「どうかしたのか?」
「怎么了?」

「あの……実は……」
「那个……其实……」

どうやら、厨房担当のエドワードや執事のマインスター、同僚のカーミラたちは別館での仕事が忙しく、そちらの手伝いに向かってしまったとのこと。それで、サラがこの場を任されたらしい。彼女の説明を聞いていたマエル・ド・ラヴァルが相槌を打った。
看来是负责厨房的爱德华、管家迈因斯特,以及同僚卡米拉等人因别馆的活计繁忙,都过去帮忙了。于是这里便交由莎拉负责。听着她说明的马埃尔·德·拉瓦尔随声应和。

「ああ。今日から館周りの植栽や中庭の手入れとか剪定が始まるんだったな。他の奴らはその準備で忙しいんだろうぜ」
「啊。今天起要开始馆周边的栽植、中庭的打理和修剪了吧。其他人大概都在为那个忙」

「おまえはそっちの手伝いをしなくていいのか?」
「你不用去那边帮忙吗?」

「私はこちらの厨房の仕事を覚えたばかりなので、エドワードさんの代わりに食事の下ごしらえと、皆様の対応を任されました」
「我才刚学会这边的厨房工作,所以受托代替爱德华先生负责备餐和照应各位」

「成る程、そうだったのか。皆、大変だな」
「原来如此,是这样啊。大家都辛苦了」

「いえ、領主様方が普段されているお仕事に比べたら、私たちの仕事は普通の館仕事ですので」
「不,比起领主大人们平日所做的工作,我们的活不过是寻常的馆内差事」

「いいや、おまえたちはいつもよく働いてくれている。それに俺たちは領主なのだから、仕事が大変であるのは当然だろう」
「不,你们一直都干得很好。何况我们是领主,工作辛苦也是理所当然的吧」

アレクサンドル・シラージがそう言うと、サラは恐縮したように顔を下げてしまう。そうしていると、マエルがラファエル・ナーダシュディに茶々を入れた。
亚历山大·希拉吉这么一说,莎拉便惶恐似的低下头。这时,马埃尔拿拉斐尔·纳达什迪打趣。

「でもよ、ラファなんか本を読むのと星を見るのが仕事だと思ってるんじゃねえの?」
「不过啊,拉法那家伙说不定觉得读书和看星星就是工作呢?」

「もう、それもちゃんとした仕事なんだからね」
「真是的,那也是正经的工作啊」

「あーー、はいはい、ラファの中ではな」
「啊——好好好,在拉法心里是啦」

「とはいえ、厨房を任されるとは随分と頑張りましたね」
「不过,能被托付厨房,你可真是努力了不少呢」

「はい、これも皆様がいろいろと教えてくださったおかげです。ありがとうございます」
「是,这也多亏各位教了我许多。谢谢您」

サラはザビーネ・アルブレヒトの言葉に一礼すると、慌ただしく朝の飲み物を用意するのだった。
莎拉向萨宾·阿尔布雷希特的话行了一礼,便匆忙去准备清晨的饮品。

やがて皆の前に、各々の飲み物が用意されると――。
不久,各人的饮品被依次端到面前——

「あの、飲み物の他に何か朝食などをご用意しましょうか」
「那个,除了饮品,要不要备些早餐之类?」

「いや、ここはおまえ1人なのだろう? 厨房の仕込みも任されているし、仕事が増えては大変なはずだ。今は飲み物だけで充分だ」
「不,这里只有你一个人吧?厨房的备料也交给你了,活再多会吃不消的。现在有饮品就足够了」

「そうですか……」
「这样啊……」

サラは皆が用意された飲み物に口をつけると、ようやく安堵したようだった。だが、しばらくすると……視線がチラチラと厨房の入り口と食堂の中を行ったり来たりしてしまう。それに気づいたジョナス・フィッツジェラルドが声を掛けた。
看到大家喝上备好的饮品,莎拉这才像是放了心。但过了一会儿……她的视线开始频频在厨房门口与食堂内来回游移。察觉到的乔纳斯·菲茨杰拉德向她开口。

「そんなに厨房が気になるのか? もしかして、料理の仕込みでもしていたのか?」
「那么在意厨房吗?难道是在备什么菜?」

「あ……実は……はい」
「啊……其实……是的」

「やっぱりね。さっきから厨房の方を気にしてて、心ここにあらずって感じだもんね」
「果然呢。刚才起就一直往厨房那边看,一副心不在焉的样子」

「安心していいぜ。これを飲み終わったら、オレたちも仕事に行くから厨房に戻ってろよ。気になるんだろ?」
「放心就好。喝完这个我们也去干活了,你就回厨房吧。你在意着吧?」

「私たちのことは気にせず、先に戻って構いませんよ」
「不必顾虑我们,先回去也无妨」

「では……お言葉に甘えまして、失礼致します。おかわりが必要なときは、どうぞお声をかけてください」
「那么……就依您所言,先失礼了。若需要再添,请随时叫我」

皆の言葉を受けて、サラは少し寂しそうにしながらも厨房へと戻っていった。それを見ていたアレクが感慨深そうに呟く。
听了众人的话,莎拉虽有些不舍,还是回了厨房。看着她的亚列克感慨地低声说。

「そうか……彼女も厨房をひとりで任されるようになったのか」
「是吗……她也到了能独自担起厨房的时候了啊」

「あのエドワードが厨房を任せるとは、随分と信頼されているようですね」
「连那位爱德华都肯把厨房交出去,看来是相当信任她呢」

「手際もいいし、飲み物も美味い。あいつ、料理の腕がいいからな」
「手脚麻利,饮品也好喝。那家伙做菜的手艺不错嘛」

「マインスターも彼女のことを気に入っているみたいだよ。料理だけじゃなくて、掃除とか洗濯もすごい上手いんだって」
「迈因斯特好像也很中意她。不只是做菜,打扫和洗衣也特别拿手呢」

「ふっ、俺はいつかはこうなると思っていた」
「呵,我早就觉得总有一天会这样」

「彼女に館に残ってもらってよかったですね」
「能让她留在馆里真是太好了」

やがてカップのコーヒーを飲み干したアレクが、皆を見回した。
不久,把杯中咖啡饮尽的亚列克环视众人。

「さて、一息吐いたところだが……皆はそろそろ仕事じゃないのか?」
「好了,喘了口气……大家差不多该去工作了吧?」

「うーん、オレはそんなに急いでないかな。それより、アレクこそ忙しいんじゃないのか? 書類が溜まってるとか言ってただろ。オレたちに構わず仕事に行って構わないぜ」
「嗯——我倒不怎么急。倒是亚列克你才忙吧?你不是说文书堆了不少吗。不用管我们,去工作就行」

「いや、俺はそれほど急ぎの仕事というわけではないから、もう少しゆっくりしていても問題ない。マエル以外の皆もこんなにゆっくりしていていいのか? ザビーネも忙しいって言ってたよな」
「不,我的工作没那么急,再悠闲一会儿也没问题。除马埃尔之外的各位这样悠闲下去好吗?萨宾不是也说很忙吗」

「私ですか? ええ、忙しいことは忙しいですが、朝のこの時間はゆっくり過ごしたいと思っておりまして」
「我吗?嗯,忙是忙,但清晨这段时间我想悠闲地过」

「では……ジョナは領内の視察じゃなかったか?」
「那么……乔纳不是要去领内视察吗?」

「いや、今日は天気が悪い。外出は止めて館内でゆっくりしようと思っていたところだ」
「不,今天天气不好。我正打算不出门,在馆内悠闲待着」

「むむむ……ラファは……」
「唔唔唔……拉法呢……」

「僕? 僕はもちろん、ここでゆっくりまったりしてから、本でも読みに行こうかなって思ってるよ」
「我?我当然是在这里慢悠悠待着,然后去看看书吧」

「そ、そうか……でも、そろそろ向かってもいい時間ではないかな。……それに他の皆も、そろそろあれだ……ゆっくり休むならサロンや部屋に行った方がいいんじゃ……」
「这、这样啊……不过,是不是差不多该过去了?……而且其他各位也差不多那个……要休息的话去沙龙或房间不是更好……」

アレクが皆の顔色を窺うように提案していると……マエルが遮るように声を発した。
亚列克正窥探着众人的脸色提议……马埃尔像要打断他似的开了口。

「なあ、アレク。さっきから話を聞いてると、オレたちがここでゆっくりしてると何か都合が悪いみたいな口ぶりなんだが」
「我说,亚列克。从刚才听你说话,那口气像是我们在这儿悠闲待着有什么不方便似的」

「いや、そんな事はない!」
「不,没有那种事!」

「そうかあ? なんか、オレたちにさっさとここから立ち去ってほしいような気がしてな」
「是吗?总觉得你像是想让我们赶紧离开这儿」

「うん、そんな感じがする。どうしてかな?」
「嗯,有那种感觉。为什么呢?」

マエルとラファに問い詰められたアレクに、ジョナが追い打ちをかける。
被马埃尔和拉法追问的亚列克,又被乔纳补了一刀。

「アレク。正直に話してくれ。俺たちがここから立ち去った後、何をするつもりなんだ?」
「亚列克。老实说吧。我们离开这里之后,你打算做什么?」

「そ、それは……」
「那、那是……」

「アレクを問い詰めるのはそこまで。……わかっています。実は私もここに残ってしたいことがありました。筆頭領主であるあなたであれば、同じ事を考えて当然ですよね」
「逼问亚列克就到此为止。……我明白。其实我也有想留在这里做的事。身为首席领主的你,会想到同样的事也是当然的吧」

「ああ……俺は……ここに最後まで残っていたら……頑張っている彼女を手伝うかねぎらってやろうと思っていたんだ」
「嗯……我是想……如果留到最后……就去帮努力的她一把,或者慰劳她一下」

「ふっ、アレクらしいです。他の皆も最後までここに残って彼女に何かしてあげたいと思っていたのでは?」
「呵,真像亚列克的作风。其他各位不也是想留到最后,为她做点什么吗?」

「まあな。オレは、何か手伝おうと思ってたけどよ」
「是啊。我是想着帮点什么」

「僕はそばで彼女を見守ってあげるつもり」
「我打算在旁边守着她」

「ねぎらうとか手伝うとかじゃないのか?」
「不是慰劳或者帮忙吗?」

「うん。じゃあ、ジョナは?」
「嗯。那乔纳呢?」

「……そうだな、俺も声を掛けてやるつもりだったと思う」
「……是啊,我想我也打算跟她说句话」

「ほら、皆も同じ事を思っていたようですよ。ですから、私たちに隠しごとなどせず、振る舞ってくださいね」
「看吧,大家似乎都想着同样的事。所以,请不要对我们有所隐瞒,坦然行事吧」

ザビーネの言葉でアレクの表情にも安堵が浮かび、やがて穏やかになっていく。
萨宾这番话让亚列克脸上也浮现出安心,随后渐渐平和下来。

「そうか……皆も同じ事を考えていたんだな。では、俺からの提案だ。もし、この後の仕事が忙しくないのであれば……彼女の仕事を手伝ってやってはどうだろうか」
「是吗……大家也想着同样的事啊。那么,由我来提议。如果之后的工作不忙……不如去帮她的忙如何?」

「それは……反対です」
「那个……我反对」

「な……!? いま、いいところだったはずだろ?」
「什……!?刚才明明正是好地方吧?」

「狭い厨房に5人も入って何を手伝うというのです? それにアレクは何を手伝えますか? 筆頭領主がする仕事ではないとマインスターやエドワードからも怒られますよ?」
「五个人挤进狭窄的厨房,能帮上什么?而且亚列克你能帮什么?迈因斯特和爱德华也会生气的,说这不是首席领主该做的事哦?」

「それは……確かにそうかもしれないな。では、皆で彼女にねぎらいの言葉をかけてやるとしよう。それでどうだ?」
「那……确实或许如此。那么,就由大家一起去对她说些慰劳的话吧。这样如何?」

「それなら、私も賛成です」
「那样的话,我也赞成」

「オレもそれがいいと思うぜ」
「我也觉得那样好」

「僕もさんせーい!」
「我也赞成——!」

「ああ、それでいいだろう」
「嗯,那样就好吧」

こうして5人の領主は、仕事を1人で任されるようになった彼女にねぎらいと励ましの声を掛けたのだという。
就这样,五位领主向已能独自担起工作的她,送上了慰劳与鼓励的话语。